寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

教育委員会の現状に関する調査

私学の特質、「経営」。

自ら理事会を設置し、自らの行動を決定し、律していく必要があります。

一方で公立校には「教育委員会」が存在し、

私学で言うところの「経営」の一端を担っています。

そんな教育委員会に関する調査がなされたそうで、

結果が文科省HPに掲載されていました。

 

教育委員会の現状に関する調査(平成28年度間):文部科学省

 

自治体に設置される全教育委員会について、

平成28年の状況に関して調査された結果です。

調査項目は一定数あるのですが、

以下、特に気になるもののみ確認しておきます。

教育委員会会議の開催回数

平成28年度間の教育委員会会議(意見交換を目的とした委員協議会等の取組を含む。)の平均開催回数は、都道府県・指定都市で28.8回(平成27年度:29.7回)、市町村で15.0回(同:15.5回)であり、引き続き活発な開催が期待される。
また、教育委員会会議の開催回数を市町村の規模別に比較すると、人口規模の大きい市町村ほど開催回数が多くなっている。

前回調査から減少しているんですね。

会議の頻度は高ければいいわけではありませんが、

少なくとも、頻度を上げることによって

その分だけ意見交換の機会は多くなりますから、

意思決定の質が芳しくない場合には頻度アップを検討してもいいのかもしれませんね。

 

教育委員会会議の運営上の工夫

教育委員会会議の議題について、教育委員に事前に資料を配布したり、事前勉強会を実施したりするなどして、教育委員会会議での議論をより活発にしていくことや、教育委員自らの提案による議題の設定等により、教育委員のリーダーシップを発揮していくことが期待される。今後とも、各教育委員会においては教育委員会会議の運営に様々な工
夫を講じていくことが必要である。
なお、多くの項目において、市町村の取組は都道府県・指定都市よりも低調となっており、市町村教育委員会において、一層の運営上の工夫が行われることが望まれる。

どうすればより良くなるか、と考えるところから工夫が生まれます。

その意識と行動を忘れないようにしたいものです。

 

(3)教育委員の研修

都道府県教育委員会が域内市町村の教育委員を対象として開催した研修の回数は、県内の全市町村を対象とした研修は年間1.1回(平成27年度:1.0回)、県内の一部市町村を対象とした研修は年間1.7回(同:1.6回)となっている。また、自教育委員会の教育委員への研修の開催状況は、都道府県・指定都市で年間7.1回(同:7.7回)、市町村で年間4.5回(同:4.7回)となっている。

教育委員に対する研修…考えてみれば、必要なことですよね。

私学で理事向けの研修は…やはり必要な気がします。

 

以上、私学における理事会を想定しながら、

いろんなことを考えてみた次第です。

会議活性化は組織活性化につながります。

今回の調査結果、ぜひご参考になさってください。

 

(文責:吉田)

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学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果

昨年末にこんな調査結果が発表になりました。

文科省HPより。

 

平成28年度学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果(概要)【速報値】

 

まず特筆すべきは、タブレットの導入が加速していることです。

前年度を上回る台数の増加となっており、ここ3年で約5倍と、

導入が進んでいることが分かります。

 

また、電子黒板は着実に増加しており、

普通教室の4分の1(24.4%)に設置されている、という結果です。

 

一方で、地域間格差は依然大きく、

例えば「教育用コンピュータ1台当たりの児童生徒数」では、

最も率の高い佐賀県が1.9人/台なのに対し、

最も低い神奈川県は8.0人/台と、4倍の開きがあります。

電子黒板はさらに顕著で、こちらも最高は佐賀県の128.5%なのに対し、

最低は群馬県の11.3%となっています。

 

以前の本ブログでもご紹介した通り、

公立校では、以下の方針に基づき、

ICT環境の整備を進めることが予定されています。

平成30年度以降の学校におけるICT環境の整備方針について

 

さて、御校のICT環境整備方針はありますか?

