先日の痛ましい事件から1カ月。未だ記憶に新しいところです。
その後、マスメディアにもいろいろな記事が掲載されていますが、
本日はその一つをご紹介します。日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
静岡県の認定こども園に通う女児が通園バスに取り残されて死亡した事件で、子どもが通う施設の安全性が確保されていない実態が改めて浮き彫りになった。根本には監視機能や情報公開の不足など構造的な問題がある。安全かどうかが「ブラックボックス」のまま子どもを預ける親の不安を解消する必要がある。
安全かどうかが「ブラックボックス」、というのは
あまりに子ども施設への信頼感がない表現だと残念に感じますが、
今回のような事故が起こってしまうと反論が難しいのも事実です。
記事で紹介されている保護者の声には、
「入所の際も新型コロナウイルス下で十分に見学できず、
安全対策も詳しく調べられなかった」とあり、
確かにそのような不安は大きいのかもしれないとも感じます。
バスでの園児置き去りが起きてしまった今回の事件、
そして2021年に福岡県で起きた同様の事件を受け、
政府は両方のタイミングで自治体等に安全管理を求める通知を出しました。
ただ、保育事業を手掛ける認定NPO法人フローレンスの駒崎弘樹会長は「お願いの紙を出しただけ」と通知の限界を指摘。韓国で同様の事件が起きた時、車内への置き去りを防ぐ装置設置を義務付ける法律ができたことを挙げて「日本でも必要だ」と訴える。小倉将信こども政策担当相も前向きな姿勢を示す。
方法論は各園に任せるべき、というご意見は当然あると思いますが、
任せておくからこういうことが起きる、と言われてしまうような
現状をしっかり押さえておくべきです。
子ども施設での事故はそれほど増えているのです。
幼稚園や保育所など子どもの施設で起きている事故は、置き去りだけではない。内閣府によると、21年に子どもの施設(幼稚園、保育所、こども園など)で起きた重大事故(死亡、意識不明、治療期間が30日以上の負傷など)は1872件(うち死亡が5件)で、前年より286件増えた。16年の587件から、5年で3倍以上に増えた。
自己が多くなっている背景として、記事では
「新しい保育施設、経験の少ない職員の増加」
が挙げられています。
子ども施設に関わる教職員は平均勤続年数も短く、
最近は特になり手不足が深刻です。
一方で、施設は増加しており、教育機関としての幼稚園が
保育施設としてのこども園に携帯を変える例も多くなっています。
経験不足を十分に補うだけの体制整備が行われている園が
どれほどあるだろうか、と心配ではあります。
この記事の末尾にはこうあります。
通知や規制も実際にそれが実行されなければ意味がない。施設が増え、幼稚園や保育所が選べる時代になってきた一方、「質」の議論は置き去りだ。施設の安全性を評価する体制の整備や、親自身が安全かどうかを判断できる情報の提供も子ども行政に求められる。
ちなみにその後、こんな報道もありました。同じく日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
政府はこれまで安全管理徹底を求める通知を出してきたが、送迎バスを所有する全ての幼稚園や認定こども園などを一斉点検する方針を決定。統一マニュアルに加え、警報ブザーなど安全装置の設置義務化も検討している。
先日のような事件が起こることは絶対にあり得ない、
と、関与している幼稚園で管理職はおっしゃっていました。
しかしながら、どこかに抜け漏れがないか、という観点で
取組を常に確認しておくことは重要です。
人はミスをするものだという前提で、
安全確保策を再確認いただければと思います。
(文責:吉田)