寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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保育士の配置、見直し遅れ

小中高ではクラス当たりの児童生徒数について議論がありますが、

保幼ではさらにシビアに、預かる子どもたちに対する職員配置に

問題が指摘されることがあります。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

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「忘れてはいない。機をうかがっている」。保育園を所管する厚生労働省内閣府の担当者が今、声を潜める案件がある。何人の子どもまで1人の保育士が見るかを定めた基準の見直しだ。

 

現在の配置基準は、園児数:保育士数で、

0歳児=3:1、1.2歳児=6:1、3歳児=20:1、4.5歳児=30:1

となっています。

ただ、実際に保育園に関わっていますと、これでは保育士数が足りない、

という声が大多数だと感じます。

園が独自に保育士を基準より増やしているケースも多く、

その分だけ経営は厳しくなります。

 

現在検討されているのは、配置基準そのものの見直しと、

基準より多い保育士を配置した場合の補助金上乗せ、

の2パターンのようです。

安全面への配慮からすれば配置基準をより厳格にする、

という方法が適切なのでしょうが、そうなると、

保育士不足のために園の運営ができなくなることもあり得ます。

コロナ禍でも保育園が止まってしまうことで働き手が失われる、

といったことが現実になりましたので、

保育園が運営できなくなるというのは

各方面への影響が大きくなることが必至です。

 

では補助金はどうか。記事にはこう書かれています。

特に厳しいと指摘される20対1の3歳児は2015年度から、15対1の配置にすれば補助金を上乗せしている。消費税率を8%に引き上げた際の財源を充てた。

当時、4.5歳児などは先送りになった。理由は1000億円以上は要すると試算された財源の不足。消費増税分で対応できるのは3歳児が精いっぱいだった。

以来、内閣府の担当者は重い宿題を抱え続ける。「毎年概算要求に潜り込ませようとするが、この予算規模を確保するのは簡単ではない」

 

1,000億円、と聞けば確かに大きな金額には違いないのですが、

2021年度予算の国の一般会計歳出は106.6兆円。

そのうちの0.1%だとすれば、なぜそこまで難しいのか、

これは本当に重点施策なのかと疑ってすらしまいそうです。

 

貴校園でも新年度の予算が編成されたと思いますが、

重点施策にきちんと予算が配分されていますでしょうか。

計画と予算はセットで考える必要があります。

「掛け声だけ」にならないよう、くれぐれもご注意いただければと思います。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp