先月の記事ではありますが、新年度らしい、
未来の話題をご紹介します。日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
ソニー生命が2021年6月に全国の中高生計1000人を対象に実施した将来の夢についての意識調査では「好きなことを仕事にする」との回答が中学生(39.0%)、高校生(45.3%)ともにトップだった。
上の引用にもある通り、この調査は去年6月実施。
結果もその2か月後にはプレスリリースされていますので、
このタイミングで新聞記事になったことに
少し不思議な印象もあるのですが、まあそれはさておき、
調査結果の概要をまとめた下表をご覧いただきましょう。
そして、この調査で具体的な職業についても聞いているのですが、
男子中高生は「ITエンジニア」や「ゲームプログラマー」、
女子中高生は「美容師」や「デザイナー」といった職業を挙げる
割合が高かったとのこと。
この結果を受けて、日経新聞の記事では
【自身の情熱を注げる職に就きたいとの考えが強いことがうかがえた】
【専門性の高い職種が目立った】
と書かれており、そのうえでこのようなまとめがなされていました。
夢の実現には本人の努力が欠かせない。職業体験などを通じて学校の勉強と仕事の結びつきを知ってもらい、学習意欲を高めるキャリア教育の重要性が増している。
なるほど、そうかもしれないな、と思い、同時に、
ふと以前にも同じような調査がなされていたことを思い出し、
その結果と比べてみたらどうなるか、と興味がわきました。
すると、ネット上に2019年時点の調査結果が残っていました。
さて、この2年で「好きなことを仕事に」という中高生は
どのくらい増えたのでしょうか。
全回答者(中学生 200 名、高校生 800 名)に、将来の夢を聞いたところ、中学生では「好きなことを仕事にする」(49.0%)が最も高く、次いで、「素敵な相手と恋愛・結婚する」(48.5%)、「あたたかい家庭を築く」(47.5%)、「安定した毎日を送る」(44.5%)となりました。
男女別にみると、男子では 1 位「お金持ちになる」(43.0%)、2 位「素敵な相手と恋愛・結婚する」(40.0%)、3 位「安定した毎日を送る」(39.0%)、女子では 1 位「好きなことを仕事にする」(63.0%)、2 位「素敵な相手と恋愛・結婚する」「あたたかい家庭を築く」(いずれも 57.0%)となりました。
むむむ。好きなことを仕事にする、を選んだ割合は大きく下がっていますね。
その他の選択肢を選んだ割合も下がっているようですので、
どのように評価するのが適切なのか分かりませんが、
日経新聞の結論は果たして妥当なのだろうか、と考えてしまいました。
この記事の副題は「専門性高い職種人気」となっています。
専門性を意識しての結果なのか、あるいは進路の選択肢が
目立つ職業に限定されてしまっているからなのか。
学校で進路について学ぶ機会は貴重な気がしますがいかがでしょうか。
(文責:吉田)