英語力は高まってきているようではあります。
日経新聞より。
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文部科学省は(5月)9日、2023年度の調査で「英検3級相当」以上の英語力がある中学3年は全体の50.0%、「英検準2級相当」以上の高校3年は50.6%だったと発表した。ともに改善したが地域差は大きく、指導する教員側の英語力向上が課題となっている。
文科省の「英語教育実施状況調査」の結果です。
この調査では毎年、全ての公立小中高校を対象に生徒の英語力などを調べています。
(なるほど、私立小中高は調査対象に含まれないのですね)
英検3級の出題の目安は中学卒業程度で「身近な英語を理解し使えるレベル」、
準2級は高校中級程度で「日常生活に必要な英語を理解し使えるレベル」
とされています。
今回調査は2023年12月時点で、各級以上を取得したか、
あるいは教員が「相当する英語力がある」と判断した生徒の割合を調べたものです。
この割合には「60%」という目標値が定められていますが、
今回は目標には届かなかったものの、
中3で前年度より0.8ポイント、高3で1.9ポイント増となりました。
調査開始時(2013年度)からみれば、
それぞれ17.8ポイント、19.6ポイント伸びていますので、
上昇基調にあることは事実とみてよさそうです。
ただ、都道府県・政令市別での差が大きい状態は続いているようです。
佐賀県(30.1%)や愛知県(35.6%)など7自治体が4割以下。
高校では富山県(61.4%)が最も高かったのですが、
こちらも最下位と約20ポイントの差があったそうです。
同省が要因を分析したところ、生徒の英語力が高い自治体や学校では、生徒が授業中などに英語を使って活動している割合が高かった。教員の英語力が高く、教員の授業における英語使用量が多い傾向もあった。
(中略)
同省は指導する側の実力が生徒の英語力に影響しているとし、英語を使いこなせる教員の育成を強化する。
さて、私学でも英語やグローバルをキーワードに特色化をされるケースが
これまでかなり多くみられましたが、
その中身は充実を続けていらっしゃるでしょうか。
英検をはじめとする試験結果がすべてではありませんが、
ひとつの指標として、学内外に訴求できるという意味では
こういった目標設定もあり得るのかもしれませんね。
そして何より、教える側の充実が大切、という点は忘れてはなりません。
語学は特に、使う頻度が上がればその分上達が期待できると感じますので、
教員側が積極的に使う場面が多いほど、生徒の英語力は高まるように思います。
ちなみに、記事には教員の英語力を補うためのDX、
さらにはAI活用についても言及がありました。
教員不足が顕著な昨今においては、
こういったことも併せて検討してみる必要がありそうです。
(文責:吉田)