職場でついつい忘れてしまいそうになる、言葉の力。
言葉にして伝えることの大切さを再認識させられました。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
企業はベテランと若手社員のコミュニケーションの難しさに直面している。団塊世代の大量退職に伴う技術継承は喫緊の課題で、進まない原因の一つに「言葉の力」の不足が挙げられる。十分にマニュアル化されず引き継ぎ書もないまま、属人的な業務分担に依存している職場も少なくない。管理部門の事務作業も同様だ。部下に物事が浸透しないのは、上司の説明が下手だからだ。
管理職の皆様にとってはかなり辛辣な記事のスタートですが、
怒らないでくださいね。
「伝わらない」ことの原因は「伝える側」にある、
というのがコミュニケーション学の基本になっている、
と聞いたことがあります。たぶんそんな考えが基礎にあるのでしょう。
私がコロナ禍で気付かされたことのひとつに、
いかに「言葉以外」に頼ったコミュニケーションをしようとしていたか、
という点があります。
場の雰囲気や表情、しぐさなどで何となく感じるものに頼りすぎるあまり、
オンラインに切り替わった時にそれらをつかめず、
かといって何を言っていいのかもわからず、
妙な不安や苛立ちを感じることがありました。
「言葉にすること」を重視する英語とは対照的に、日本は言葉で明確に説明する意識が希薄で、「行間を読んで」相手の気持ちを量る傾向がある。しかし、価値観が多様化した社会では、体系的に整理されたわかりやすい言葉でなければ物事は伝わらない。暗黙の理解や自助努力を促すだけで言葉によって表現できなければ、部下の腹に落ちた理解を得られず、リーダーの責務を果たせない。
おっしゃる通り、と納得しました。
いくらこちらが伝えたつもりになっていても、
相手の腑に落ちなければ伝えていないのと同じこと。
ちゃんと伝わるまで伝えることが、伝える側の責務なのでしょうね。
この記事には、
「誰に何を尋ねられても的確に答えられることは、
リスク対応の場面でも重要な役割を果たす」とも書かれています。
確かに、曖昧な言葉づかいではいざという時の動きが
どうしても鈍くなってしまうものかもしれません。
経営課題は何ですか、と問われた時、
目の前に見える事柄を捉えようとしてしまうものですが、
記事の筆者が言うところの
「リーダーの言葉の力の鍛錬」もまた、
経営課題の一つとして認識しておきたいところですね。
(文責:吉田)