寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

授業運営を効率化

2020年から実施される次期学習指導要領では、

テーマとされる「主体的・対話的で深い学び」を実現するためにも、

ICTの活用が重要だと示されています。

 

近年では、通信端末を授業にも活用される学校も増えてきていますし、

どの教育現場でも 通信端末は不可欠な存在になっていますね。

「ICT教育の基本は1人1台の情報端末である。」なんて声もありますし、

「Education」と「Technology」を組み合わせた「Edtech」という造語まで注目を集めています。

一方で、設備や機器に莫大な費用が掛かる点や、教員の負担が増えることが問題となっています。

 

そんな教員の授業運営を効率化するアプリが紹介されていました。

 

resemom.jp

 

記事の中では、

  • 出欠管理は、GPSBluetoothを使って参加者を検出し、出欠ステータスを一覧表示。屋外・屋内を問わず、教員が現場に不在でも出欠確認できる。時間割や過去の出欠記録は、アプリでいつでも確認可能。
  • 教員と学生間のメッセージ配信や画像送信、提出物の共有、リアルタイムな意見収集により、アクティブラーニングや授業前後の反転学習をサポートする。

とあります。

 

実際に使用してみて、先生、生徒間のやり取りだけでなく、

先生同士のやり取りでも使用できるようなアプリであると感じました。

例えば、画像のやり取りやメッセージ送信もアプリを通じて行いますし、

提出物の共有も簡単にすることが出来ました。

 

このアプリケーションをお勧めしているわけではないのですが、

私は、個人が所有するデバイスにアプリを入れるだけで、

すぐに情報共有できる環境を作ることが出来る点、

費用が掛からない点が優れている、と感じました。

 

ICT機器を上手く使うことが出来れば、

先生方の業務も効率よく管理できるようになると思います。

そうなればより良い教育の提供も考えられるようになるのではないでしょうか。

 

ICT機器や設備の導入には莫大な費用が掛かりますが、

この業界は日進月歩の業界であると思いますので、

様々な角度から導入を検討されてみれば良いのではないかと思います。

 

 

(文責:長森)

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景況感5期連続改善

年末が近づき、あちこちで慌ただしさを増してきているように感じます。

その慌ただしさの要因の一つは「好景気」にあるのでしょうか。

日本経済新聞より。

www.nikkei.com

 

この調査結果で明らかになった業況判断指数(DI)、

定義を改めてみておきましょう。

業況判断DIは景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を差し引いた値。

今回の調査で改善が目立った生産用機械(プラス46)、

非鉄金属(プラス40)をはじめ、自動車はプラス20、

また建設や不動産、小売りなどを含む大企業非製造業はプラス23と、

高い数字が並んでいます。

 

しかし、この記事では

「一方で深刻な人手不足による人件費上昇や天候不順の影響も出ている」

と指摘されています。

宿泊・飲食サービスが6ポイント悪化、

理美容などを含む対個人サービスも11ポイント悪化となっています。

同じ調査の結果を示している別の記事は、

タイトルがこんなふうに変わっています。

www.nikkei.com

 

ちなみに、これらは大企業の業績。中小はどうかと言いますと…

景況感の改善は中小でも顕著になっている。中小企業の全産業の業況判断DIは2ポイント改善のプラス11と1991年8月以来、約26年ぶりの高い水準だった。

先ほどの記事にはこう書かれています。

ちなみに、別の統計もご紹介しておきましょう。

中小企業の主たる借入先である、日本政策金融公庫さんの調査結果です。

 

景況に関する調査結果|日本政策金融公庫

この11月調査の結果では、

中小企業の売上げDIは、9カ月連続でプラス

売上げ見通しDIは、12カ月連続でプラス

となっています。中小企業の統計値も上昇しているようですね。

 

以上、今回は経済指標についてご紹介いたしました。 

 

(文責:吉田)

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2018年トレンド予測

リクルートホールディングスは2017年12月12日、

美容・飲食・住まいなど8領域について、2018年のトレンド予測を発表しました。

 

www.recruit.jp

 

