学びの選択肢が増えることにつながるのでしょうか。
日経新聞より。
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文部科学省は2026年度から専門学校の履修制度を大学と同じ単位制に移行を始める。大学に編入しやすくし、就職後のリカレント教育やリスキリングといった学び直しを後押しする。IT(情報技術)や医療福祉のような人手不足が深刻な分野で専門スキルを持つ人材を育てる。
大学は理論重視であるのに対し、専門学校は実践重視。
現在は法律で1年間に必要な授業のコマ数が
「800時間以上」と定められている専門学校について、
大学向けの基準に沿って単位認定で評価する方法に改めることが
想定されているようです。
今回の記事で少々驚いたのですが、文科省の調査によりますと、
2022年度に専門学校(専門課程)を卒業したの231,903人もいたのに、
専門学校を経て大学編入した人は1,651人しかいないそうです。
現在は、専門学校を卒業した後に大学編入する場合、
専門学校が用意した履修コマ数を単位に換算した資料を
「学生側が大学に届け出る」必要があって、
それを受けた大学側は、資料などを基に編入資格の有無を確認せねばならず、
双方の負担が大きいのが編入の障壁になっているとのこと。
今回の法改正は確かに学びの選択肢を広げることにつながりそうです。
加えて、専門学校も大学も、今後は少子化がさらに進展し、
学生募集がよりいっそう厳しくなることも見込まれます。
その意味でも法改正は追い風になる可能性があるかもしれませんね。
ちなみに、法改正では専門学校から大学院への進学もしやすくするそうで、
専門課程を終えた学生が専門学校でより高い水準の授業を受ける
「専攻科」を制度として認め、2年間の専門課程を修めた後、
条件を満たした専攻科で2年学べば大学院に進学できる、
といった仕組みが検討されているようです。
進学実績が生徒募集に大きな影響を及ぼす私立の小中高では、
ともすると専門学校よりも大学に進学してほしいという
教員や学校側の意向が子どもに伝わってしまって、
子ども自身の自由な選択が阻害されているケースもあるかもしれません。
今回の改正が、そういった素地も打破してくれることを
個人的には少し期待もしたいと思います。
この学校教育法の改正案は今国会に提出され、今後審議されるようです。
その行方を見守っておきたいですね。
(文責:吉田)