寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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高専の深い学び、再び脚光

高等専門学校」という選択肢についてどう思われますでしょうか。

興味深い記事がありました。日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

この記事で焦点が当たっている年齢は「19歳」。

今年19歳になったのは21世紀が幕を開けた2001年に生まれた117万人。

自分のことをふりかえれば、19歳というのは

モラトリアムをのんびり過ごしていた記憶がよみがえるのですが、

マイクロソフトビル・ゲイツ氏、

デルのマイケル・デル氏、

フェイスブックマーク・ザッカーバーグ氏の名だたる3人は

なんと19歳で起業した、と記事に書かれています。

そう考えると、そこまでの育ちの重要性が再認識されるところです。

 

彼らは19歳になって覚醒したわけではない。その前からデジタル世界への興味やモノづくりが高じ、その熱量が起業に昇華したのが19歳だったのだ。

感受性が豊かな10代半ばから10代後半。学力、体力などの成長が飛躍的に高まるこの世代をゴールデンエージと呼ぶこともある。

 

記事ではこのゴールデンエージの育ちを支える仕組のひとつとして、

高等専門学校、いわゆる高専が紹介されています。

1962年に誕生した、技術系の実践的教育をたたき込む、

世界にも稀な教育システムとして、

現在もその世代の約1%にあたる約5万4千人が学んでいるそうです。

 

そして、高専は国公立、と勝手に思い込んでいた私なのですが、

今回調べてみたところ、私立の高専も全国で3校存在していました。

ただ、たったの3校、とも言えるかもしれません。

ここに新規参入しようとしている方がいらっしゃいます。

 

ゴールデンエージを自ら育てようとする起業家がいる。名刺管理サービスなどを手掛けるSansanの寺田親弘社長だ。私財を投じ、社会に変化を生み出す野武士型パイオニア人材の育成を目指して、徳島県神山町に「神山まるごと高専」を23年に開校予定だ。

「経営者同士で議論をすると『やっぱり教育だよね』という意見に集約される。だったら大学ではなく、5年間みっちり学べる理想の高専を創りたい」(寺田氏)。工業技術やプログラミングだけでなくアートや倫理、哲学など科目は多彩だ。

 

高専生が脚光を浴びているのは今般のデジタル革命が一因です。

プログラミングもロボットも作れる高専生のニーズは

産業界から高まっており、人手不足の中、

高専生への求人はなんと20倍前後になるそうです。

 

 

私が関わる私学では、どうしても「進学」が選択肢の最右翼になるケースが

多いのですが、社会人となって以降の活躍ということを考えれば、

じっくり腰を落ち着けて技術を学ぶという機会は貴重です。

これから少子化が進む中で、高専という枠組みを

自校園の経営に活かすという視点もまた、必要な気がします。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp