校塾連携。
まだ耳慣れない言葉かもしれませんが、近年増えてきている形態、
と言えるのではないでしょうか。
今回の記事は私学の校長先生の寄稿です。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
「校塾連携」という造語がある。学習塾をはじめとする民間教育機関が学校と連携し、教育活動を実践することを意味する。例えば予備校講師が学校に出向き、課外講座として大学受験対策を担当する「校内予備校」。あるいは外部の教育機関が開発したデジタル教材を活用し、生徒の理解状況や適性にあわせた学びを進める「個別最適化学習」などが典型である。
筆者が勤務されている学校では、教員が予備校講師の授業見学を行い、
授業力向上に生かしておられるとのこと。
ただ、その具体について記事にはそれほど書かれておらず、
実際、どれほど積極的にその取り組みがなされているのか、
少々つかみかねるところではあります。
ただ、学校教育を取り巻く状況変化が、外部資源活用の必要性を高めている、
という指摘については共感を覚えます。
記事では、グローバル化やデジタル化が進むとともに、
大学入試改革や英語教育改革などで変化を余儀なくされる教育活動について、
新学習指導要領などで必要な外部の資源を活用すべきことがうたわれている、
という点を指摘したうえで、
「大阪市のように、学習塾などの学校外教育にかかる費用を助成する事業を
展開している自治体もある」と記載があります。
校塾連携の意義は、生徒が夢の実現に向けた伸びを実感でき、それを周囲と共有できること。教師にとって、教え子がどのように成長しているか聞かせてもらえる喜びに勝るものはない。
連携のあり方は時代とともに変容していくであろうが、教科教育で最も大切なものは物事の本質を見極められる力である。そのために何をどのように学び、身につけられるか。学校の内外を問わず、教育関係者が連携して、生徒の自律的な学習姿勢を確立することが時代の要請なのである。
この記事を読み、少々残念に感じられるのは、
教育の専門機関である学校の強みが語られていないところでしょうか。
学習塾の強みが学校内で活かされることによって、
子どもたちの学びの質が上がるということが
もっと説得力を持って語られれば、
外部資源の活用の必要性も有用性もより理解が進むような気がしました。
さて貴校園では外部資源の有効活用は進んでいらっしゃいますか。
そして、それは自校園の強みのうえに立脚したものになっていますか。
学校は子どもたちの学びと育ちを包み込むように後押しする存在。
分かりやすい指導と成績向上が売りの学習塾の力をうまく借りつつ、
学校生活が子どもたちにとってより有意義なものになることを願っております。
(文責:吉田)