学習ツールとしてのICT環境は「当たり前」という時代に突入しようとしています。

導入するにせよ、しないにせよ、そこには

御校なりの筋を通す必要があるでしょう。

この機会に一度ご検討いただくことをお勧めいたします。

 

(文責:吉田)

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第 29 回「大人になったらなりたいもの」調査結果

2018年1月8日は成人の日でしたね。

 

あべのハルカスでは大人の階段を登ろうということで、

新成人限定で1,637段の階段を歩いて登る

ハルカスウォークが開催されていました。

 

大人になるために1,637段の階段を登る…

これはかなりの険しい道ですね。

自分ならこれを登るくらいなら子どものままで良い…なんて思ってしまうかもしれません。

これを登り切った新成人の皆さんは凄いです。

 

「大人になる」繋がりで、

第29回「大人になったらなりたいもの」調査結果を

皆さまにご紹介いたします。

これは第一生命保険が毎年7月から9月に行っている

ミニ作文コンクールのアンケート欄の調査結果です。

男の子のなりたいもの1位は、15年ぶりに「学者・博士」となり、

女の子の1位は、21年連続の「食べ物屋さん」でした。

 

第29回「大人になったらなりたいもの」

 

今年の新成人が子どもの頃になりたかったものは

男の子の1位は「野球選手」でした。

イチロー選手、松井選手がメジャーリーグで大活躍した時代で、

第1回WBCでの優勝時期とも重なる野球人気全盛の時期でした。

女の子の1位は「食べ物屋さん」で、

空前のパティシエブームが到来した時代でした。

 

時代の移り変わりがよくわかる調査で、

今年の調査結果では、女の子の新たなトレンドとして

「ダンスの先生・ダンサー」がランクインしています。

昨年、話題となった登美丘高校ダンス部や、

中学校での必修科目になったことも影響しているかもしれません。

 

個人的に気になったことが、

女の子のなりたいものTOP3に

「保育園・幼稚園の先生」が入っているところで、

17年連続でのTOP3キープとなっています。

今も昔も「先生」は憧れの職業なんだと思いました。

 

冒頭に触れましたハルカスウォークでも振り袖姿の女子学生が、

「将来は誰からも愛されるような小学校の先生になりたいです。」と

新成人としての抱負を話していました。

 

これからも「先生」が憧れの職業であり続けるためには、

学校という場が素敵なものであり続けねばなりません。

そのために、弊社も皆さまのお力になりたいと思います。

 

(文責:長森)

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余裕教室の活用状況

学校経営を考える際の最大の要素は「規模」である、

というのが私の持論です。

自校の適切な規模を設定することができて初めて、

教育内容や人事、財政を上手くかみ合わせることができます。

 

昨今、少子化等の原因で当初設定した規模が

当てはまらない、定員を埋めきれない学校も出てきています。

そうすると、施設はどうしても余剰気味に。

かといって、施設を短期的に処分するわけにもいかない。

そんな際には施設の活用を図ってみるのも一案です。

 

先日、文科省からこんなレポートが発表になりました。

平成29年度 公立小中学校等における余裕教室の活用状況について

 

公立学校でも施設の余剰(ここでは「余裕」と表現されています)を

活用されているようですね。

以下、活用例を示したページをご紹介しましょう。

f:id:ysconsult:20171219100039p:plain

 

学校という場の強みの一つは施設の存在でしょう。

施設を活用して収益を生むという発想は持っておいて損はないと思います。

 

ただ一方で、その施設から生まれる一番大きな収益は本業、

すなわち学業を修めることに違いない、とも思います。

各校の規模が適切に再設定され、

各種の活動と施設が整合することを願っております。

 

(文責:吉田)

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岐阜市、教員に16連休 今夏、小中など完全閉校

長時間労働が深刻な教員の負担を軽減させようと、

岐阜市教委は2018年度から全市立小中学校と特別支援学校計69校で、

原則として一切の活動を行わない「学校閉庁日」を、

夏休みに16日間連続で設けるとのことで、この期間は日直の教員も置かない。

専門家によると、これほど長期にわたる学校閉庁日の設定は

全国でも例がないとのことです。

 

www.chunichi.co.jp

 

記事によると、

18年夏の学校閉庁日は8月4~19日を予定。

原則として、会議や補充学習、教員研修、

部活動の指導といった全業務を休止する。

教員にはこの間、年次有給休暇や夏季特別休暇を消化させる。

保護者から緊急の連絡があった場合は、

市教委職員が専用の携帯電話で対応する。

部活動は原則休むが、

全国大会が迫っている場合などは例外として、指導を認める。

子育て支援の一環として、

教員ではない専門の指導員を置いて児童を預かる

「放課後児童クラブ」は従来通り、開く。

とあります。

 

この中でも特に気になったのが、

「原則として、会議や補修学習、教員研修、部活動の指導といった

全業務を休止する。」ことと

「保護者からの緊急の連絡があった場合も、

学校の教員や職員ではなく、市教委職員が専用の携帯電話で対応する。」ことです。

 

閉庁期間中は教職員が一切対応しないという取り組みなんですね!

