寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

大阪府私立高校への進学事情

皆さんご存知の通り、大阪府では平成23年度から私立高校の授業料無償化制度(私立高等学校等授業料支援補助金)を実施しています。

この制度により、世帯の所得に関わらず子ども自らの希望や能力に応じて自由に学校を選択できる機会が保証されるようになりました。

 

私の長女も今春、第一志望の大阪府立の高校に入学しましたが、万一公立高校が不合格となり併願先の私立高校に進学することになったとしても、この制度があることで学費面での大きな心配はなかったことを考えると、保護者にとっては大変ありがたい制度です。

 

この無償化制度の効果検証の一環として、大阪府教育庁私学課が私立高校生の保護者を対象として高校選択に関する満足度調査を行い、結果を公表していますので、本日はその結果の一部をご紹介いたします。

 

大阪府/報道発表資料/平成28年度私立高校入学生の保護者を対象とした高校選択満足度調査の結果について

 

まず、「授業料無償化制度(授業料支援補助金)があったから、私立高校への進学を選択しましたか。」の問いに対して、年収590万円未満世帯は77.2%、年収800万円未満世帯は72.7%が「はい」と回答しており、当該制度が私立高校に進学する大きな動機となっていることがわかります。

 

また、「入学された私立高校はお子様の第一志望でしたか。」の問いに対しては、63.6%が「第一志望であり専願で受験した」と回答しています。

 

これらについては、私学にとっては少子化にも関わらず生徒募集の点では追い風になっており、大阪府下の私立高校進学率が40%程度で推移していることを見ても明らかです。

 

次に、入学した私立高校を選んだ理由の上位は以下のようになっています。

 

  1. 進学指導に実績があること
  2. 基礎学力が身に付く教育を行っていること
  3. 希望する学科やコースがあること
  4. 自宅からの通学の便がよいこと
  5. 公立高校にはみられない独自の建学の精神があること

 

つまり、これらが私立高校に対する保護者の主なニーズとも言える項目です。やはり、学校で子どもの学力を伸ばしてもらって、それなりの大学へ進学させたいというニーズが強いようですね。

 

いくら当該制度により追い風の状況にあったとしても、やはり学校自体に魅力がなければ生徒や保護者からは選んでもらえません。

保護者や生徒のニーズをしっかりと拾いながら、それらを自校の特色として反映させて広くアピールすることができるかが今後ますます重要になるのではないでしょうか。

 

 

(文責:木村)

www.ysmc.co.jp