学校では男女の賃金格差はほぼない、という認識かもしれませんが、
統計上はこういったことが差になってきます。
日経新聞より。
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日本企業の男女の賃金格差が全業種平均で3割だったことが分かった。日本経済新聞が政府のデータベースに公表された約7100社の開示を分析したところ、主要32業種では金融・保険の格差が最大だった。背景として女性管理職の少なさを指摘する声があり、資生堂や双日は女性の管理職登用に力を入れている。
まずは下のグラフをご覧ください。
残念ながら「教育」という業種は見当たらないのですが、
高くても80%、低い場合は60%と、
男女の賃金格差が少なからず存在することが明らかになっています。
2022年7月の女性活躍推進法の省令改正により、
常用労働者数301人以上の企業に賃金格差の開示が義務付けられましたが、
この7月10日までに厚生労働省のデータベースに開示した企業は
約7100社(300人以下の企業含む)だったとのこと。
そしてその開示データを基に男女の平均賃金を比較すると、
全労働者の格差は30.4%。
正規労働者は25.2%、非正規労働者は22.3%だったそうです。
格差が大きかった金融・保険や小売・卸売は、
「一般職」「地域限定職」や非正規雇用の女性比率が高い業種です。
一方で、格差が小さかった医療・福祉や情報・通信は、
男女の仕事内容の差が大きくない業種といえます。
おそらく、教育も後者に近い性質を持っていると言えるでしょう。
ただし、開示データに含まれる「男女の賃金の差異についての説明」によれば、
「女性管理職比率の低さ」を挙げる企業が目立っているとのこと。
この点、私学はいかがでしょうか。
女性管理職、特に経営管理職に占める女性の割合は決して高くない、
というのが私の観察です。
そう考えれば、男女の賃金格差、言い換えれば男女の役割の差というのは
存在しているとみるのが自然なのかもしれません。
男女はそれぞれに得意分野がある、と思いますので、
全く同じ役割を求める必要はないでしょう。
ただ、私学経営に女性の力を活かしていくことは必須だとも思います。
女性活躍推進に優れた上場企業「なでしこ銘柄」(21年度選定)の20年度の営業利益率の平均は、旧東証1部銘柄の平均と比べて3.6ポイント、配当利回りは0.5ポイント高い。賃金格差を解消し、取り組みを資本市場に訴えることは、経営戦略の柱の一つとなりつつある。
貴校園の経営に、女性の力は生きていますでしょうか。
そしてそれに対してきちんと処遇はなされているでしょうか。
この機会に確認してみていただければと思います。
(文責:吉田)