原則という文言が付いていますが、正直驚きました。

これは踏み切ろうと思ってもなかなか踏み切れない

先進的な取り組みではないでしょうか。

 

こちらは公立学校での取り組みになりますので、

私立学校では同じように進めることは難しいかもしれませんが、

電話の外部委託などは私立学校でも考えられる内容ではないでしょうか。

 

もちろん、これで全てが解決された訳ではなく、

記事の最後は次のように結ばれています。

 

「教員が生活時間を取り戻せる良い取り組み。

ただ過重労働が本質的に解決するとは言えず、

部活動指導の外部人材活用など、

できる対策を同時に進めていくべきだ」

 

昨年末、文部科学省

「学校における働き方改革に関する緊急対策」を公表しましたが、

教員の働き方改革はまだスタートラインに立ったところだと思います。

本質的な問題解決に至るまでには相当険しい道のりが待っていますが、

このような取り組みが出てきたことは、先生方だけでなく、

これから先生を目指す若者にもプラスになるように思います。

このような取り組みがどんどん増えれば、

学校の先生方が働きやすく、教育に集中できる環境が整えられる日も

そう遠くないのではないでしょうか。

 

(文責:長森)

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学校経営情報2018年1月号発行のお知らせ

新年あけましておめでとうございます。

本年もどうぞよろしくお願いいたします。

 

さて、弊社の学校経営情報2018年1月号を発行いたしましたので、是非ご一読いただければと思います。

データはホームページよりダウンロードできるようになっております。

 

www.ysmc.co.jp


 

◆概要

①School Manegement Review

      管理職の本音

②冬休み特別企画!

      2017年度学校経営セミナー後半プレイバック

③コミュニケーションのツボ

      ~第10回 座る位置はどこがいい?~

 

冬休み特別企画といたしまして、2017年度学校経営セミナーの後半を振り返っております。

弊社では、2017年度は、「『ひと』を活かし、『しくみ』を活かす」をテーマとして、4月から10月にかけて全6回の学校経営セミナーを開催いたしました。

今月号では8月以降に開催した後半3回のセミナーの様子を振り返っています。

是非、ご覧ください。

 

では、本年も素敵な一年になりますように。

 

 

(文責:長森)

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子ども・子育て拠出金 さらなる引上げへ

負担増のニュース、相次いでおります。

今後控えている消費税の増税等、税負担の増加もありますし、

それ以上に大変なのが社会保険料の負担増です。

本日はそのひとつ、子ども・子育て拠出金のことについて

情報が出ておりましたのでそちらをご紹介します。

 

子ども・子育て拠出金(旧:児童手当拠出金)更なる引上げへ : 労務ドットコムの名南経営による人事労務管理最新情報


この拠出金、引用タイトルにもある通り、

以前は「児童手当拠出金」と呼ばれていたものです。

その負担率は平成27年度には0.15%だったものが、

平成28年度は0.20%、平成29年度には0.23%と、

順調に上がってきています。

 

 

そしてこのたび(平成29年12月8日)、

「新しい経済政策パッケージ」が閣議決定され、

このパッケージに必要な子育て世代の支援のための財源として、

子ども・子育て拠出金が挙げられています。

上記記事にはこう書かれています。

 

具体的には、「法律に定められた拠出金率の上限を0.25%から0.45%に変更」することになっており、引上げによる増額分は、2018年度から実施する「子育て安心プラン」の実現に必要な企業主導型保育事業と保育の運営費に充てることとされています。

 

仮に0.45%になるとすれば、ここ5年程度で負担は3倍増になるということです。

 

もちろん、他の社会保険料の負担に比べるとその率はまだまだ小さいですので、

財政的なインパクトはそれほど大きくないかもしれませんが、

それでもコスト増には違いありませんし、

教職員数とその金額水準によっては無視できない大きさになります。

今後の予算編成において、念頭に置いておくべき項目と言えるでしょう。

 

(文責:吉田)

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