乳児や幼児に対応する保育士、幼稚園教諭の皆さん。
激務に奮闘されています。
しかし、やりがいを上回る負担を感じるケースも少なくないようです。
日経新聞より。
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「残業ゼロ、1日8時間勤務を徹底しています!」。7月28日、東京・池袋で保育士向けの転職イベントが開かれた。現役の保育士など約160人が転職先を探し、保育所の採用担当者が熱心に声を掛ける。イベントの活況は、今の職場に不満を抱える保育士が多いことも意味していた。
上の円グラフにもあるように、保育士は転職の回数が多い、とのこと。
定着度が低いのは、職場を移ることの垣根が低いことも要因の一つ、
かもしれませんが、それ以上に待遇面の問題が大きいのかもしれません。
保育士の集団退職の実例も今回の記事に2例掲載されていて、
残業代未払やパワハラがその原因だと指摘されています。
教育や福祉の世界では、これまで「経営」という要素が
そこまで重く捉えられてこなかったという経緯があるように思います。
経営者は「昨日と同じように今日を過ごす」ということができれば
事業が問題なく推移する、という想いを持っているケースが多く、
大事が起こってから「なぜこんなことに」と驚かれることも。
フラットな組織構造になっていることの多いこの業界ですが、
だからこそ労務管理は一般企業よりも難しい、と考えるべきでしょう。
保育士の平均賃金は月額23万2600円(18年、厚生労働省調べ)。全体平均の30万6200円を大きく下回る。
政府は2020年度末までに、4月時点で1万6772人いる待機児童をゼロにする目標を掲げる。達成には約46万人(17年10月時点)いる保育人材をもっと増やす必要がある。だが東京都の調査では保育士の22.4%が今後は保育士を辞めるつもりだと回答した。
20代のころに保育士だった加藤春香さん(仮名、35)はいま、営業事務で働く。「保育士の仕事はやりがいがあるけど、汗だくで走り回っても給料は今と一緒だし……」。今後も保育士に戻るつもりはないという。
子どもたちに深く関わる職業であり、
体力的にも時間的にも激務であることは教員も保育士もよく似ています。
が、両者の給与水準には大きな開きがあります。
この点が既に大きな問題だと私は思うのですが…
保育士の資格を持ちながら保育士として働いていない「潜在保育士」は
全国で約80万人いる、と記事は指摘しています。
業界そのものがそっぽを向かれないように、
まずは国が、そして自治体が、さらには各園が仕組み作りを急がねばなりません。
(文責:吉田)