寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

高等学校におけるICT活用状況

ここ最近、学校現場でのICTの利活用が進み、教育内容が大きな転換期をむかえているように感じます。オフィスはもちろん多くの家庭にPCがあったり、子ども達は当たり前のようにスマホを利用している時代ですから、学校現場だけが昔のままという訳にはいかないのが世の中の流れですね。

 

ただ、株式会社旺文社が、全国の高等学校計1,346校を対象に高等学校におけるICT機器・サービスの導入状況および活用の実態について調査した結果を見ると、課題は多いようです。

 

www.obunsha.co.jp

 

タブレット型PCを1台以上導入している高等学校は、約3割


ICT活用端末として注目されているタブレット型PCを校内に1台以上導入している高等学校の割合は、全体の29.6%となりました。主に私立高等学校での導入が、配備率・配備数ともに牽引している状況です。


タブレット型PC導入校の約半数が「活用できていない」。「教員のスキル」を課題に挙げる学校が多数


タブレット型PCの活用状況について調査したところ、導入校の約半数が「活用できていない」と答えています。なかでも、課題として挙げられた回答は「教員の活用スキルの引き上げ」が最も多く、高等学校での教務・指導への効果的な活用に対して、教員側が抱く課題意識が浮き彫りとなりました。

 

せっかくタブレット型端末を導入したにも関わらず、半数程度の学校で十分に活用できていないようです。

活用に向けての課題として挙げられているのが「教員の活用スキルの引き上げ」とのことですが、確かに過去に経験のない試みをスタートさせる訳ですから、機器を導入したからといって全てがうまくいくわけではありません。当然、試行錯誤を繰り返しながら進めていくしかないのでしょう。

 

ただ、昨今の教員の長時間労働問題を踏まえると、このような研究に十分な時間を割くことができていないことも考えられますし、中には「タブレットなんて触ったことがないんだけど・・・」という教員の方もいらっしゃるかと思います。

 

ICTの導入にあたっては、何を実現するために導入するのかであったり、どのように活用すれば十分な教育効果を発揮することができるのかをしっかりと検討する必要があると感じます。

 

そして何より、他校での成功事例があれば積極的に取り入れる(教えてもらう)ことも必要ではないでしょうか。

 

 

(文責:木村)

www.ysmc.co.jp

紙ってる?

ここ数年、様々な物議を醸している「ユーキャン新語・流行語大賞」ですが、2016年の年間大賞は「神ってる」でした。さて、どの程度の方々が覚えておられるでしょうか(笑)

この言葉は広島カープファンを中心とした一部の間だけでの流行では・・・という声もチラホラありましたが、野球観戦が好きな私にとっては、その他の言葉と比較すれば馴染みのある言葉でした。ただ、他にどのような流行語があったのかはすでにほとんど覚えていませんが・・・。

 

さて、本日のお題は「神ってる」ではなく、「紙ってる」です。

 

www.optex-fa.jp

 

オプテックス・エフエー株式会社が、「センサ(1003)の日」を記念し、ものづくりに関わる“現場”にまつわる川柳を募集したところ、大賞に選ばれたのがこの作品です。

 

デジタル化 遅れた社内は 紙ってる

 

非常によくできた作品ですね(笑)

確かに、PCによるデータ管理が進んでいないと、まさに「紙ってる」現場になってしまいますね。

 

ただ、ものづくりの現場に限らず、このような現象が起こっている学校や幼稚園もあるのではないでしょうか。

確かに、生徒や児童、保護者へ配布する印刷物だけでなく、その他管理が必要な書類もたくさんあるでしょうが、必要な情報がデータ化されていないことにより、書類を探し回ることになって、業務効率の低下を招いてしまいます。また、データ化されていれば簡単にできる分析等の作業も大変面倒なものになってしまうでしょう。

 

現在、学校や幼稚園の教職員の方々に求められる業務は膨れ上がる一方、長時間労働の是正に向けた動きも出てきています。

 

業務を効率化する上でも、「紙ってる」現場からの脱却が求められます。 

 

 

(文責:木村)

 

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平成28年度英語教育改善のための英語力調査 報告書

昨今、英語への注目度が高い状態が続いています。

学校教育の中でも英語の重要度は上がるばかり、そんな気配ですが、さて実際に英語力は高まっているのでしょうか。

昨年6月~7月ごろに実施された調査結果が発表になりましたので本日はそちらをご紹介しましょう。

文科省HPより。

 

平成28年度英語教育改善のための英語力調査 報告書:文部科学省

 

まずは調査概要から。

1.調査目的
「第2期教育振興基本計画」(平成25年6月:閣議決定)、「グローバル化に対応した英語教育改革実施計画」(平成25年12月:文部科学省発表)などにおいて、生徒の英語力の目標設定、検証を通じた改善を行うことについて提言がなされたことを受け、本フィージビリティ調査を実施した。

