転職希望者が増えている昨今。
こんな問題も出てきているようです。
日経新聞より。
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企業が未払いの残業代を請求されるケースが増えている。人手不足で転職者が増え、新しい会社に移る前後に残業代の支払いを求める人が増えた。4月からは法改正で請求できる期間も延長される見通しだ。働き方の見直しが進み、企業も厳格な労務管理を迫られる。
記事によれば、残業代を巡るトラブルが増えている背景として、
2つの要因が挙げられるようです。
1つめは働き方改革の本格化によって、当局の監視が厳しくなったこと。
労働基準監督署の勧告を受けて残業代支払いに応じた企業数は、
2018年度に1768社と、5年前より25%も増えたそうです。
まずはこの点、私学においては十分に留意しておくべき情報ではないでしょうか。
そして2つめが人手不足を一因とする転職者数の増加。
在職中は人間関係や処遇など、働く環境の悪化を懸念して
権利主張に関して控えめな労働者が多いものですが、だからこそ、
未払い賃金の請求は退職を機に行われることが多くあります。
そして、未払い賃金の請求を受けた場合には
気をつけるべきことがもう一つあります。
未払い分を請求された企業が支払いを拒むケースは少ない。裁判になり企業側の対応が悪質と判断された場合は、制裁として未払い分と同額の付加金が課される可能性がある。
さてこの4月から施行予定の法改正の影響で、
残業代請求が急増するとの懸念があるようです。
残業代を含む未払い賃金を企業に請求できる期間(消滅時効)は
これまで2年と定められていましたが、4月以降は3年になる見込みです。
そしてこれが将来的に5年になるかもしれない、ということです。
学校でまず行うべきは労務管理、時間管理でしょう。
誰がどのくらいの勤務時間になっているのか、
その情報をしっかりと集めて管理することが重要です。
そのうえで、残業が発生する場合にはお互いがそのことを認識して、
責任ある業務遂行がなされる必要があります。
企業はトラブルを避けるため、これまで以上に「残業させる場合は明確に命令を出すようになるだろう」(労働問題に詳しい日本大学の安藤至大教授)。例えば決められた時間内に仕事が終わらず、自発的に残業したいときや、時間外に仕事で必要な勉強をしたいときに、会社の許可を得なければ、設備が使えないなどの制限を受ける可能性がある。自発的な仕事でも後に発覚すれば、その分の賃金を払う必要が生じる可能性があるからだ。
新年度、新学期はもうすぐです。
労務管理のご準備も怠りないようにお願いいたします。
(文責:吉田)