寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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企業、経常益18.3%増 人件費は伸びず

コロナ禍は続いていますが、企業業績は伸びているようです。

本当なのでしょうか。日経新聞より。

 

www.nikkei.com

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企業収益は改善を続けている。財務省が1日発表した法人企業統計調査では7~9月期の経常利益は前年同期比18.3%増と7四半期連続の増益となった。資源高や急激な為替変動の中でも業績は堅調に推移している。新型コロナウイルス流行前より経常利益は2割以上増えたのに、人件費は1.7%減と低迷する。働く人への分配のあり方が問われている。

 

ここのところの物価高や円安の状況もなんのその、

企業業績はかなりいい状態のようですね。

下のグラフを見ればその状況がよく分かります。

 

 

それにしても、人件費や設備投資は増えませんね。

直近4四半期の人件費支出の合計額は、2019年度の水準を1.7%下回っています。

賞与はコロナ前を上回っている一方で、給与は2.0%低いそうです。

設備投資もコロナ前比2.4%減。

なぜこうなっているのでしょうか。

コロナ禍や世界情勢による先行きの見通しが立てにくいから、

というのが私の直感だったのですが、記事はそうではない、との論調です。

中期的にみても日本企業は人件費への配分を手控えてきた。年次調査によると21年度の経常利益は10年間で1.9倍、税引き前当期純利益は2.3倍に増えたのに、人件費は3.3%増にとどまった。この間、配当金は2.5倍に増え、株主への還元は強化されてきた。

 

なるほど、利益の増え方と人件費の増え方を比較してみると、

理由は必ずしも先行きの不透明感ではないことが分かってきますね。

同じことを私学の決算書でもやってみると、さてどうなるでしょうか。

 

貴校園では収入や収支差額の増減と人件費の増減を比べて、

人件費支出が経営体力に応じたものになっているかどうか、

という見方をされたことがありますでしょうか。

今後ますます、収支差額を生み出しにくい経営環境になると考えられます。

将来の収支構造を予想し、必要な施設設備の整備ができるよう、

早めに手を打っていただくことをお勧めいたします。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp