地域ごとに競い合う性質のものではないと感じつつも、
それが自然な選択であるという環境づくりは重要です。
日経新聞より。
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新産業創出やイノベーション(技術革新)には多様な視点や発想が欠かせない。一つのカギが女性の理工系人材の育成と活用だ。日本で大学の工学系学部に進む女性は少ないが、山形県は2割を超す。技術者や研究者の厚みが増せば地域産業の振興にもつながるため各地で女性の進学を後押しする動きが強まる。
日本は長年、理工系人材は男性、という先入観が強かったように思います。
2019年時点の調査によりますと、
高等教育におけるSTEM分野の卒業生の女性比率は平均32%。
これに対して日本は17%。比較可能な加盟国で最下位だったそうです。
ポーランドや英国などは40%以上に達していますので、
日本の低さが際立っています。
そして今回の記事では、文部科学省の2021年度「学校基本調査」を基に
内閣府が外部機関に委託して分析した結果が掲載され、
4年制大学の工学系学部に進んだ高校生らの女性比率が
最も高かったのが山形県だった、ということのようです。
ただ、最高の山形で20.2%、全体では15.2%と、
低いことに変わりはないようにも思えます。
ただ、山形大学では女性の教員や大学院生を組織し、
県内の中学・高校で出前講義や進路相談を実施していて、
理科好きの女子生徒にとっては、
お手本となる「ロールモデル」に接する機会があることは
進路の後押しになっているものと考えられます。
交流をきっかけに学内を見学するオープンキャンパスへの参加や
研究室訪問を希望する女子生徒も増えてきた、と書かれています。
いたずらに男女差を採り上げる必要はないとも思いつつ、
見えないバイアスで進路が阻まれているとすれば解消したいところ。
おそらく、貴校園でも可能性を広げる取り組みは
いろいろされていることと思います。
記事にはこんなことが書かれていて、はっとさせられました。
幼いころから科学館などでの「理系的経験」が豊かな女性は理工系に関心が高いとされるが、地方はそうした場が限られる。「理系は女性に不向き」といった思い込みや偏見も進路選択を狭めてきた。
一番怖いのは、大人の先入観、ではないでしょうか。
澄んだ目で子どもたちの将来を見据えられるように、
私たち自身が気を付けねばなりませんね。
(文責:吉田)