教育関係者はぜひとも知っておきたいと感じる記事でした。
日経新聞より。
(会員限定記事となっております。ご了承ください)
英才教育はトップクラスでの活躍に必ずしもつながるとは限らない――。ドイツのカイザースラウテルン・ランダウ大学などの研究チームはスポーツや学問、芸術などの分野で、世界で活躍する人に対する分析結果を米科学誌サイエンスに発表した。スポーツや芸術などのエリート教育の是非に一石を投じそうだ。
上記研究チームは、スポーツ・学術・音楽などの異なる分野で、
世界トップで活躍する人を含む約34,000人のデータベースを作成、
若くして頭角を現した人、あるいは世界10位以内だがトップにはなれなかった人、
といった分類によって技能が習熟する経過を分析したそうです。
その結果、複数の分野で共通していたのは、
世界トップクラスで活躍する人の約9割が若い頃には目立つ存在ではなかった、
という衝撃の事実。
若くして技能が優れていると注目された人のうち成人期も第一線で活躍するような人は1割程度だった。若い頃に能力が高いと、その人の最終的な能力は程々に落ち着くという。
例えばスポーツでは、14歳時点で国内トップクラスの人は
17歳ごろに伸び悩むことが多く、
19歳ごろに世界トップクラスに育つ人と逆転されるケースが多いとのこと。
トップクラスまで才能を伸ばした人の特徴は
「上達が遅い」「若い頃の9年間に別の2種類の競技に取り組む」
という特徴があったそうです。
そういえばやり投げ金メダリストの北口榛花選手は
小さい頃は水泳とバドミントンで活躍していたと聞いたことがあります。
科学分野ではノーベル賞受賞者と受賞できなかった候補者を比較し、若い頃の評価は受賞者の方が劣っていた。別の科学分野や科学以外の専門職や芸術などの活動に従事する人も多かった。
昨年のノーベル賞を受賞された坂口先生と北川先生も、
専門外の勉強や趣味の大切さをおっしゃっていましたよね。
こういったことが統計的に証明されたのは興味深いと感じます。
さて、これらのことから学校がなすべきことは何かと考えれば、
やはり幅広い経験ということになるのではないか、と感じます。
いろんなことをやってみて、失敗しながら
得意なこと、好きなことを見つけていくというのが
ゼネラリストのみならず、スペシャリストになるためにも重要だと
言えるのではないでしょうか。
若い才能を発掘して育てる特別なプログラムは世界的にみられ、若い時期の集中トレーニングによって技能が高まるが、独大によると、いずれ伸び悩むことが多い。理由として別の得意分野に出会う機会を失うこと、多様な経験が能力向上に役立つことなどを可能性としてあげている。
別の得意分野に出会う機会がつくられる学校、でありたいものです。
(文責:吉田)