寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

学校経営情報2018年10月号発行のお知らせ

今日から10月。

秋晴れで迎える10月。

昨日から今朝にかけて、9月に続き大きな台風がやってまいりました。

皆様は、そして皆様の学校はご無事でしょうか。

ビュービュー鳴る風と窓をたたく雨の音にびくびくしつつ、

なかなか眠れなかった昨夜の私です。

被害が出ない、あるいは大きくならないことを心から願いながら、

このブログを書いております。

 

さて、学校経営情報の最新号を発刊いたしましたので、

そちらをご紹介いたします。

弊社HPにリンクを貼っておりますので、ぜひご覧ください。 

www.ysmc.co.jp

 

今回の情報誌、かなり気合が入っております。

 

まずは特集記事。

特別編として、東京の私学展を訪問した際の記録を掲載いたしました。

東京以外に所在されている私学の皆さんにとっては

なかなか行く機会のないイベントだと思いますが、

当日の盛況ぶりを記事から感じ取っていただきたいと思います。

貴重なインタビューも実現できましたので、ぜひご一読ください。

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(満員大入り、東京私学展の様子です。記事中にも掲載しております)

 

そして最終ページにはこれまた上京物語、

自民党本部での文部科学部会の傍聴記を掲載しました。

なかなか入れない会議の場に入るという、

貴重な機会となりました。

政策決定過程を非常に身近に感じることができました。

 

ちなみに、中ほど5面の下部には私学の皆さんにお役立ていただけそうな

各種企業の広告を掲載しております。

これまでに

・映像制作会社(学校のPR映像制作実績含め、実績多数です)

社会保険労務士事務所(学校法人の顧問ももちろんされています)

・気象予報システム提供会社(天候の変化を事前予測できます)

にご登場いただいておりますが、今月は

「プログラミングの専門家」にご登場いただいております。

ご興味がありましたらぜひともご用命ください。

 

それでは今月も素敵なひと月になりますように。

 

(文責:吉田)

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SSHは今後どうなる?

SGH、SSH、そしてSPH…

スーパーハイスクールに関する制度が数年前から順次整えられ、

結構な数の高校が指定を受けてきています。

 

そのような中で先日、このような報告書がリリースされました。

文部科学省HPより。

 

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)支援事業の今後の方向性等に関する有識者会議 報告書:文部科学省

 

報告書はかなりボリュームがありますので、

概要を転載します。 

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この資料によりますと、今後に向けては目的を明確化させ、

内容もそれに合わせて変える、というふうに読めます。

そしてよりいっそう成果重視されることになるのでしょうか、

事業運営の検証についても言及がなされています。

 

ちなみに、この検討のきっかけは行政事業レビュー。

目的と事業内容が合致しているのか、

あるいは効果の最大化が図られているのか、

といった着眼点で、やや疑問が残る事業である、との指摘です。

 

さて、SGHについても同様の指摘を受けているのですが、

そちらについては目立った動きがなさそうです。

そして、先日の文科省概算要求の中でもSGHの存在感は薄いように感じます。

ひょっとすると、別制度に改編されるのでは…?と筆者は考えているのですが。

今後の動向にも注目です。

 

(文責:吉田)

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学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果

例年発表されている統計のひとつです。

文部科学省より。

 

学校における教育の情報化の実態等に関する調査結果【速報値】について:文部科学省

 

まず、調査対象を記しておきます。

 

「学校におけるICT環境の整備状況」については、全国の公立学校(小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校)

「教員のICT活用指導力」については、全国の公立学校の授業を担当している全教員

ということで、公立校が対象です。

 

以下、結果の一部を転載。

生徒指導力の上昇カーブが低くとどまっているのが少々気がかりです。

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他の結果もご覧いただきたいのですが、

私が気になったのは以下の記述です。

前回調査より大きく数値が向上した教育委員会への聞き取りによれば、要因として、次のような取組が挙げられた。

・ICT活用モデル校において、地方議会議員、首長部局の財政担当や広報担当職員同席の下で公開授業等を実施し、自治体における教育の情報化施策について必要性の理解促進
地域の実情に応じたICT環境の整備計画を立てるとともに、ICTを活用した学習活動の具体的な事例の提示
・県教育委員会の主導による教員研修(簡単な操作でICTを活用できる)の実施
・複数の市町村教育委員会が合同で、近隣の大学との連携等により、校内のリーダー養成及び定期的な研修の実施
・コンピュータ室のデスクトップ型コンピュータの機器更新の際に、低廉化等による同規模程度の予算での整備台数の増加と普通教室でも活用できるよう可動式コンピュータへの更新

 

ハード面の環境整備よりも、

やはりソフト面、ICT活用力のほうに課題があることが分かります。

今後に向け、計画化や研修といった取り組みがさらに必要なのかもしれませんね。

 

(文責:吉田)

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学校経営のキーワード「PDCA」

PDCA、という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。

おそらく、ある、という方が多いでしょう。

ではEBPMはどうでしょうか?

