寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

保育・介護職、消える学び舎

短大の減少が続いているようです。

日経新聞より。

 

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保育士などを育成する学び舎(や)である短期大学が急減している。2027年度までの3年間で約50校が学生募集を停止する計画だ。四年制大学を志望する女性が増え、学生減で財務が悪化している。地域からは介護や保育を担う人材の確保が一層難しくなるとの懸念が出る。業務体験の充実など、運営の持続を模索する動きが進む。

 

記事に付された下の地図を見ても、

減少傾向は全国にわたっていることが分かります。

 

 

短大の数がピークだったのは1996年度。

当時は598校あったそうですが、2025年度には292校まで減少していて、

2025~27年度での募集停止を発表した私立短大は約50校に上っています。

 

これほどまでに減少が続いている背景として、記事には

少子化の加速」とありますが、それに拍車をかける形で

補助金カット」がなされたことが大きなダメージになったと考えられます。

ご承知の通り、定員の8割未満の状況が3年続くと、

国から支給される修学支援金を打ち切られてしまいます。

お金が足りなくなれば、教育環境の充実も図りにくく、

各短大の魅力が損なわれる危険性もあったことでしょう。

 

もちろん、社会の変化に対応できていなかった、

という問題もありそうです。

1980年代の好況期などは企業の事務を担う一般職の需要が増加。短大を卒業した女性らが多く採用された。しかしバブル経済崩壊を経て経営の合理化が進んだほか、総合職などのキャリアを目指して四年制大学に進学する女性が増えた。

輪をかけたのが、保育・介護職などへの就職を敬遠する動きだ。収入の低さなどが課題とされ、国や自治体の人材確保策が追いつかない。保育や介護人材の養成を強みとしてきた短大も苦境に追い込まれている。

 

学校は教育の専門機関ですから、ニーズを追いかけることに

軸足を置くことは望ましいこととは言えないでしょう。

ただ一方で、社会の変化をきちんと把握し、

自校園の理念に沿う形で社会的人材を輩出していくことは

当然ながら必要なことと言えます。

 

この点、頑張っている短大もありますよ、

という別の記事も日経新聞に掲載されていました。

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まずは、短大で過ごす2年という時間があまりに短く、

忙しいということをいかに打破するか、という観点から

こんな取組例があるようです。

大阪常磐会大短期大学部大阪市)は2021年に「3年コース」を開設した。文部科学省の短大設置基準が規定する「長期履修制度」を使い、時間をかけて二年制の教育課程を学ぶ。授業料の支払いは2年分だけで済み、学生は課外活動やボランティアなどをしながら、余裕を持ち単位を取得することもできる。

 

上記とは別に、四年制大学への編入支援に注力する例もあります。

新島学園短大(群馬県高崎市)はキャリアデザイン学科の中に編入学を目指す学生向けのコースを設けた。志望理由書の作成や面接の対策などで学生をサポートし、25年度には30人以上が編入学を果たした。

 

短大に限らず、学校には時代や制度を背景とした経営課題が

数多く現れていることと思います。

外部経営環境そのものを変化させることは難しいですが、

その「受け止め方」を変えることはきっとできるはずです。

貴校園を永続させるために、

魂のこもった経営計画を練っていただければと願っております。

 

(文責:吉田)

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入学金「二重払い」問題、私大25%「負担軽減」

このような動きが今後進んでいくのでしょうか。

日経新聞より。

 

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複数の大学に合格した人が進学先以外にも入学金を納付する「二重払い」問題を巡り、何らかの負担軽減策を実施か検討している私立大が全体の25%を占めることが(2025年12月)25日、文部科学省の調査で分かった。21%の大学は現時点で実施予定がないとし、対応が分かれた。

 

 

上記調査は昨年11月末に実施されたもので、

私立の4年制大と短大の計836校が回答されています。

それぞれの割合は上のグラフの通りですが、

具体的な対策については、

・入学金の納付時期を遅らせる

・入学辞退を申し出た時期によって全部または一部を返還する

といった例が多かったそうです。

一方で、入学金の引き下げという対応をされるとの回答もあったようで、

シビアな判断に至った法人もありそうです。

 

当然のことながら、このような施策の実行においては課題も多く、

上記調査では「入学辞退に伴う入学者確保や、合格者の数の決定への影響」

「(追加合格の連絡が遅くなるなど)受験生への影響」

「収入減に伴う大学経営上の影響」

といった回答が多かったようです。

 

ちなみに、その後こんなニュースも流れていました。

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2025年度に入学した私立大の学部生が初年度に支払った授業料や入学金、施設設備費などの総額の平均額は、23年度比2.1%増の150万7647円で過去最高となったことが8日までに、文部科学省の調査で分かった。入学金が減少した一方、授業料や施設設備費は上がり、文科省は「物価高騰などが影響したとみられる」としている。

 

2025年度入学生が対象となってしますので一概には言えませんが、

ひょっとすると、入学辞退者に対する配慮がこういったところに

影響を及ぼしているのかもしれません。

これもひとつの経営判断と言えるのかもしれませんが、

私学経営にとって正当あるいは望ましいのはどのような形なのか、

考える機会にしていただければと思います。

 

(文責:吉田)

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教員採用倍率、公立小2.0倍

小手先の変化では改善にはつながりにくいということでしょう。

それが学校経営の基本とも言えるかもしれません。日経新聞より。

 

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2024年度実施の教員採用試験で、公立小学校の採用倍率が前年度比0.2ポイント減の2.0倍だったことが(2025年12月)25日、文部科学省の調査で分かった。7年連続で過去最低を記録した。民間企業の採用活動の早期化を受け、約6割の自治体が試験を早期実施したが、効果は限定的だった。

 

この調査は、文科省が全国68の都道府県・政令教育委員会などについて

採用試験の実施状況を調べたものです。

毎年発表される統計のひとつですね。

 

 

それにしても小学校教員の採用倍率が2倍というのは深刻です。

地域によってはそれよりもずっと低い例があって、

今回も秋田県が1.1倍、他にも2倍を切った自治体が29もあったそうです。

そして中学は3.6倍(前年度4.0倍)、高校は3.8倍(同4.4倍)と

いずれも過去最低を更新しています。

 

倍率が下がる要因は大きく2つ。

受験者数が減ることと、採用者数が増えることです。

今回はその両方が起こってしまったようで、

以前のこのブログでもお伝えしたとおり、試験日程の前倒しを

実施したものの、それほど効果が出なかったようです。

 

文科省は「受験者の総数や新規学卒受験者数が改善した自治体と、そうでない自治体が混在する」と分析。効果が限定的だった理由として、近隣自治体と試験日程が重なり併願者が減少したことなどが影響した可能性があるとした。

(中略)

高知県教委は24年度、前年度より2週間程度早い6月1日に実施した。担当者は「他の自治体との併願者も含めて多くの人が受験してくれたため、求める人材を選抜できる」と手応えを語る。一方で小学校の採用試験に合格した280人のうち7割が辞退し、12月に追加選考を行ったという。

 

さて貴校園では新規採用の教職員は希望数を満たしたでしょうか。

募集そのものを増やすこと、そして合格を出した後に辞退が発生しないこと、

その両面から採用活動に注力する必要があります。

教職という職業に対する魅力は依然として大きいと思いますので、

その魅力を感じてもらえるように、そして何より、

労働環境が改善されるようにと願ってやみません。

 

公立校でも自治体ごとに施策の効果は異なるようですから、

ぜひとも貴校園でも工夫をしてみていただければと思います。

 

(文責:吉田)

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「働いて働いて働く」にも…睡眠5時間は必須

睡眠、休息…大切です。

反面教師に学ぶ気持ちで、今一度。

日経新聞より。

 

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睡眠が5時間未満になると仕事の出来が悪くなりがちなことが独立行政法人労働政策研究・研修機構の研究で分かった。終業してから次の始業までに一定の休息時間を確保する「勤務間インターバル」の効果を導入企業1000社で検証した。睡眠の制約要因として育児や介護などのほか、勤務時間外の業務連絡なども浮かんだ。

 

この調査は、厚生労働省の2024年の実態調査を基に、

インターバルの制度がある約1000社で働く

18,000人のデータを個別に分析したもの、とのことです。

 

 