美容、アルバイト・パート、人材派遣、社会人学習、人材マネジメント、飲食、婚活、住まいの8領域における2018年のトレンド予測キーワードがこちらです。

  • 来るスマ美容師(美容領域)
  • 年功助力(アルバイト・パート領域)
  • 熟戦力(人材派遣領域)
  • まなミドル(社会人学習領域)
  • ボス充(人材マネジメント領域)
  • ピット飲食(飲食領域)
  • お見せ合い婚(婚活領域)
  • 育住近接

 

ネーミングだけである程度の内容が推測できるでしょうか。 

この中で、個人的に気になったのが「ボス充」です。

 

 生活を楽しみ、社外活動が充実しているマネジャーは、
会社や社会にいい影響を与え、メンバーから信頼されています。
そのようにボスが充実している状況を「ボス充」と呼びます。

 

このようにボスが充実している状況を「ボス充」と呼ぶそうです。

 

企業における働き方改革は第2フェーズに突入しています。

リクルートの調査では、

残業削減実施を実施している企業は85.7%となっており、

削減した余剰時間を有効に活用する上司が増加しているそうです。

 

また、上司に対する若者の評価基準の変化が起こり、

「仕事人間」「会社人間」な上司よりも、

社外活動が充実しているほうが人間的に魅力があると思う、

と答えた20代一般社員は40.2%で、

今の50~60代とは労働時間や働き方に関する考え方が違う

と回答した20代は78.8%に上ります。

 

働き方改革により、仕事だけでなく、仕事以外にも注目が集まっています。

 

では、学校における働き方改革はいかがでしょうか。

以前、このブログでもご紹介いたしましたが、

学校の管理職は長時間労働となっているケースが多く、

なかなか改善が進んでいないところもあると思います。

 

私自身、実際に労働時間削減に取り組まれている幼稚園、学校のお話を

見聞きする機会も増えてきました。

すると、長時間労働是正が進んでいない組織もある一方で、

中には、定時にほとんどの方が帰っているなんてお話しも伺いました。

その管理職の先生は、

「先生方には仕事を長く続けて欲しいし、家族も大事にしてほしい。」

と仰っていました。

本当にその通りだと思います。 

 

長時間労働が是正された後は先生方の「ボス充」が待っています。

皆さまのワーク・ライフ・バランス実現のため、

2018年度は校外活動の充実にも目を向けてみてはいかがでしょうか。

 

(文責:長森)

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冬のボーナス伸び小幅

先週、日本経済新聞に掲載された記事をご紹介しましょう。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご容赦ください)

 

冒頭部分を引用してみます。

日本経済新聞社が11日にまとめた2017年冬のボーナス調査(1日時点)によると、全産業の1人当たりの税込み支給額(加重平均)は前年比0.89%増の80万8646円だった。前年を上回るのは5年連続支給額は9年ぶりの高水準だが、増加幅は2年連続で1%を切った。月例賃金の伸びも小幅にとどまるなか、伸び悩む個人消費を押し上げるには勢いに欠ける。


2017年夏のボーナス支給額は前年比0.44%減だったのに対し、

今回はプラス。その要因を「堅調な企業業績」と日経は分析しています。

上場企業の2018年3月期決算は2期連続で最高益を更新する見通しです。

一方で、今後の先行き不透明感もあり、伸びは小幅にとどまった、とも。

 

業種別では、電機2.84%増、機械3.40%増、

外食・その他サービス3.62%増、百貨店・スーパー3.49%増などとなっています。

人材確保目的でボーナスを増やす企業も増えているそうです。

 

ちなみに、連合によれば2017年のベア・定昇を合わせた賃上げ率は1.98%で、

2年連続で伸び率が鈍っている、とのこと。

業績改善を賃金でなく、ボーナスで還元する企業が増えています。

安定業績への不安、でしょうか。

 

…と、景気のいい話が続きましたが、この統計、

調査対象がどんな企業なのか、記事を読むだけでは分かりません。

ただ、日経新聞さんの調査ですので上場企業が中心でしょう。

中小企業には全く違う景色が広がっていますよ、

という点については以下のブログですでにお伝え済みです。

ysconsult.hatenablog.com

 

賞与は本来業績との関連が欠かせません。

学校はなかなかそのような運用が難しいですが、

今後の経営を見据えた際に、人件費の変動費化は避けられない論点だと感じます。

各種統計がご検討材料になればと願っております。

 

(文責:吉田)