こちらは…まだ耳馴染みがないかもしれません。

どちらもアルファベット4字で記されていますし、

それだけでは意味がよく分からない点も共通しています。

 

実はこの2つ、このたびの「第3期教育振興基本計画」に登場している、

教育施策に関する重要なキーワードなのです。

 

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上表中段やや下、「客観的な根拠を重視した教育政策の推進」に登場しています。

 

PDCAとは、Plan-Do-Check-Actionの頭文字をとった言葉です。

計画し、実行し、評価し、再実行する。

このサイクルを回すことが成長のサイクルである、と私は捉えています。

 

民間企業においては、このPDCAサイクルの重要性は

以前からよく言われてきておりました。

そしていよいよ、学校経営にもこのPDCAの考え方が登場したわけです。

 

学校でも民間企業でも、事業体には必ず経営目的があります。

(学校の場合には建学の精神や教育理念がそうでしょう)

その経営目的を達しようとする際には、

・目的に近づくための「一里塚

が必要であり、それが明確になれば

・一里塚にたどり着くための「行動

が必要です。さらにその後

・やろうとしたことと実際にやったことのギャップを「検証

することで、次に何をしたらいいのかが分かります。つまり、

・検証を基にした「改善行動

が明確になり、それが

・次の「目標」「計画

へとつながっていくわけです。

これがPDCAサイクルです。

 

ただし、このことは分かっていても、

分かっているだけでPDCAがうまく回るわけではないでしょう。

私自身、これまでの経験からその鍵は「P」と「C」にある、

特に「P」に8割、「C」に2割の原因を見出せる、

と思っています。

 

さて、そんなことをテーマにしたセミナーを開催いたします。

 

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これからの学校経営のキーワード、PDCAについて考えます。

そして、PDCAをうまく回すためのポイントについても考えてみたいと思います。

 

今回はセミナー会場がいつもよりも広めです。

たくさんの方々のご参加をお待ちしております。

 

(文責:吉田)

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定員管理に係る私立大学等経常費補助金の取扱

先日流れてきた情報です。

文部科学省HPより。

 

平成31年度以降の定員管理に係る私立大学等経常費補助金の取扱について(通知):文部科学省

 

1.超過入学者数に応じた学生経費相当額を減額する措置について
平成27年7月10日付27文科高第361号及び私振補第30号で通知した「平成28年度以降の定員管理に係る私立大学等経常費補助金の取扱について(通知)」において、「平成31年度から、入学定員充足率が1.0倍を超える入学者がいる場合、超過入学者数に応じた学生経費相当額を減額する措置を導入する。」としていたことについては、平成28年度から平成30年度までの3年間にわたって段階的に実施した不交付となる入学定員超過率の厳格化により、三大都市圏における入学定員超過や三大都市圏以外の地域における入学定員未充足の改善、三大都市圏に所在する大・中規模大学における入学定員を超える入学者数の縮減といった効果が見られることや、後記「2.入学定員充足率が1.0倍以下の場合の増額措置」を実施することになっていることを踏まえて、当面実施を見送り、後記措置の実施状況及び効果等を検証しつつ、3年後を目途に実施の要否を検討することとする。

 

定員超過すると補助金減額、という措置がいったんストップされる、

というこの話題。

皆さまはどのように捉えていらっしゃるでしょうか。

 

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都市圏とそうでない地域では、学生の集まり方に差ができてしまうのは

致し方ないような気がします。

そのような中で、地方にありながらキラリと光る大学も数多くあり、

学生募集の二極化は単なる都会VS地方という構図ではないような気もします。

 

いずれにせよ、補助金額を左右する本施策。

今後どう推移していくのか、注視が必要です。

 

(文責:吉田)

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新・放課後子ども総合プラン

このたび、文部科学省からこんなプランが発表されました。

 

「新・放課後子ども総合プラン」の策定について:文部科学省

 

