短い記事ですが、中学段階での助成制度は珍しいかもしれません。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
東京都は2023年度、私立中学校の授業料の一部の補助をはじめる。都内在住で世帯年収が一定額以下の家庭を対象に、年額で10万円まで助成する。都は既に私立高校の授業料を実質無償化しており、助成の対象を私立中や私立の特別支援学校などにも広げる。
というわけで、本制度の開始は進行中の今年度です。
この9月に申請を受け付けて、2024年1月をめどに交付される、とのこと。
給付対象は世帯年収が約910万円未満などの家庭で、
都内在住であれば都外の私立中に通っていても対象となります。
概要を読む限り、ではありますが、この東京都の制度は、
大阪府で新たに始まる高校無償化制度とは異なり、
学校を介さず、家庭に直接給付されるのでしょう。
そして学校自身の負担は当然なし。
奨学的給付は低年齢ほど効果が高いことを考えれば、
このような制度は一定程度理にかなったものと言えそうです。
東京都は私立中学への進学率も相当高いのですが、
他の地域はそこまで高くないのが現状です。
物価高を含め、家計に余裕が乏しくなってきていることも考えられますので、
中学の生徒募集は高校以上に厳しくなるケースもあり得るでしょう。
中学は高校に比べ、人事も手厚くする必要性が高く、
収支が逼迫しやすい学校種と言えます。
一方で、生徒の視点からすれば、私立中学での学びや友人関係が、
その後の人生に大きな影響を与えることも多いはず。
公的な財務の後押しを要望しつつ、一方では
自律財政の下で健全に経営をお続けいただけるように、
財務や収支の構造をより強固にしていきたいですね。
(文責:吉田)