私学が留意すべき観点のひとつに「家計」があります。
今回は日経新聞の「きょうのことば」に掲載された、
家計貯蓄率についてご紹介しましょう。
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この記事によれば、「家計貯蓄率」の定義は以下の通りです。
一定の期間に家計が得た可処分所得のうち、消費支出に回らずに手元に残った貯蓄の割合を示す。日本では内閣府が国内総生産(GDP)統計の雇用者報酬などのデータをもとに四半期ごとに推計している。所得以上に消費すれば、貯蓄率がマイナスになることもある。
上のグラフを見ると分かる通り、2020年3月ごろを境に
貯蓄額がぐっと増えていますね。
昨年3月と言えば…そう、新型コロナウイルスの感染拡大の影響が
世界に広がったタイミングですよね。
特に主要国を中心に貯蓄率が大きく上昇した理由として、
・外出禁止などの行動制限で消費が抑制された
・各国が景気対策のために一時給付金を実施した
ことが理由とされています。
日米とユーロ圏の合計では、現預金総額(M2)が20年12月までの1年間におよそ8兆ドル(約840兆円)増えた。ワクチンの普及や行動制限解除で、21年は膨らんだ貯蓄の取り崩しが消費を押し上げる見通しだ。
むむむ。世界的にはそうなのかもしれませんが、日本は未だ貯蓄大国。
2021年度に貯蓄の取り崩しが消費を押し上げるほどになるのかどうか、
私自身は少々懐疑的に上の文章を読ませていただきました。
ただ、私学にとっては、家計消費の重要な一部として
学校教育費を支出していただけることが経営上必要です。
2021年度入学予定者数の情報が出てきておりますが、
今回の入試では私学人気は維持、あるいは向上したケースも見えている一方、
家計の状況が私学への進学を許さなかったというケースも
耳に届いております。
今後に向け、学校教育もまた一定の値ごろ感がより求められるのかもしれません。
(文責:吉田)