策定趣旨が掲載されていますので、そちらを抜粋いたします。

 

次代を担う人材を育成し、加えて共働き家庭が直面する「小1の壁」を打破する観点から、厚生労働省文部科学省の連携のもと、平成26年7月に「放課後子ども総合プラン」を策定し、当該プランに基づき、放課後児童クラブと放課後子供教室の一体的な実施を中心に両事業の計画的な整備を進めてきたところです。
このたび、これまでの当該プランの進捗状況や、児童福祉や教育分野における施策の動向も踏まえ、これまでの放課後児童対策の取組をさらに推進させるため、放課後児童クラブの待機児童の早期解消放課後児童クラブと放課後子供教室の一体的な実施の推進等による全ての児童の安全・安心な居場所の確保を図ること等を内容とした、向こう5年間を対象とする新たな放課後児童対策のプランを別紙のとおりとりまとめ、地方自治体に通知を発出しております。

 

上記通知中、「事業計画」の「基本的な考え方」にはこう書かれています。

全ての児童の安全・安心な居場所づくりの観点から、小学校の余裕教室等の活用や、教育と福祉との連携方策等について検討しつつ、放課後児童クラブ及び放課後子供教室を計画的に整備等していくことが必要である。

 

学校施設の有効活用が意図されているようですね。

サマリー資料も掲載がありましたので以下転載します。

 

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子育てにおける家庭の役割は縮小傾向が強まり、

学校をはじめとする教育機関の役割は拡大していっているように感じます。

そしてここでも「主体性」という言葉が出てきており、

今後に向けた教育改革と軌を一にしているとみることもできます。

学校、そして地域が担う子育てについて、

今一度考えてみるべきかもしれませんね。

 

(文責:吉田)

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遠隔教育の推進

某通信大手のコマーシャルで以前、遠隔教育のツールが紹介されていました。

 

大きなスクリーンに映し出される、別の学校の教室にいる生徒たち。

まるで目の前にその子たちがいるような状態で、合体授業が進んでいく…

 

そんな日も目の前に迫っているのだろうな、と思っていたのですが、

文科省からこんな情報提供がなされました。

 

 遠隔教育の推進に向けた施策方針

 

「遠隔教育の推進に向けたタスクフォース」が文科省内に組まれており、

そこからの情報発信となっています。

 

詳細はリンク先の資料をお読みいただきたいのですが、

ここでは遠隔教育を推進する目的について、

「はじめに」の一節を引用したいと思います。

 

学校教育において遠隔システムを効果的に活用した教育活動を一層取り入れていくことにより、児童生徒が多様な意見に触れ、様々な体験を積む機会を増やすなど、教育の質の更なる向上につなげることが可能となる。ICTの強みの一つとして、距離に関わりなく相互に情報の発信・受信のやりとりができる(双方向性を有する)ことがあげられ、遠隔教育2はこの強みを生かすものとして、継続して推進すべきである。

さらに、不登校児童生徒や、疾病による療養のため又は障害のため、相当の期間学校を欠席すると認められる児童生徒(以下「病気療養児」という。)など、様々な事情により通学して教育を受けることが困難な児童生徒に対し、一人一人の学習ニーズにきめ細かく対応する観点から、ICT を効果的に活用し、教育の機会均等や質の維持・向上につなげることも可能である。

 

本報告書においては、遠隔教育を3つに類型化しており、それぞれ

(1)合同授業型

(2)教師支援型

(3)教科・科目充実型

とされていますが、いずれにおいても、遠隔教育の実現により

教育効果が高まることが期待されています。

 

少子化や育ちの多様化により、学校教育としての規模を維持できなかったり、

あるいは何らかの事情で毎日の登校が難しかったりする場合に、

遠隔教育を可能にする環境整備は大いに有用であると感じます。

 

本来の使用形態ではないかもしれませんが、

例えば近時事前災害の発生で臨時休校せざるを得ないような場合に、

出勤できる教員のみで授業を提供し、

子どもたちは自宅で学習するといったことにも活用できるかもしれません。

 

また、私学においては出席日数要件の厳格運用により、

不登校の子どもたちがやむなく転退学を迫られる事態になる前に、

このシステムを稼働させて自宅学習を出席日数に加えたりできれば…

といったことも考えられなくはないでしょう。

 

人口減少と偏在が進む中で、遠隔教育の必要性は高まっているように感じます。

柔軟な制度運用がなされることを願っております。

 

(文責:吉田)

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