多くの学校法人は規模の上では「中小企業」に分類されますが、
世の中のニュースの多くは大企業のもの。
今回は貴重な中小企業の賃上げに関する統計のご紹介です。
首都圏の情報とはなりますがご容赦を。日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
城南信用金庫と東京東信用金庫が(4月)10~12日、取引先の中小企業1970社を対象に実施した調査によると、この春に賃上げをした企業は全体の19%だった。賃上げする予定があるとした企業もあわせると52%だった。大企業の賃上げの波及効果や人手不足への対応などが要因となり、中小企業にも一定程度の賃上げが浸透している。
今春に賃上げをした企業が19%、予定を合わせると52%、
という割合を多いとみるか少ないとみるか、
ご意見が分かれるところかもしれません。
ただ、1月時点の調査では、賃上げする予定と答えていた企業は
27%だったそうで、これと照らし合わせると、予定を含めて52%、
というのは大きな数値であると言えるのかもしれません。
ちなみにこの調査では、賃上げを実施した、あるいは予定している企業に対し、
賃上げ水準も聞いているのですが、
「2%以上3%未満」が最多(25%)で、続いて「1%以上2%未満」(18%)、
「4%以上5%未満」が10%、「6%以上」が8%だったそうです。
賃上げの要因として調査元は、
大企業の賃上げ、人手不足への対応などが複合していると見ています。
さて中小企業の場合、多くの私学が有している
「年齢をベースにした(号俸)俸給表」
があるというケースはむしろ少数派ではないか、
と思っておりますので、ここでいう「賃上げ」が果たして
「ベースアップ」を指すのか、「定期昇給」を指すのかは
微妙なところがあります。
そもそも定期の昇給がないケースもある、という前提で
ニュースを読む必要はあるかもしれませんね。
その意味で、貴校園が仮に賃上げをする、となればそれは
「ベースアップ」を意味する可能性があり、
非常に影響が大きくなることも想定されます。
教職員の生活を守るという視点を忘れることなく、
一方で経営が永続できる制度設計や改正をお願いいたします。
(文責:吉田)