毎期楽しみにしている?統計資料が発表されました。
大阪シティ信用金庫さんが調査されている、ボーナスに関する統計です。
まずは、冒頭の記載をそのまま引用させていただきましょう。
経団連がまとめた 2017 年年末賞与の調査結果(妥結額の第 1 回集計、11 月 6 日発表)によると、民間大手企業の 1 人当たり支給額は加重平均で昨年比 1.19%減の91 万 6,396 円(単純平均では 0.01%減の 80 万 1,333円)で、5 年ぶりの減少となった。
それでは、中小企業の支給状況はどうだろうか。当金庫取引先企業を対象にアンケート調査を実施した。
ところが、中小企業の支給額はまるで異なります。
報告書中、調査結果をまとめた記載を一部加工し、引用します。
1.支給企業割合-2 年ぶり減少の 57.7%
この冬にボーナスを支給するかどうか(予定及び実績)
「①支給する」:昨年より 3.8 ポイント減少し 57.7%
⇒この支給企業割合が減少するのは 2 年ぶりのことで、ここ 4 年ほど一進一退が続き、なかなかリーマンショック前の水準を回復しない。
「②支給しない」:42.3%
【その内訳】
「(ア)ボーナスは支給できないが、少額の手当を出す」30.0%(昨年冬比1.4 ポイント増)
「(イ)全く支給なし」12.3%(同 2.4 ポイント増)
業種別:「①支給する」と答えた企業の割合は卸売業(61.7%)や製造業(61.3%)が 6 割を超えているのに対し、小売業は 39.3%と少ない。
従業者規模別:「①支給する」と答えた企業の割合は規模が大きくなるほど多く、20 人未満の 51.7%に対し、50 人以上では 96.2%となっている。
なんと、支給されない企業が4割を超えています。
ただし、そのほとんどが従業員規模50名未満ですので、
賞与支給については企業規模の大きさが大きく影響していることが分かります。
2.支給額-平均は 278,664 円
前項で「支給する」と答えた企業(57.7%、585社)に対し、1人当たりの支給額を聞いた結果
全体でみると、1 人当たりの平均支給額は 27 万 8,664 円(昨年冬に比べ 1,578 円、率にして0.57%の増加)…支給額の増加は 5 年連続
業種別:サービス業が 30 万 6,589 円で最多、小売業では 23 万 6,973 円で最少
従業者規模別:支給額は規模が小さくなるほど少なくなっている
本統計は機会があるたびに紹介させていただいていますが、
賞与の額は私学の教職員各位と比較すればかなり小さいものと思われます。
賞与が従業員規模と深い相関があるとすれば、
各私学の規模と照らし合わせた場合の賞与額は、
一般企業のそれとはまるで異なる感覚であることがお分かりいただけるでしょう。
この点、今後、私学経営におけるお金の使い道について、
社会の目が厳しくなってきた場合にはやり玉にあがる可能性は
小さくないのではないでしょうか。
以上から導かれる結論を、大阪シティ信用金庫さんは以下のようにコメントされています。
支給する企業においては支給額が 2013 年以降増加し続けているのに対し、支給する企業の割合そのものは今回 3.8 ポイント低下するなど伸び悩んでおり、中小企業のボーナス支給に二極化がうかがえる。
賞与が企業業績によるものであるとすれば、二極化もやむなし、
というご意見もあるかもしれません。
健全経営を継続し、今後も賞与支給が恙なく行われる私学であり続けていただきたいと心から願っております。
(文責:吉田)