2.調査対象
全国無作為抽出により、全国の中学校3年生約6万人(国公立約600校)対象に、平成27年度との経年比較調査を実施した。

3. 調査事項及び方法
(1)英語力調査の実施
学習指導要領に基づき、4技能(聞くこと、話すこと、読むこと、書くこと)を対象とした試験を実施した。ただし、「話すこと」については1校あたり1クラス40人程度を対象とした。
(2)生徒質問紙調査及び学校質問紙調査の実施
(3)「話すこと」の事前研修、「話すこと」「書くこと」の検収の状況、実施体制などの追加調査の実施

上記にある通り、本調査は公立校の生徒のみを対象としている点にご留意ください。

 

続いて調査結果のみを抜粋して掲載します。

太字装飾は筆者が勝手に付けたものです。 ご容赦ください。

1.生徒全体の英語力の傾向

・国の目標(CEFR(ヨーロッパ言語共通参照枠)A1上位レベル以上)の生徒の割合が「読むこと」「話すこと」において微減(「読むこと:26.1%→25.3%」「話すこと:32.6%→31.2%」)、「聞くこと」「書くこと」は微増(「聞くこと:20.2%→24.8%」「書くこと:43.2%→50.8%」) となっており、4技能のバランスがとれておらず、依然として課題がある。
・「書くこと」の得点者は、A1上位レベル以上の割合が50.8%と4技能の中で最も高いが、一方で、無得点者が15.6%となるなど、昨年度と同様の傾向である。

2.英語学習に対する生徒の意識

○「英語の学習は好きですか。」
・「英語の学習が好きではない」との回答が45.4%(対前年2.2ポイント増加)。
テストスコアが高いほど、 「英語が好きである」生徒の割合が高い
特に「書くこと」については、テストスコアが高い層と低い層の英語学習に対する意欲の差が大きい
また、「書くこと」について、「英語学習が好きではない」と回答したA1下位レベルの生徒は、「英語そのものが嫌い」、「単語の綴りや文字を覚えることが難しい、文法が難しい」と回答した者が多い。
○「どの程度まで英語を身に付けたいと思っていますか。」
・現在の英語力のレベルによって将来の英語使用のイメージが異なる。
「英語をどの程度身に付けたいと思っていますか」という問いに対し、「書くこと」「話すこと」のテストスコアが高いほど、「英語を使って国際社会で活躍できるようになりたい」、「海外でのホームステイや語学研修を楽しめるようになりたい 」といった将来の英語使用のイメージが明確な生徒の割合が高い

3.4技能の言語活動に対する生徒の意識

〔聞くこと〕
○「英語を聞いて(一文一文ではなく全体の)概要や要点をとらえる活動をしていたと思いますか。」
・英語を聞いて概要や要点をとらえる活動をしていたと答えた生徒は、73.8%(対前年1.3ポイント増加) 。
「聞くこと」のテストスコアが高いほど、授業において「英語を聞いて(一文一文ではなく全体の)概要や要点をとらえる活動をしていたと思う」 生徒の割合が高い

〔話すこと〕
○「与えられた話題について、(特に準備をすることなく)即興で話す活動をしていたと思いますか。」
・与えられた話題について、即興で話す活動をしていたと答えた生徒は、52.0% (対前年2.4ポイント増加) 。
「話すこと」のテストスコアが高いほど、授業において「与えられた話題について、即興で話す活動をしていたと思う」生徒の割合が高い
○「英語でスピーチやプレゼンテーションをしていたと思いますか。」
・英語でスピーチやプレゼンテーションをする活動をしていたと答えた生徒は、61.0% (対前年2.0ポイント増加) 。
「話すこと」のテストスコアが高いほど、授業において「英語でスピーチやプレゼンテーションをしていたと思う」生徒の割合が高い

〔読むこと〕
○「英語を読んで(一文一文ではなく全体の)概要や要点をとらえる活動をしていたと思いますか。」
・英語を読んで概要や要点をとらえる活動をしていたと答えた生徒は、76.4% (対前年1.1ポイント増加) 。
「読むこと」のテストスコアが高いほど授業において「英語を読んで一文一文ではなく全体の)概要や要点をとらえる活動をしていたと思う」生徒の割合が高い

〔書くこと〕
○「聞いたり読んだりしたことについて、その内容を英語で書いてまとめたり自分の考えを英語で書いたりしていたと思いますか。」
・聞いたり読んだりしたことについて、その内容を英語で書いてまとめたり自分の考えを英語で書いたりする活動をしていたと答えた生徒は、63.4% (対前年1.2ポイント増加) 。
「書くこと」のテストスコアが高いほど、授業において「聞いたり読んだりしたことについて、その内容を英語で書いてまとめたり自分の考えを英語で書いたりしていたと思う」生徒の割合が高い

