自分の学生時代をちょっと思い出してしまいました。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
高校2年生のレナ(仮名)がここ数カ月、目の色を変えて勉強に励んでいる。難関国公立大志望で毎日、塾の自習室に現れ遅い時間まで机に向かっている。その結果、全国模試では前回から各科目の偏差値を10以上も上げ、判定も合格圏に到達した。すこぶる順調な学習ペースだ。
冒頭、このように始まる記事ですが、その一方で、
通っている高校から「素行不良」で保護者が呼び出された、とのこと。
それは、「授業中は先生の話を聞かずに内職に励む」
「夜遅くまで勉強しているせいで遅刻も増えている」
「それを注意した先生に盾突いた」といった理由によるようで…
授業をろくに聞いていないので高校の定期試験の成績は振るわない。だが、本人に悪びれる様子はない。学校の勉強内容は既に自学で済ませてあるし、定期試験は授業内容の暗記テストだからできなくて当然。「赤点を超えるくらいには対策しているから大丈夫」と開き直る始末だ。
確かに、高校で教える立場からすると「素行不良」かもしれません。
が、本人は目標達成のためにはこれが必要な行動と信じて疑わない。
この態度、記事を書いている塾の先生の関わり方も影響しているのかも、
と思わなくはないのですが、当該高校から目標とする進学先には
年に一人出るか出ないか、くらいのものらしいので、
授業を聴いている暇はない、という気持ちになるのも
無理はないのかもしれません。
ただ、素行不良、と言われるほどに授業を無視しているとすれば、
決して褒められた態度ではないでしょう。
私も高校の頃は定期試験に向けた勉強をあまりせず、
入学したい大学の出題傾向に合った内容の勉強を優先していました。
部活もしていたので、時間が足りない気持ちが強かったのかもしれません。
よって、定期試験の結果は芳しくなく…
ただ、それでも授業で内職をすることは多くなかったですし、
面白い授業はものすごくちゃんと聴いていました。
そう考えると、内職をされる授業を提供している教員側にも
改善の努力は必要、なのかもしれません。
すなわち、興味を引く授業がなされていれば、
素行不良と言われるほどの内職はきっとないのだろうと思うのです。
ひたむきな努力が反抗的な態度として表れ、人間関係がギクシャクしてしまうようでは受験勉強と引き換えに犠牲を払うことにもなりうる。そう言い聞かせたところ少しずつ生活態度を改め、遅刻はなくなったという。ただ、内職だけはやめないと心に誓っているそうで、頭が痛い。
執筆者である塾の先生にも適切なかかわり方をお願いしたい、
と思う一方で、やはり内職を止めるのは授業の中身ではないか、
とも思います。
授業では、生徒側に学力差のある中で全員に興味の持てるものを、
という難しさがあると思いますが、
これまでに数多くの先生の授業を見せていただいた私としては、
工夫の仕方がいろいろあるということも強く感じています。
そして、より将来のこと、進学後のことを考えれば、
合格後の人生に役立つ内容を高校で提供することも十分可能でしょう。
ぜひともこの1件で、生徒も、塾も、そして学校も教員も、
さまざまな改善につなげていただきたいと願っております。
(文責:吉田)