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税制大綱発表 会社員の増税、年収850万円超で決着

与党の税制改正大綱が発表になりました。

日本経済新聞には関連記事がかなりの紙面を割いて掲載されています。

www.nikkei.com

 

今回の税制改正で特に注目を集めているのが、

年収が高いと増税になる、というこの項目です。

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご容赦ください)

 

この税制改正、いわゆる「お給料」をもらっている人たちに

関連する増税項目なのですが、しくみはこうです。

 

基礎控除を10万円増やす(これだけなら減税になりますね)

・給与所得控除を10万円減らす(これでトントンです)

・給与所得控除を850万円で頭打ちにする(これで増税になります)

 

念のために付け加えますと、子育てや介護が必要となる世帯については、

別途の控除を設ける(控除額を増額する)ため、増税にはならない、

との説明がなされています。

 

法人税が実質的に減税になっている中で、国家予算の確保のためには

どこかで増税が必要になる、それを今回はサラリーマンの皆さんに…

ということなのでしょうか。

記事中にもあるのですが、

「取りやすいところから取る」

という思惑が透けて見えます。

 

さて今回のブログの本題は「増税」ではありません。

今回、線引きとなった「850万円」という金額について、

もともとは「800万円」で調整されていました。

そしてその話題が、ある学校法人さんで話題に上ったときのこと。

事務長さんがこんなことをおっしゃいました。

 

「年収800万円は世間では高所得者、ということですよね。

 学校にはそんな教職員が山ほどいます」

 

確かに。これをおっしゃった事務長さんがいる学校法人が特殊なわけではなく、

教職員さんの賃金の全国あるいは都道府県平均値を見ても、

かなりの学校法人でそのような状況であると言えるでしょう。

 

世間がうらやむ高所得者

それが学校で勤務する方にとっての付加価値を表現できているとすれば、

私は何の問題もないと思います。

ただすでに、人件費負担によって十分な教育研究経費を確保できていない学校、

施設整備の更新が進まない学校も出現しています。

今一度、給与水準を世間、他業種とも比較してみることが

必要なのかもしれませんね。

 

(文責:吉田)

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スマホは是か非か

スマホと言えば、最近では角界を揺るがす大きな事件のきっかけにもなったとも言われています。

 

そんなスマホに関する記事をご紹介いたします。

 

news.nifty.com

 

 記事によると、

スマホを持たない「ガラケー派」である

上智大学碓井広義教授(62、メディア文化論)が

普段接する学生は、「スマホ依存症」ばかりだ。

「今の若者にとってスマホは“自分”そのもの。

スマホばかりいじるのは、自分の都合を何よりも優先させるからです。

24時間スマホに接しているのが当たり前になり、

その行為が目の前にいる相手とのコミュニケーションを遮断して、

不快感を与えていることが理解できないのです」

また、

スマホを取り出していじるのはもちろん、

カメラ機能でパワーポイントや板書を撮影します。

彼らにとって知識や情報は持つものではなく、

その都度スマホから得るもので

『こんなことも知らないのか』と叱られても

『検索すればいいですから』と平然と言える。

ちなみに私の講義では、

最初に『この時間はスマホを忘れてください』

と“禁止令”を出します。

きちんとルールだと伝えると守ってくれるんですよね(笑い)」

とのことです。

 

また、別の記事もご紹介いたします。

 黒板のスマホ撮影は是か非か [金井啓子の現代進行形] - 大阪日日新聞

 

記事の中では、

 「先生が黒板に書いたものは手でノートに書き取るもの」と当たり前のように思って育ってきた私。その私が、数年前に少人数クラスを研究室で教えていた時に、黒板に書いた言葉を学生がスマホで撮影するのを初めて見た時の驚きと戸惑いは、今も鮮明に覚えている。

 とあります。

 

これまでの「常識」が、常識として通用しなくなってきているのかもしれません。

写真に残すメリットとしては、写真として残せば細部まで間違いが無くなります。

最近では撮った写真に文字入れ出来るのでオリジナルのノートを作成することもできますし、暗記シートとして伏字に出来たりもします。

 

けれども、写真だけ残しても改めて見直すかわかりませんし、何より写真を撮った安心感で、考えることをやめてしまいそうな気もします。

 

