呼称、については私学に関わる中でもちょっと気になることがあるんです。
ご紹介する記事と趣旨はちょっと違うかもしれませんが。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
まずは記事冒頭のこの文章を読んでみてください。
どんなふうに感じられるでしょうか。
客室乗務員の「ピッコロ」、人事部門の「ぴぐもん」――。日本航空の社内公認ベンチャー「W-PIT」を構成する約200人はニックネームで呼び合う。2017年に「しげる」こと松崎志朗さん(38)が社員17人で正式に始動させた頃からの大事なルールだ。
メンバーは新入社員から60歳近いベテランまで幅広い。「『さん』呼びでは壁ができてしまう」。松崎さんはニックネームが年齢や肩書の壁を取り払うための「キードライバー」(最も重要な要素)の一つと位置づける。
年齢や肩書の壁を取り払うために最も重要な要素のひとつ、
それが「呼び方」であるということについては、
おそらく多くの方の共感が得られるでしょう。
企業でも私学でも、役職名での呼び名は上下関係を意識させてしまう、
あるいは無意識の前提条件となってしまう、というのは私も同感です。
私自身、私学に関わり始めた際には失礼を承知で、
役職を問わずすべての方を「さん」で呼ばせていただいておりました。
そうでないと、役職上位の方の意見に反論しづらいのではないか、
と感じたからです。
2023年のリクルートワークス研究所の調査によると、大手企業の上司が若手部下を呼ぶときは「さん」付けが79%を占める。古屋星斗主任研究員は「ハラスメントを防ごうという上司の意識が呼び名にも反映されている」と説明する。
「ニックネーム」(8.9%)は少数派ながらも、「役職名」(9.9%)と拮抗。カレンダーアプリを運営するTimeTree(タイムツリー、東京・新宿)などスタートアップを中心に導入が徐々に広がる。年功序列にとらわれない組織風土の広がりが背景にありそうだ。
さて、今回の記事を通じて、貴校園の皆さんに
「ニックネームで呼んでみてはどうですか?」
という提案をするつもりはありません。あしからずご了承くださいね。
ただ、貴校園の教職員の皆さんは、
同僚の皆さんのことをどんなふうに呼んでおられるでしょうか?
おそらく、「〇〇先生」が圧倒的多数だと思います。
これ、冷静に考えると、ちょっと変ですよね。
もちろん、生徒との関係がある、と多くの先生方はおっしゃると思います。
生徒の前では〇〇先生、それ以外の場面では〇〇さん、
では面倒だし大変、とお感じになる方もいらっしゃるでしょう。
ただそれでも、少なくとも保護者対応や来客の際に、
同僚のことを「〇〇先生」と呼ぶのはやはり疑問がわきます。
身内に対する謙譲語が、学校という場所ではあまり使われないことへの
違和感があるのはきっと私だけではないでしょう。
というわけで、今回の記事を通じて、同僚の教職員の呼び方を
ぜひ一度点検していただければと思います。
先生、という呼称が敬意を含む表現であることを、
私たち自身も改めて胸に刻むためにも。
(文責:吉田)