9月入学が一時期話題になりながら、
直近の報道では小中高での見送り方針が固まったようですが
(後日のこのブログでも採り上げたいと思います)、
コロナ禍を経て、大学の入学時期は柔軟性が出てくるのかもしれません。
日経新聞より。
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この調査は、日本経済新聞社が10月1日~11月9日に実施したもので、
国公私立157大学の学長(理事長)に依頼し、
98%にあたる154大学から回答が得られたそうです。
有力大の4割が9月など4月以外の入学枠を設けたり広げたりする意向があることが日本経済新聞が実施した学長アンケートで分かった。欧米などからの留学生を増やす狙いだ。新型コロナウイルスの感染拡大を受けて浮上した小中高校と大学が一斉に9月入学に移行する案は賛成が1割にとどまり、慎重な意見も目立った。
以前に挙がったのは、入学時期を足並みそろえてすべて9月に、
という話でしたが、それはさすがに難しいけれど、
4月にこだわらないという考え方は広がっているようです。
下のグラフでは、自らの大学の入学時期を4月以外にする意向があるかを
尋ねた結果を示しています。
欧米などは9月入学が中心で、日本も対応すれば留学生の行き来がしやすくなる。自由記述では「留学生の獲得とグローバル化を進めるため、秋入学の増加が考えられる」「全面的な9月入学移行は問題だが、留学生への対応の面から検討したい」「一部の定員を9月入学に振り替えるのが現実的」との意見が出た。
一方で、「全面的に4月入学を維持したい」との回答も21校あったこと、
またその逆に「全面的に9月入学にしたい」も8校あったのですが、
いずれも3月卒業や4月入社を前提とする社会が変わること、
小中高大が一斉に制度の変革をすることが入学時期を変える条件、
と考えておられることが分かります。
社会のしくみを変えることは学校独自には難しいと思いますが、
海外との学びの行き来を考えれば、
4月にこだわり続けることが果たしていいことなのか、
いやそうではないだろう、という気持ちが強くなります。
例えばクオーター制などを導入できないか、といった工夫は
各校単位でできることのひとつかもしれませんね。
今後の政策見通しを確認して本日のブログを閉じたいと思います。
学校の入学時期については政府の教育再生実行会議が2021年5月にも提言をまとめる。10月に開かれた同会議のワーキンググループは、大学の入学時期は一律で固定せず、学校ごとに柔軟に対応できるようにする方向で一致した。大学以外の入学時期は変える必要性があるかも含めて検討する。
(文責:吉田)