タイトル自体を元記事から少し変えてみました。
存在意義。今一度考えてみませんか。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
株式会社が誕生してから約400年。社会を豊かにしてきた会社が岐路に立っている。利益を過度に追い株主に報いる経営姿勢に若者らがノーを突きつけ、社会への貢献や存在意義を明確に示すよう求め始めた。会社と社会。語源が同じと伝えられる2つの言葉が今、再び重なり合うときを迎えている。
今回の記事は上の文章をお読みいただいてお分かりの通り、
一般企業、営利企業の話です。
営利を求めることが目的であるはずの企業経営ですら、
社会貢献を求め、その存在意義を明示する必要が強まっているとのこと。
この記事には、こんなことが書かれています。
我が社は何のために世にあるのか。この問いかけに今、世界の多くの会社が直面している。
株主から資金を集め、雇用を生み、世代を超えて事業を継続する。それ自体が偉大な発明といえる「会社」は経済成長の原動力となった。世界の国内総生産(GDP)は19年に85.9兆ドルと半世紀で約60倍に拡大した。ただ、巨大になった歯車はひずみも生む。
自己資本利益率(ROE)を軸とした株主還元重視の時代を経て、約2100人の富裕層が下位46億人より多くの資産を保有する。デロイトトーマツグループが21年1~2月、45カ国の若者に実施した調査では「富と所得が平等に分配されていない」との認識が7割弱に達した。要因として最多だったのは「企業や富裕層の強欲さや既得権益保持」。評価される機会が平等に与えられないことに不満がにじむ。
私立学校は一企業とも言える存在ではありますが、
その社会性の高さからすれば、存在意義は明確で、
社会貢献度も当然高い、と考えられます。
しかしながら、先日、将来ビジョンを話し合う現場の先生方の会議で、
こんな発言がありました。
「ビジョンや目標が明確な学校に就職したかった。
この学校に来たときは、何のビジョンも目標も示されなかった。
自分は何をしたらいいのか、この学校がどこに向かうのか、
何も分からなければモチベーションなど上がるはずがない」
この記事には、東京・有楽町を歩く会社員100人に
「御社の存在意義を言えますか?」
と問いかけた結果が掲載されています。下のグラフがそれです。
さて、貴校園の教職員さんは、貴校園の理念や存在意義を意識されて、
貴校園でお仕事をされていらっしゃいますでしょうか。
私学は一般企業に比べて給与水準が高いから…
というだけで勤務されているのであれば、
とても寂しいことと言わざるを得ません。
私学は企業価値ほど単純にその価値を図ることはできませんが、
一般企業では、理念、存在意義、パーパス、志が業績を高めることが
統計的にも示されているようです。これも下のグラフで明らかですね。
貴校園の存在意義、何ですか。
建学の精神は、今も日常の教育活動に生かされていますか。
そして、そこで働く皆さんは、貴校園の存在意義を
積極的に捉えることができていますか。
組織は外圧で崩れることよりも、
内部から崩壊することのほうが多いものです。
強い組織を目指して、今一度、貴校園の理念や目的を確認、
あるいは再構築されることをお勧めいたします。
(文責:吉田)