寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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「隠れ教育費」減へ対話を

公立校で話題に上ることの多いテーマかもしれませんが、

私学でも留意すべきことだと感じております。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

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授業料、制服、ランドセル――。親は子育てでさまざまな経済的負担に直面する。公立学校で必要な保護者負担を検証した「隠れ教育費」の著者、福嶋尚子千葉工業大准教授に改善すべき点を聞いた。

 

福島氏の娘さんが小学生の頃、学校が用意したノートは

ごく普通の方眼ノートであったにもかかわらず、5冊で750円。

これを高いと感じた福島氏は、その後、書道セットに加えて

『書き初めセット』の購入を求められたこともあり、

言われるままに買っていたら大変な負担になる、

と考えたのが「隠れ教育費」の研究を始めたきっかけだそうです。

 

新型コロナウイルス禍も隠れ教育費に対する保護者の不満を顕在化させた。感染対策のために体操服で登校し、10万円の制服を着る機会がほとんどない子がいた。一斉休校の余波で使い切れない教材が目立った。学校行事も減った。本来の意義に立ち返り、必要か否かを保護者や学校が話題にしやすくなった」

 

文部科学省の2021年度調査によりますと、教材費や給食費など

公立小学校に通う子の保護者が学校教育に支出した額は

約10万4千円で、コロナ禍であったにもかかわらず

大きく減ることはありませんでした。

「調査結果を詳しくみると、通学用品費が上昇している。ランドセルの高額化が影響した可能性が高い。『教科書・教科書以外の図書費』が前回比で3割増えたのはデジタル端末に絡む教材の負担も関係しているだろう」

 

ランドセルの高額化は家計の価値観の変化が要因として大きい気がしますが、

端末関連の費用、教材費が増えているのは最近の傾向として

留意しておく必要があるかもしれません。

私学の場合、これらは授業料とは別名目で徴収しているため、

経営管理上、論点化されることがどうしても少なくなってしまいます。

保護者や家庭の負担がどうであるか、という観点を忘れてはならないと感じます。

 

一方で、私学にとって学費の値上げは慎重にならざるを得ないことも事実です。

そのような中で、教材費や積立金をどのように利活用するか、

ということは経営上重要性を増しているとも考えられます。

現状の使途が適切かどうか、これらをさらに有効活用するには、

といった観点での検証もぜひ進めていただければと思います。

 

このインタビュー記事の最後に、福島氏はこうおっしゃっています。

私学でも気に留めておきたいところです。

「学校教育費を全て無償化するのは弊害が大きい。要らないものまで無償で配ってしまうからだ。公費を捻出するよりも無駄をなくす方が早い。無駄を洗い出し、必要なものはしっかり予算措置を求めるべきだ。まずは保護者と学校が対話を始めてほしい」

 

(文責:吉田)

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