上のグラフを見ると、5時間以上ではそれほど差がないように見えますので、

睡眠時間は5時間が境目であるふうにも見えます。

ただ、この調査結果で気を付けねばならないのは、

これが「自己評価」に基づくもの、という点です。

要するに、睡眠時間が5時間を切ってくると、

パフォーマンスが落ちることを「自覚」するようになる、

というふうにも言えるのだと思います。

 

私はセミナー等でよく睡眠時間と仕事の質の関係について

お伝えするのですが、自身の経験からしますと、

多少睡眠時間が減ったところで、あるいは、

残業が長引き、それが続いたところで、

「自分は頑張っている、仕事に影響は出ていない」

と思ってしまう(思いたい)ものだと思うのです。

仕事の成果が自覚できるほど落ちてしまう前に、

他者から見れば明らかに仕事の質が落ちているという現実がやってきている、

というのが実際のところではないでしょうか。

 

時間を延ばすことで、量は稼げたとしても、

その質はお粗末なものになってしまいます。

このこと抜きに長時間労働を語るのは、

見た目に気を取られた議論になりかねないと強く思います。

 

貴校園でもまだ長時間労働が残っているかもしれません。

その中身はどうあれ、それがご本人の健康に影響を及ぼすより早く、

業務の質に深刻な影響を及ぼしている危険性があります。

学校は子どもたちに質の高い教育を提供する場所です。

労働の本質を見失わず、しかるべきしくみを整えていただければと思います。

 

(文責:吉田)

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わいせつ教員DB未活用なら学校法人公表も

しくみの必要性を理解しつつ、運用には十分な注意が必要だとも感じます。

日経新聞より。

 

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こども家庭庁は(2025年12月)22日、子どもと接する仕事に就く人の性犯罪歴を雇用主側が確認する「日本版DBS」の運用指針案をまとめた。有識者会議が大筋で了承した。性犯罪歴の確認対象となる職種や事業者の範囲を明示した。

 

この制度が定められているのは「こども性暴力防止法」。

学校をはじめ、認可保育所児童福祉施設などに

性犯罪歴の確認や安全確保措置が義務付けられています。

 

上記の有識者会議での結論においては、

教員や保育士は一律で確認対象となることに加え、

送迎バス運転手や警備員、事務職員なども現場の判断で

対象になり得るとされました。

性犯罪歴の確認が必要な職種は、

子どもとの関係の「支配性」「継続性」「閉鎖性」の3要件を満たす場合、

としており、教員は容易に要件を満たす可能性があると感じます。

また、子どもを性被害から守る安全確保措置として、

防犯カメラ設置を推奨し、従業員らの研修を行うよう求めてもいます。

制度は2026年12月25日に開始予定です。

 

さて一方で、データベースの運用がすでに始まっている学校では、

その活用度が低いことが話題にもなっています。

 

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文部科学省は(2025年12月)22日、わいせつ行為による教員免許失効者の情報を蓄積しているデータベース(DB)について、活用状況の調査結果を公表した。全国の自治体や学校法人などのうち常に活用しているのは3割で、DBに未登録など7割で不備があった。教員によるわいせつ事案が相次ぐなか、危機意識の低さがあらわになった。

 

 

調査は8~12月に実施。23年4月以降に小中高校の教員らを任命・雇用した約1万の教委や学校法人などに、8月1日時点のDBの活用状況を尋ねた。

DBを「常に活用している」と答えたのは31%。「全く活用していない」は15%、「活用していないケースがあった」は11%だった。そもそも利用登録をしていないのは43%に上った。合計で69%が正しく活用していなかったことになる。

 

 

このような状況を鑑みて、ということなのでしょう、

本日のブログタイトルにしたこんな記事も挙がっていました。

 

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貴法人にもおそらく、行政からの通知が届いていることでしょう。

教員採用時のDB確認は法律で義務付けられていますので、

まずはその確認を徹底するところから始める必要がありそうです。

採用難のご時世ではありますが、先ほど確認した3要件を

容易に満たす可能性のある教員という職業においては、

やはり採用時に履歴を確認しておくことは不可避といえるでしょう。

 

今後、文科省ではフォローアップ調査を実施した上で、

DBを活用していない場合は名称の公表を検討しているそうです。

児童生徒の安全に配慮し、健全な組織運営をお願いいたします。

 