〔統合型〕
○「聞いたり読んだりしたことについて、生徒同士で英語で問答したり意見を述べ合ったりしていたと思いますか。」
・聞いたり読んだりしたことについて、生徒同士で英語で問答したり意見を述べ合ったりする活動をしていたと答えた生徒は、68.7%(対前年1.5ポイント増加)。
「話すこと」のテストスコアが高いほど、授業において「聞いたり読んだりしたことについて、生徒同士で英語で問答したり意見を述べ合ったりしていたと思う」生徒の割合が高い

 

好きこそものの上手なれ、という言葉がぴったりくるような結果ですね。

そして、好きになることと目標設定は深い関係があるようにも思います(どちらが先かはわかりませんが…)。

また、学校での取組(教育内容)が生徒の能力向上に寄与していることもよく分かります。

当然と言えば当然ですが、こうやって教育の効果測定がなされると非常に分かりやすいですね。

 

なお、本調査には「調査結果の傾向と指導改善のポイント」も掲載されています。

改善が必要な技能について、こんな点に気を付けて指導してくださいね、というポイントを記してくれていますので、英語の先生方はご参考になるところもあるのではないでしょうか。ご参考までに。

 

(文責:吉田)

 

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おもてなし

もうすっかり昔の話ですが、2020年のオリンピック開催地を決定するIOC総会での最終投票直前に行われた滝川クリステルさんのプレゼンテーションでの「お・も・て・な・し」のフレーズは今も多くの方の記憶に残っているのではないでしょうか。

 

ちなみに「おもてなし」とは心のこもった待遇のことですが、同義語として「ホスピタリティ」という言葉が使われることもあります。

 

例えば、休日や仕事帰りでの買い物や外食などで、接客してくれる店員さんに心のこもった待遇をされると当然うれしく感じますよね。場合によっては、「またこのお店を利用したいなあ」とも思うでしょうし、「あそこのお店の接客はめっちゃいいから絶対今度行ってみてー!」と家族や友人にもついついオススメしたくなるのではないでしょうか。

 

逆に、挨拶も笑顔もなく不愛想に接客されたら当然不愉快になりますよね。先日、あるお店で買い物をしたのですが、そこのレジ担当者がまさに「ザ・不愛想」といった感じで、「こんな店、二度と来るかー!」と心の中で思いながら店を後にしました。

 

これは極端な例かもしれませんが、このようなことは買い物や外食の際のお店だけに限ったことではなく、仕事上でのことにもあてはまりますし、当然学校も例外ではないのではないでしょうか。

 

例えば、学校には生徒以外にも毎日多くの方が訪問されると思います。そのような方々が学校を訪問する際にはまず受付で対応してもらうことが多いかと思いますが、受付で「おもてなし」のかけらもなく不愛想な対応をされてしまうと、訪問者は間違いなく良い気分にはならないでしょう。また、受付で対応してくれたその人に対してだけでなく、その学校全体に対しても悪い印象を抱くのではないしょうか。

 

つまり、「あそこの学校の受付は感じが悪い!」ではなく、「あそこは学校は感じが悪い!」となってしまうのです。そして、ここから魔の口コミが広がっていき、知らないところで学校の評判を落としてしまう可能性があるのです。

 

ここでは受付を例にしましたが、訪問する側からすれば、受付だけでなく校内ですれ違うだけの教職員ももちろん「そこの学校の人」ですから、教職員全員が「学校の顔」になるということです。ですから、全ての教職員が訪問される方に「おもてなし」の心で接する必要があります。

 

生徒指導において挨拶の徹底なんかは基本的なことかと思いますが、生徒の良い見本であり続けるためにも、まずは全ての教職員に「おもてなし」の心が備わっており、実践されているかが重要ではないでしょうか。

 

些細なことかも知れませんが、そのようなことも学校の風土、伝統となりうる可能性は大きいと思います。

 

(文責:木村)

 

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ヤマト、時間帯指定の配達を見直しへ

細かいニーズを取り込んでお客様の信頼を獲得する。

その結果、事業規模が拡大し、業務量も拡大する。

それこそが是、とされてきた商売の世界にも転換点が訪れています。

朝日新聞より。

 

