本日の記事は児島が配信いたします。
毎日新聞 2015年10月05日 東京朝刊 より。
http://mainichi.jp/shimen/news/20151005ddm013100007000c.html
大阪府の話題。
新しい形の府立高校として今年設置された「エンパワメントスクール」のことが紹介されています。なんらかの事情でつまずいてしまった生徒の「学びなおし」をカリキュラムに含めた学校です。
学校は通常、それ以前の学校で学んだことを一定以上マスターしていることが前提のはずです。しかし、このエンパワメントスクールは通い続け学びなおし将来を諦めないことを重視しています。
不登校や中退する生徒を減らす効果もすでに出ていて、学校の人気も高まっているようです。
府教委は3校を対象に、1年生の夏休み前までの遅刻や欠席などの状況を調査した。
その結果、西成と箕面東では、昨年同期比で遅刻、欠席とも半減。長吉の欠席は、約5分の1に激減した。
また、昨年は各校とも夏休みまでに数人が中退したが、今年は長吉と箕面東でゼロだった。
府教委の担当者は「教育内容が入学者のニーズと合っているのではないか」と手応えを語る。
と同時に、人気が高まるにつれて課題も見えてきたようです。
大阪のエンパワ校も今春の初めての募集で平均1・59倍に達し、3人に1人がふるい落とされた。
学力よりも意欲を重視する入試には戸惑いの声もある。
このような取り組みをこれから始めるにはカリキュラムやクラス設計の大幅な変更がまず考えられます(記事中では都立高校の「エンカレッジスクール」の指導方法として少人数授業や2人担任制を挙げています)。同時に、学校に通うことや選抜の意味を見つめなおす必要もあるだろうかと思います。
現場で学校経営に取り組まれている皆様も、生徒本来の力を引き出し満足して卒業してもらうには、ということを常にお考えかと思います。私も各校担当者様とのご面談や会議陪席の機会を通して感じるのは、お会いする全ての方がそうであるということです。
記事ではエンパワメントを「本来の力を引き出すこと」と定義しており、その目指すところは学びなおしに限らず、教育一般に通ずるものかと感じました。