政府が主導する「働き方改革」は、企業だけでなく学校にも求められようとしています。
改革の推進に向けて、企業では様々な取り組みが行われているようですが、実態はどうなっているのでしょうか。
NPO法人ファザーリング・ジャパンが、従業員50名以上の企業に勤める中間管理職(課長と部長)1,044名を対象に働き方改革推進に対する意識、および、推進における課題を明らかにすることを目的として、「管理職の本音(ボスジレンマ)調査」を行い、結果を公表しました。
まずは結果の概要です。
- 職場全体で行っている「働き方改革」が労働時間削減や休暇取得促進に特化してしまっている傾向。
- 課長のほうが「業務削減」など働き方改革の推進の難しさを感じている。
- 三年前と比べて、約半数が部署全体や管理職自身の「業務量の増加」と回答
- 会社から管理職へのサポートが不十分であり、職場全体の働き方改革は現場に丸投げされている傾向。
- 管理職が求める会社のサポートは「業務量の削減」など、より具体的かつ実務レベルのサポートである。
- 部下のマネジメントに対する悩みもあり、働き方改革推進には部下自身の意識向上も求めている。
以上のように、この調査結果によると状況はあまり芳しくないようです。
特に、4の「会社から管理職へのサポートが不十分であり、職場全体の働き方改革は現場に丸投げされている傾向」にあることは非常に気になるところです。
なお、調査結果の詳細を見てみると、会社からのサポートが「十分にある」と感じている管理職はわずか1割に留まっており、ほとんどの管理職は会社のサポートが不十分だと認識しているようです。
つまり、会社としては労働時間の削減や有休休暇の取得促進などの目標を掲げているものの、その具体策については管理職に一任(=丸投げ)されているといった状況でしょうか。
会社が掲げる働き方改革の目標を達成するために管理職の業務がさらに増えている・・・、という本末転倒で残念な状況になっているケースもありそうですね・・・。
冒頭で、働き方改革は学校にも求められていると記載しましたが、上記の調査結果のような現象は学校でも十分起こり得ることではないでしょうか。
これまでの慣習を打ち破るためには相当な時間と労力は必要であることは明白であり、管理職だけが頑張れば何とかなるはずはありません。
働き方改革だけに限ったことではありませんが、難題に立ち向かう際には、まずは組織が一枚岩になることが必要です。
そこで、特に経営層の方々には自組織が一枚岩となるような体制作りに努めていただくことを切願します。
(文責:木村)