忙しい学校現場。
どうやってそんな現状を打開すればいいのか、
その問いを解くヒントになるでしょうか。
朝日新聞デジタルより。
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学校における勤務実態は、このブログをお読みいただいている方々のほうが
よほど詳しいことでしょう。
この記事にはこんなふうに書かれています。
文科省の2016年度の調査では、残業が月80時間以上の状態が続いているなど「過労死ライン」に達している教諭が小学校で34%、中学校で58%に上った。長時間労働への危機感が高まるなか、「残業は月45時間以下」(長野県)、「週の在校時間が60時間を超す教員をゼロにする」(東京都)などの目標を打ち出す教育委員会も出ており、文科省はこうした例を参考に上限の検討を進めるという。また、学校現場に対しては、勤務時間の適切な管理を求める。
月80時間を1日に置き換えると約3~4時間。
トータルの勤務時間で考えれば1日10~11時間に上ります。
これが続くとなると健康はもちろん、仕事の質にも影響が及ぶことは必至です。
各自の努力として、効率を高める、生産性を上げるということも
必要なことは言うまでもありません。
ただ、それだけでは限界があるのもまた事実。
仕事そのもの、あるいは組織のしくみを変化させることも重要です。
今回の記事で紹介されている、
中教審分科会・学校における働き方改革特別部会作成の報告書案には
仕事の「仕分け」案が掲載されています。
その資料がこちら。
新しい時代の教育に向けた持続可能な学校指導・運営体制の構築のための学校における働き方改革に関する総合的な方策について(中間まとめ)【案】
「仕分け」されているのは以下の業務です。
① 登下校に関する対応
② 放課後から夜間などにおける見回り,児童生徒が補導された時の対応
③ 学校徴収金の徴収・管理
④ 地域ボランティアとの連絡調整
⑤ 調査・統計等への回答等
⑥ 児童生徒の休み時間における対応
⑦ 校内清掃
⑧ 部活動
⑨ 給食時の対応
⑩ 授業準備
⑪ 学習評価や成績処理
⑫ 学校行事等の準備・運営
⑬ 進路指導
⑭ 支援が必要な児童生徒・家庭への対応
上記新聞記事では①②が採り上げられていますが、私自身は
⑬を見て、おっ、と思いました。
報告書案の該当箇所を引用してみます。
特に高等学校については,就職先が多岐にわたり,企業等の就職先の情報を踏まえた指導について,教師が必ずしもその専門性を有しているとは言い難い。このため,事務職員や民間企業経験者,キャリアカウンセラーなどの外部人材等が担当する方が効果的と考えられる場合には,高等学校における進路指導に関わる事務のうち,企業等の就職先の情報収集等について,事務職員や民間企業経験者などの外部人材等が担うべきである。
また,教師が進路指導を担う際には,進学や就職の際に作成する書類について,校務支援システムの導入や様式の簡素化,都道府県や市町村における様式の統一化のほか,学校における集中処理期間の設定等,作業をより効果的に進める工夫を行うべきである。
この着眼点、単に教員の時間短縮のみならず、
進路指導の質向上にもつながるという意味で、
個人的にはとても重要だと感じます。
様々な職業について、その職業を知る人にアドバイスをもらうのが
子どもたちにとっても最善の進路指導になるのではないでしょうか。
かけ声だけではなかなか実現できない、働き方改革。
具体的な改善行動を明示するためにも、
この報告書案を活用してみてはいかがでしょうか。
(文責:吉田)