日経新聞に掲載されていたランキング記事です。
私学関係者は特に気になるところではないでしょうか。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
都道府県別の物価差を示した総務省の2021年消費者物価地域差指数で物価を構成する10大費目のうち、授業料や教科書・学習参考教材、補習教育・予備校などにかかる教育費が最も高いのは大阪府だった。2位も京都府と、教育熱の高い関西圏の自治体が上位を占める。
いつもこのブログで引用させていただくのは
日経電子版の記事ですが、紙面発行されている日経新聞には
47都道府県の順位が表で掲載されているのに対し、
電子版にはその表は付いていませんでした。
というわけで、少々お節介ですが、
紙面記事に掲載されていた表を掲載します。
解像度が低い点はご容赦ください。
冒頭の記述でも指摘がある通り、関西圏の高さが際立っていますね。
そして最上位と最下位の差は実に41.8もあります。
記事によれば、最大値と最小値の差は10大費目のなかで
住居に次いで2番目に大きいとのことです。
教育費にどのくらいお金を使うか、というのは
地域差がこれほどまでに大きいものなのですね。
ちなみに、私の生まれ育った富山県は下から2番目。
学校で言えば公立校の存在感が相対的に大きいと感じますし、
塾通いはそれほど一般的でなかった印象があります。
(今はだいぶ違ってきているかもしれませんが)
現在住んでいる大阪とはかなり異なる環境であることは
身をもって体感しています。
大阪府や京都府は中高でも受験人気の高い私大付属校が多い。国や自治体の無償化の枠を超えて授業料が高いのに加え、受験準備で低学年から学習塾や家庭教師に教わる子どもも多くなる。学習塾や家庭教師に学ぶ子どもの割合が高いほど、教育の需要は大きく物価も高い。また大学進学時などに県外に流出する子どもが少ないほど、需要を囲い込めて物価は高まりやすい。
さてこの統計をご覧になって、皆様はどのような感想を持たれるでしょうか。
教育費は、他費目と比べ好況不況との関係が低めで、
安定的に支出される費目だということを過去の統計で感じたことがあります。
貴校園が市場と捉えておられる地域では
教育費がどのような存在感なのか、を知っておくことは
私学経営上も決してマイナスにはならないでしょう。
ちなみに、記事にはこうも書かれています。
ニッセイ基礎研究所の久我尚子上席研究員は「関西圏など大都市には高所得層をターゲットにした学校や学習塾が多い」と指摘する。より高い教育を受けさせるための私大や私塾の経費が違いを生んでおり、結果的に所得の地域差を反映している。
ただ、光熱・水道や食料など輸入原材料の高騰で国内の物価が高まる費目とは違い、教育は主なコストが人件費だ。「賃金上昇が鈍い日本ではインフレによって教育の物価がさらに高まる懸念は低い」と分析する。
「教育は主なコストが人件費だ」との指摘は確かにそうですね。
(施設設備も比較的大きいですが、人件費がやはり大きいでしょう)
各家庭が支出する教育費の主な中身は学校の人件費である、
ということを踏まえて、
納得度の高い学費設定がなされる必要があるかもしれませんね。
(文責:吉田)