私学の収入の生命線は授業料と補助金。
一方、補助金に多くを求められない私学もあります。
語学学校はその代表例かもしれません。
コロナ禍が学校経営を直撃しています。
日経新聞より。
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新型コロナウイルスの影響で日本語を学ぶ留学生が来日できない事態が続き、日本語学校に深刻な打撃となっている。日本語学校の団体の調査では今春に入学したのは当初予定の1割に満たず、学校は学費を得られず経営への不安を募らせる。卒業後に日本の大学に進学する生徒も減少しかねず、大学のグローバル化などにも影を落とす。
記事に掲載されている実例では、受入を予定していた留学生が
来日できなくなるという事態が起こっているとともに、
入学自体を諦めてしまうケースも多いと紹介されています。
今後への見通しが立たない以上、
留学生としても苦渋の選択を迫られていることでしょう。
ただ、学校経営には大打撃です。
オンライン環境が整っているケースもおそらくそれほどなかったでしょうから、
授業が成立しないという意味でも苦境に立たされているように感じます。
弊社の本社所在地の近くにも日本語学校がいくつかありますので、
以前は多くの学生が周辺を歩いているのが日常風景だったのですが、
最近はほとんど見かけません。
そして、学校の門前では苦しい状況を何とかしようと、
職員さんが募金や物販などの活動を展開されています。
留学生の減少はその後の高等教育への進学や就職にも当然影響します。
一刻も早い状況改善が待たれます。
さて貴校園では授業料等の入金に問題は発生していないでしょうか。
「未収はクレームの一表現」と私は常々思っているのですが、
今回のことで各校園は決して責められないとはいえ、
保護者家庭からすれば学業を修める対価として支払っている授業料が、
適切に使われているかどうかは当然関心の対象となります。
もし事務室や担任に対して、授業料に関する問合せがあれば、
ぜひとも学内で共有し、なすべき対応を実施していただきたいと思います。
今回のことで、学校の授業がどうあるべきか、その本質は何かなど、
生徒も保護者も学校も、それぞれに考えられたことと思います。
災い転じて福となす。
このたびの考察は将来に向けて意義あることであるはずです。
私学のあるべき姿とは。
そして、提供すべきものと対価は適切かどうか。
ぜひこの機会に整理しておきたいですね。
(文責:吉田)