果たして公立不信は日本全国に広がっているのでしょうか。
日経新聞より。
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大都市部を中心に風物詩となった1~2月の中学受験。試験日が集中する2月1日には各地の私立中などで小学6年生が試験問題と格闘する。
受験の情報を提供する首都圏模試センターの推定によると、2022年の首都圏の私立中と国立中の受験者数は5万1100人だった。年々増加しており小学6年生に占める受験者数の割合は17.3%にのぼった。
公立学校の教育に不信感を持つ親が私立の小中などの受験に向かう。同様の考えを持ち経済的に余裕がある家庭は子どもに将来国際社会で活躍するキャリアの選択肢を与える。
首都圏の私立中学受験率は何と17.3%。
ここ数年でその割合は右肩上がりで、
少子化にもかかわらず、受験者数自体も伸びています。
ただ、首都圏以外でも同じ状況かと問われれば…
私自身はそうとは感じていません。
「公立不信」というタイトルはコロナ禍当初には確かにありましたが、
果たして今も同じかと言えば、決してそうではないようにも思います。
さらに、インターナショナルスクール(インター校)への入学も
視野に入れる保護者が増えていると記事は指摘しています。
登場するのは2022年に設立された、
英国の私立校「ハロウスクール」のインター校、
全寮制で11~18歳に英国式教育を提供しているとのことです。
ただ現状、インター校は日本で働く外国の人材が子どもを通わせる例が多く、
その原因の一つとして「1条校」ではないことが指摘されています。
日本のインター校は授業を主に英語でする。児童・生徒は外国人主体で、法令上の規定はない。学校教育法上の「1条校」のインター校もあるが、多くは法律上の「各種学校」か無認可だ。
日本国籍を持つ子どもが1条校以外に通った場合、その保護者は就学義務を履行したことにならない。地域によっては高校などに進学する場合、中学校卒業程度の学力を認定する試験を受けなければいけない。
文科省によると1条校に分類しないインター校は現在国内に80校ほどある。高校などの卒業資格が得られ補助金も出る1条校が軸の日本の教育制度でインター校を奨励するのには限界がある。
当初の記事のタイトルは「公立不信」だったのですが、
どうやらこの記事の主眼は「1条校以外にも選択肢を」
といったところにあるようです。
親の価値観、子どもの育ちともに多様化が進む中で、
選択肢を広げることの必要性は確かに感じます。
一方で、新規参入の障壁を必要以上に高くしようとする
既存側の意識がそれを難しくしている面もおそらくあるだろうとも感じます。
私学は独自の建学の精神を持ち、
その精神を根底に置いた教育活動を行う機関です。
競争相手を過度に意識しすぎず、切磋琢磨しあえる仲間として、
教育機関全体として成長を続けていくことが必要な気がします。
(文責:吉田)