コロナ禍の学業への影響は計り知れません。
短いニュースですが確認しておきましょう。
日経新聞より。
2020年4~12月に新型コロナウイルス流行の影響で全国の国公私立の大学や短大、高等専門学校を中退した学生は1367人に上ることが(2月)16日、文部科学省の調査で分かった。同11、12月に334人増えた。学生全体に占める割合は0.05%。理由は「経済的困窮」や「学生生活不適応や修学意欲低下」などだった。
この記事にはもう少し詳細な数値も掲載されています。
・新型コロナによる休学者数…4434人(学生全体の0.15%)
・学部1年生に限った場合の中退者数…470人
・同休学者数…859人
・新型コロナ以外の事情も含めた中退者数…2万8647人
ちなみに、最後にご紹介した中退者数全体の数値は、
前年同時期よりも減少したとのこと。
中退には転進、すなわち新たな進路に進むケースもあるでしょうから、
そういった動きや意識になりにくかったとも言えるのではないでしょうか。
学生生活に適応できなかった、とか、
就学意欲が低下した、とか言った理由を、
本人の気持ちの問題で片付けるわけにはいかないでしょう。
何しろ、学習環境は一変しましたから、
それをどのように支えられるかはもはや個の問題ではなく、
社会の問題だからです。
弊社では、昨年4月15日時点で、私学向けにアンケートを実施しました。
その際、授業の継続、学習環境の確保について質問させていただきましたが、
すでにかなりの数の私学が学びを継続するための方策を確立しつつあり、
オンラインを含めた双方向型の方法論も実施されているケースが
存在していました。
一方で、学生、生徒同士の交わりについては優先度を高められず、
後手に回ってしまったケースも多かったように記憶しています。
今後に向けて、改めてポストコロナ時代の学校の役割について
各校園がしっかりと議論、検討を進めておかれることが重要だと感じます。
文科省は「やむを得ず中退する場合でも、多くの大学で再入学という選択肢がある。大学側も再入学しやすい環境を整えてほしい」としている。
失敗は何度だってできる、という気持ちを養うこともまた、
学校の大きな役割かもしれませんね。
(文責:吉田)