寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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保育士もう辞めたい

乳幼児の保育、教育業界は特に人材の定着が難しい業界のひとつです。

労働の負荷や責任と待遇が合わないのが主因のように思いますが、

昨今はさらにコロナ禍が暗い影を落としているようです。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

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東京都内の保育園で7月上旬、新型コロナウイルスの集団感染が起きた。通常保育に戻った園は「密」になりがちで、感染の不安は拭えず消毒作業などの負担も増す。もともと平均給与が低く、待遇の悪さが指摘されてきた保育業界。「保育士辞めたい」。現場からはそんな悲鳴も漏れる。

 

緊急事態宣言下でも止まらなかった、いや止められなかった業界のひとつが

保育園。

福祉の一端を担う保育の現場は日常が続いていましたから、

その分だけ感染リスクも高まったのはやむを得ない、当然の帰結

とも言えるのではないでしょうか。

 

「大好きな子どもたちや保護者と関わる素晴らしい仕事だが、もう限界だ」。関西の認定こども園に勤める20代女性は今年度で退職することを決めた。6月に通常保育が再開され、「自分の教室で集団感染が発生したらどうしよう」と常に不安を抱いていた。

連日、1時間以上かけて園庭や自分のクラスの玩具などを消毒。給食の時間に子ども同士の間隔を取るため机を増やし、仕切りを設けるなどの対策も取った。会議も増え、コロナ禍以前に1日平均10時間だった勤務が12時間に及ぶことも多い。指導案作成などの事務作業は休日、自宅に持ち帰ってこなす。

園側からはプールや参観などの行事を例年通り実施すると伝えられた。反対する多くの職員の声は通らず、プール用玩具の消毒などの作業負担が加わった。「当たり前に通常行事をこなすなんて」。次の仕事は保育士以外で探すという。

 

私が関わっている保育園や幼稚園の皆さんにお聞きすると、

行事を例年通り実施、というケースは皆無です。

が、そのような園も実在するということなのでしょうね。

 

仮にスタッフに無理をさせてしまえば、記事にもある通り、

それは「若者の業界離れ」という形で自らに返ってきます。

学校も幼稚園も保育園も、子どもたちを支えたい、子どもたちと関わりたいという

意欲や志を持った若者の有力な進路であるにもかかわらず、

現実のやるせなさにその気持ちが奪われることはいかにも残念です。

日常だけですら大変な業務、大変な環境ですから、

園経営の中でぜひスタッフの皆さんを守ってあげてくださいね。

 

もうひとつ、これは経営には関係ありませんが、個人的に、

ぜひとも知っておいていただきたいことがあります。

いくつかの支援施策が実施されている中で、

なぜこの人たちが支援から除外されているのか、

と憤りを禁じ得ないケースが少なからずあります。

そのひとつがこれです。

 

医療、介護従事者を対象に最大20万円を支給する国の慰労金で、保育は対象外だった。コロナでストレスが増したという都内の20代女性保育士は「保育も不安とリスクの最前線なのに。見捨てられたのではないか」と落胆する。SNS(交流サイト)のツイッターにも同様の投稿が相次ぐ。

 

これからの社会にとって必要不可欠な保育という仕事が

魅力あるものであり続けられるように、行政施策にも期待したいところです。

そして各園の経営もまた永続できるように願うばかりです。

 

(文責:吉田)

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