(文責:吉田)

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スポーツ・学問の世界的人材、「早熟→第一線継続」1割

教育関係者はぜひとも知っておきたいと感じる記事でした。

日経新聞より。

 

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英才教育はトップクラスでの活躍に必ずしもつながるとは限らない――。ドイツのカイザースラウテルンランダウ大学などの研究チームはスポーツや学問、芸術などの分野で、世界で活躍する人に対する分析結果を米科学誌サイエンスに発表した。スポーツや芸術などのエリート教育の是非に一石を投じそうだ。

 

上記研究チームは、スポーツ・学術・音楽などの異なる分野で、

世界トップで活躍する人を含む約34,000人のデータベースを作成、

若くして頭角を現した人、あるいは世界10位以内だがトップにはなれなかった人、

といった分類によって技能が習熟する経過を分析したそうです。

 

その結果、複数の分野で共通していたのは、

世界トップクラスで活躍する人の約9割が若い頃には目立つ存在ではなかった、

という衝撃の事実。

若くして技能が優れていると注目された人のうち成人期も第一線で活躍するような人は1割程度だった。若い頃に能力が高いと、その人の最終的な能力は程々に落ち着くという。

 

例えばスポーツでは、14歳時点で国内トップクラスの人は

17歳ごろに伸び悩むことが多く、

19歳ごろに世界トップクラスに育つ人と逆転されるケースが多いとのこと。

トップクラスまで才能を伸ばした人の特徴は

「上達が遅い」「若い頃の9年間に別の2種類の競技に取り組む」

という特徴があったそうです。

そういえばやり投げ金メダリストの北口榛花選手は

小さい頃は水泳とバドミントンで活躍していたと聞いたことがあります。

 

科学分野ではノーベル賞受賞者と受賞できなかった候補者を比較し、若い頃の評価は受賞者の方が劣っていた。別の科学分野や科学以外の専門職や芸術などの活動に従事する人も多かった。

 

昨年のノーベル賞を受賞された坂口先生と北川先生も、

専門外の勉強や趣味の大切さをおっしゃっていましたよね。

こういったことが統計的に証明されたのは興味深いと感じます。

 

さて、これらのことから学校がなすべきことは何かと考えれば、

やはり幅広い経験ということになるのではないか、と感じます。

いろんなことをやってみて、失敗しながら

得意なこと、好きなことを見つけていくというのが

ゼネラリストのみならず、スペシャリストになるためにも重要だと

言えるのではないでしょうか。

 

若い才能を発掘して育てる特別なプログラムは世界的にみられ、若い時期の集中トレーニングによって技能が高まるが、独大によると、いずれ伸び悩むことが多い。理由として別の得意分野に出会う機会を失うこと、多様な経験が能力向上に役立つことなどを可能性としてあげている。

 

別の得意分野に出会う機会がつくられる学校、でありたいものです。

 

(文責:吉田)

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給食無償化、月5200円

昨年末の記事ですが、確認しておきましょう。

衆議院は解散されそうですが…)

日経新聞より。

 

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自民、日本維新の会、公明の3党は(2025年12月)18日、2026年4月から予定する給食費無償化のための制度設計で合意した。対象を公立小学校に限定し、児童1人当たり月5200円程度を支援する。保護者の所得制限は設けない。自治体の負担が生じない仕組みによって実質無償化を実現する。

 

支援額は物価上昇も踏まえての水準のようです。

昼食のみとはいえ、市中のランチの金額を念頭に置くと

月5,200円という金額は給食として妥当とは思いにくいのですが、

それでも支援がないよりはいいでしょう。

 

ただ気になるのは対象が「公立小学校」に限定されていること。

幼稚園やこども園はどうなるのか、

今後の制度設計に注目しておかねばならないと感じます。

 

地元の農産品を使うなど特色あるメニューを提供し、給食費が支援額を上回る場合もある。こうした自治体では保護者による一部負担を認め、メニューを継続できるようにする。

 

無償化施策はともすると政治家の点数稼ぎに使われることがあります。

これ以外のお金の使い方もしっかり見定めたうえで、

政治を選択していく必要があるでしょう。

 

(文責:吉田)

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