学習塾経営者さんの執筆による記事をご紹介します。
日経新聞より。
この記事の冒頭、昨年一度目の緊急事態宣言が出された頃の
塾の様子が書かれていて、当時はきっとハプニングが多かっただろうなあと、
少し懐かしい気持ちにもさせられました。
が、そこから1年が経ち、遠隔授業は日常の学習に取り込まれつつあります。
筆者によれば、最近は対面・遠隔を問わず塾を掛け持ちする生徒が多く、
塾の自習スペースでは、スマートフォンで他塾の映像授業を受講している、
という生徒もいるとのこと。
生徒にとっても分かりやすいその授業は大人気。
ですが、筆者はどこか腑に落ちない、と言います。
人気を集める映像講義を見ると、ワンフレーズ政治さながらに分かりやすさを優先している。A子も英文法を深く理解するというより、講師の売り文句を頭に刻みつけるような勉強に励んでいる。表面的には分かっているようだが文法的な理解を問いただすと、簡単にボロを出してしまう。
なるほど、確かに切り取り型の授業スタイルは動画サイトなどでもよく見られます。
すでに原則を理解しているときにはポイントだけを示してくれる方が
効率的なのかもしれませんが、すべてがそうなってしまうと、
本当の学びからは遠ざかってしまうような気がします。
授業の意義は対話にあると考える私にとって、授業はソクラテスのいう問答法だ。問いを投げかけることで生徒から気づきを引き出す。生徒が主体的に問いを発することも狙いのうちだから分かりやすさだけを優先するわけにはいかない。
映像授業は有用な補助ツールであっても、対話に代わるものだとは到底思えない。問答法のような形を模索しないことには、本当の意味での教育格差是正にはほど遠いと感じる。
今回の記事は学習塾の先生によるものでしたが、
学校でも同様のことが言えるような気がします。
貴校園での授業はいかがでしょうか。
答えのない問いですが、だからこそ問い続けていきたいですね。
(文責:吉田)