自分はメモ魔なので、先生の発言までしっかりメモを取る派でした。ただ最近では録音や映像で残したものを見返すことで、より理解が深まることがあるのだと感じることもあります。

 

正直、どちらが良いか分からないというのが、本音です。

 

これから、ICT教育が更に進化すると考えられます。

変えるべきことと変えてはいけないことの線引きは非常に難しいように感じます。

 

記事の締めくくりに、

ちなみに、就職活動を終えたゼミの4年生たち数人に「就活中に企業の黒板などに書いてあったことをスマホで撮ったことはあるか」と尋ねたところ、誰もやっていなかった。ただし、ある企業の選考を同じ部屋で受けていた別の学生がやって企業の人から注意されていたのを目にしたという例はあった。

 

たかが写真、されど写真。

皆さまはいかがお考えになりますか。

 

(文責:長森)

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先生の仕事「仕分け」

忙しい学校現場。

どうやってそんな現状を打開すればいいのか、

その問いを解くヒントになるでしょうか。

朝日新聞デジタルより。

www.asahi.com

(記事全文を読むには会員登録が必要です。ご容赦ください)

 

学校における勤務実態は、このブログをお読みいただいている方々のほうが

よほど詳しいことでしょう。

この記事にはこんなふうに書かれています。

文科省の2016年度の調査では、残業が月80時間以上の状態が続いているなど「過労死ライン」に達している教諭が小学校で34%、中学校で58%に上った。長時間労働への危機感が高まるなか、「残業は月45時間以下」(長野県)、「週の在校時間が60時間を超す教員をゼロにする」(東京都)などの目標を打ち出す教育委員会も出ており、文科省はこうした例を参考に上限の検討を進めるという。また、学校現場に対しては、勤務時間の適切な管理を求める。

月80時間を1日に置き換えると約3~4時間。

トータルの勤務時間で考えれば1日10~11時間に上ります。

これが続くとなると健康はもちろん、仕事の質にも影響が及ぶことは必至です。

各自の努力として、効率を高める、生産性を上げるということも

必要なことは言うまでもありません。

 

ただ、それだけでは限界があるのもまた事実。

仕事そのもの、あるいは組織のしくみを変化させることも重要です。

今回の記事で紹介されている、

中教審分科会・学校における働き方改革特別部会作成の報告書案には

仕事の「仕分け」案が掲載されています。

その資料がこちら。 

新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)【案】

 

「仕分け」されているのは以下の業務です。

① 登下校に関する対応
② 放課後から夜間などにおける見回り,児童生徒が補導された時の対応
③ 学校徴収金の徴収・管理
④ 地域ボランティアとの連絡調整
⑤ 調査・統計等への回答等
⑥ 児童生徒の休み時間における対応
⑦ 校内清掃
⑧ 部活動
⑨ 給食時の対応
⑩ 授業準備
⑪ 学習評価や成績処理
⑫ 学校行事等の準備・運営
⑬ 進路指導
⑭ 支援が必要な児童生徒・家庭への対応

上記新聞記事では①②が採り上げられていますが、私自身は

⑬を見て、おっ、と思いました。

報告書案の該当箇所を引用してみます。

特に高等学校については,就職先が多岐にわたり,企業等の就職先の情報を踏まえた指導について,教師が必ずしもその専門性を有しているとは言い難い。このため,事務職員や民間企業経験者,キャリアカウンセラーなどの外部人材等が担当する方が効果的と考えられる場合には,高等学校における進路指導に関わる事務のうち,企業等の就職先の情報収集等について,事務職員や民間企業経験者などの外部人材等が担うべきである。

また,教師が進路指導を担う際には,進学や就職の際に作成する書類について,校務支援システムの導入や様式の簡素化,都道府県や市町村における様式の統一化のほか,学校における集中処理期間の設定等,作業をより効果的に進める工夫を行うべきである。

この着眼点、単に教員の時間短縮のみならず、

進路指導の質向上にもつながるという意味で、

個人的にはとても重要だと感じます。

様々な職業について、その職業を知る人にアドバイスをもらうのが

子どもたちにとっても最善の進路指導になるのではないでしょうか。 

 

かけ声だけではなかなか実現できない、働き方改革。

具体的な改善行動を明示するためにも、

この報告書案を活用してみてはいかがでしょうか。 

 

(文責:吉田) 

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