夏の足音がそこまで近づいてきたような気がする、7月のスタート。
改めて「いい学校」について考えてみませんか。
日経新聞より。
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「どこか『いい学校』はありませんか」。中学3年のユウタ(仮名)が志望校の相談にやってきた。「気になる学校の口コミサイトを見たら、印象の悪い書き込みがどの学校にもあって……」と困り顔で言う。
ここ数年は感染防止のため、学校説明会などに参加者数の制限があった。参加できなかった生徒や保護者が、口コミサイトを情報源にする傾向が見られた。
在籍生や保護者が書いているので、口コミの内容は書店に並ぶ受験案内よりリアルだ。どの学校の投稿にも称賛と不満、両方の指摘が見られる。
貴校園でもひょっとすると、口コミサイトに一喜一憂されている、
かもしれませんね。
誰しもが匿名で好きなように書き込める口コミサイトでは、
時に賛辞よりも酷評がインパクト強く書き残され、
場合によっては募集上の実害を被っている私学もあるようです。
そんな厄介な存在ではありますが、
学校を選ぶ側にとっては判断材料の重要な一つになっていることがあり、
なおのこと神経をとがらせている学校が多いかもしれませんね。
この記事の筆者は学習塾経営者さんのようですが、
質問してきたユウタ君に、自分にとっていい学校とは何か、
と問うてくださったようです。彼は返答に詰まりました。
同じ学校でも満足する生徒と不満に思う生徒がいるのだ。それを踏まえて自分にとって「いい学校」とは何かを考えてほしい。「この学校でいいや」ではなく「この学校がいい」と思える学校を一緒に探そう、と言うと、ユウタは「はい」と笑顔でうなずいた。
私学は特に、それぞれ特徴があり、それがある生徒にとっては魅力となり、
別の生徒には敬遠材料になる。特徴というのは当然そういうものだ、
と私は思います。
その意味で、なるべく正確に学校の特徴を知ってもらうことは、
生徒と学校の双方にとってとても大切なことだと思います。
では学校にとっての「よい生徒」とは何でしょうか?
記事の筆者も、塾向けの学校説明会で
「よい生徒がいたら紹介してください」
とよく言われるそうで、では「よい生徒」とは何か、
と学校の先生に尋ねたそうです。
ある私立高校の教師は「本校の学力基準に到達していて……」と言った後、苦心しつつ話してくれたが、求める生徒像ははっきりしなかった。
別の私立高では「目的意識を持って学び、失敗を恐れず挑戦し、その経験を基に自分の将来を設計できる生徒。そして社会貢献したいという大きな志、情熱のある生徒です」と熱く語ってくれる教師がいた。
受験は受験生と学校がお互いに選び合うもの、と筆者は指摘しています。
私も強く共感します。どちらかがどちらかを、ではないのです。
よい学校にとってよい生徒がいて、よい生徒にとってよい学校がある。
双方の理解のもとに、貴校園が永続されることを願っています。
(文責:吉田)