本日のタイトルは「カエルバッジ」ですが、何に使うバッジかお分かりになりますか?
ヒントは、先日10月7日に行われた弊社のセミナー「残業抑制」にあります。
そうです。「カエル」は「帰る」と「蛙」をかけているのです。
実際この制度を導入しているのは神奈川県県庁です。
そこで勤務する職員は時間外勤務が発生する場合、
上司に申請し3種類のうちのいずれかのバッジをもらうことになります。
●青バッジ:午後7時までの時間外勤務を認める
●黄バッジ:午後8時までの時間外勤務を認める
●赤バッジ:午後9時までの時間外勤務を認める
というように、何時まで時間外勤務をするのかが色分けされています。
そして、例えば「黄バッジ」をもらった職員が午後8時を過ぎても
時間外勤務をしていると、以下のように周りからプレッシャーがかかる
仕組みになっています。
・本人の時間外勤務の見積もりが甘い
・本人がダラダラと仕事をしていたため、本来の時刻に終了できなかった
・そもそも「上司」が8時では到底終わらない仕事を与えていた
・上司が本人の申請(8時で時間外勤務が終了する)の内容をチェックしていなかった
など、本人だけでなく上司も非難の目にさらされることになります。
さらに、上司がこの「カエルバッジ」を配布(時間外勤務の許可)するのですが、
部署の配属人数よりバッジの総数が少ないのです。
ということは、仮に全員が時間外勤務の申請をしてきた場合、
「本人の力量」や「業務の必要性」や「業務の緊急度」を総合的に
判断し、カエルバッジを適切に振り分けないといけません。
よって、「本当に今日時間外勤務が必要か」を本人と話し合い、
その上でバッジを交付することが求められます。
また、普段からの部下の仕事の進捗管理にも気を配らないと
申請された時間外勤務が必要なのかを適切に判断できません。
もしかすると、今までは無条件に部下からの申請を承認していたかもしれませんが、
この制度導入後、ある月のある部署では「対前年同月比で42%の時間外勤務削減」に
成功したとのデータも出ているそうです。
そして実際時間外勤務削減には、普段の業務の見直しも同時に行われており、
●県民向けのサービス向上に直結しない、内部向けの資料の削減した
●削減したり、会議の終了時刻を設定し、「ダラダラ会議」をやめた
●前回使った会議資料を使えるものは、そのまま流用する
というような、ごくごく当たり前の取り組みもされています。
学校関係者に、同じようなバッジ制度を導入しましょうとは言えませんが、
取り組みの視点や、普段の業務の改善の方向性は
十分見習うべき内容が含まれているように感じます。
まずは、自校でできそうなところから始めてみてはいかがでしょうか。
(文責:竹内)