寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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休業、非正規にしわ寄せ

学校、幼稚園はそろそろ春休みの時期に入りますが、

今年は例年とは異なり、早いうちから休暇期間に入らざるを得なかった、

というケースが多くなっています。

その中で私がとても気になっていることは、

非常勤教職員さんの「生活」のことです。

日経新聞の記事を引きながら考えてみます。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

新型コロナウイルスの感染拡大の影響で、立場の弱い非正規労働者が苦境に陥っている。感染拡大に伴い、従業員を休ませたり、在宅勤務を導入したりする企業が増えるなか、休業期間の扱いや賃金の支払いなどで正社員と比べて不利に扱われているためだ。

 

 

記事に最初に登場するのはある航空会社に勤務する女性の例ですが、

業種によって程度の差があるとはいえ、

勤務調整で最も影響を受けるのはいわゆる「非常勤」で働く皆さん、

ではないでしょうか。

続いて記事に出てくるのが非常勤教員です。

 

ある公立中学校の非常勤職員として勤める女性は、学校が臨時休校になり、翌日からの勤務停止を告げられた。休業中の手当はないと説明されたという。

 

さて、このたびの学校の休業によって、確かに業務がなくなり、

休暇を余儀なくされる教職員さんが多く出ることはやむを得ないでしょう。

しかしこの場合、休業補償の対象にはならないのでしょうか。

記事にもこの点が書かれています。

専門家の間では、新型コロナウイルス流行の影響で罹患(りかん)していない従業員を休ませるのは会社側の責任に基づくとみられている。「国が非常事態宣言を出した場合は別だが、現時点で会社の営業休止を判断するのは会社の自主的な行動」(労務問題に詳しい弁護士)として捉えられることが多いためだ。

労働基準法には、会社側の責任において労働者を休業させた時は休業期間中に「労働者の平均賃金の6割以上の手当を支給しなければならない」と定めている。森田多恵子弁護士は個別の事情にもよるが、「多くの場合で休業手当を支払う必要があるだろう」と指摘する。

 

私学でも対応が分かれているところではないか、と思うのですが、

収入が立たれてしまうことが生活困窮に直結するようなケースも

ないわけではないでしょう。

その一方で、私学の場合には今回の休業で授業料を返金する、

あるいは補助金が減額される、といったことにはならないだろう、

と思われます。

(もちろん、4月以降はそうはいかないと思いますが…)

であれば、短期的に資金繰りが悪くなることも考えにくいと思われます。

 

先行き不安な状況ではありますが、普段の学校の活動を支えて下さる、

非常勤教職員さんへの配慮も忘れないでいたいものです。

仮に休業手当を一律的に支給することが難しくても、

個々の事情に応じて支援することがあってもいいのではないでしょうか。

 

この記事にはこんなことも書かれています。

 

非正規労働者の間では今後は休業にとどまらず、雇い止めも多発するのではないかとの不安が広がる。連合の総合運動推進局の山根木晴久総合局長は「まず非正規など立場の弱い人たちが真っ先に切られる可能性がある。(派遣切りなど)リーマン・ショックの時のようなことが起きないように国が支援する必要がある」と政策対応を強く求めている。

 

それぞれの学校や幼稚園ができることは決して多くないかもしれません。

しかしながら、よりよい職場づくりのためにも、

今回のような事態を受けて、立場の弱いスタッフにも

気を配ることができる経営体でありたいものですね。

 

(文責:吉田)

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