ヤマト、時間帯指定の配達を見直しへ 運転手の負担軽減:朝日新聞デジタル

ヤマトは、荷物の受け取りを指定できる時間帯として、午前中▽正午~午後2時▽午後2~4時▽午後4~6時▽午後6~8時▽午後8~9時の六つを用意している。配達が特定の時間帯に集中すると、ドライバーの負担は重くなるため、指定が比較的少ない正午~午後2時と、時間帯の幅が短く多忙になりがちな午後8~9時の二つの時間帯の指定をとりやめ、正午~午後4時のように時間帯の幅を広げることを検討している。ドライバーの負担軽減につなげる狙いだ。

 

利用する側からすると便利な時間帯指定の配達。

一方で、細かなニーズに対応すると運営側のコストが上昇するのは火を見るよりも明らかです。

本来ならそれを価格に転嫁するべきですが、現代は「低価格礼賛」の世の中ですから、価格を高く設定することは本当に勇気がいることです。

そこでしわ寄せが行ってしまうのが人件費。

特に残業代は経営陣にとって「払いたくないコスト」の代表例ですから、それを縮減しようという気持ちはどの経営者にも働くものでしょう。

となれば、本来は「残業そのものを減らす取組」をすべきところですが、そうはならずに「残業代をカットする」という方法を選んでしまうことも、昨今ありがちな結論です。

同じく朝日新聞より。

 

ヤマト、サービス残業常態化 パンク寸前、疲弊する現場:朝日新聞デジタル

(全文読むには会員登録が必要です。ご容赦ください)

 

先ごろから大きなテーマとなっている「長時間労働」への対応も、今回の決定に拍車をかけたのではないでしょうか。

 

サービス低下やむなし。

それよりもサービス提供者の環境整備を優先せねば。

 

人口減、しかも人手不足が深刻な日本社会においては、このようなケースがこれから多く発生するのではないでしょうか。

時代の転換点、のような気がしてなりません。

 

翻って学校はどうでしょうか。

 

やはり保護者のニーズは多様化し、その分だけ教職員の業務量は増えています。

一方で、これまでやってきた業務が減っているかと言えば決してそうではなく、業務量は「純増」状態が続いているのが昨今の状況でしょう。

授業料をはじめとする納付金を上げようにも市場がそれを許さないかもしれないとの心配に加え、学校の場合には売値の自由度も一般事業に比べるとはるかに低く、コストが上がったので売値に転嫁する、ということは簡単にはできません。

となると教職員の皆さんに頑張ってもらうしかない、とばかりに、増えた業務量を「何とかして頑張れ」という解決法に頼ることになれば…

先ほどと同じ原因が、先ほどと同じ結論に至るような気がしてなりません。

 

業務効率化のためには、忘れてはならない視点が2つある、と私は考えています。

 

1つは業務「遂行方法」の効率化。

担当している業務、遂行している業務が「今よりももっとスムーズにできないか」と工夫する、「やり方」の改善です。

同じ担当者が長いこと同じ業務に携わることが多い(≒異動が極端に少ない)私学においてはあまり進んでいないことですので、こちらで効率化は相当程度進むだろうと感じます。

 

ただし、これだけだと限界があるのもまた事実。

もう1つの効率化は業務「量」の効率化。

端的に言えば、「何をやり、何をやらないかを決める」ということです。

学校でも特に教員の皆さんには「時間の許す限り最善を目指す」という過多もたくさんいらっしゃいます。

その精神は尊重されるべきですが、その一方で「許される時間」を甘く考えがちであることには十分な留意が必要です。

あることに時間をかけてしまうと、他のことには時間が回せません。

業務の優先順位は本来は教員が決めるべきではなく、学校が決めるべきことです。

本当にそのことにそれだけの時間を使っていいのか、それをまずは考えねばなりません。

そしてその結果、優先度が低い事柄には多くの時間を使わない、あるいはそれ自体をやらない、という決断が必要です。

これもまた、教員が自ら決定するのではなく、学校としての判断、決断が必要でしょう。

 

ニーズに対応することが全てではありません。

むしろ、教育の専門家として、あるべき姿を保護者に対して明確に示せることもまた重要でしょう。

ただ、ニーズを無視しろということではありません。

ニーズを把握したうえで、学校自身が実施したい、実施すべき内容との整合を図りながら取捨選択する、ということが必要ではないか、ということです。

 

今朝の日経新聞1面にはこんな記事も。

ヤマト、27年ぶり全面値上げ アマゾンと交渉入り :日本経済新聞

「多少高くてもヤマトを使いたい」

「多少不便になってもヤマトを使いたい」

そう思っている消費者は少なくないでしょう。

これがサービス提供者に対する信頼の証です。

さて御校の保護者は、御校が少しばかりのサービス低下をしようとした際、それを許して下さるでしょうか。

日々の活動で信頼を勝ち得ていれば、学校の苦しい事情はきっとご理解いただけることでしょう。

私学の業務効率化が進み、より質の高いサービス提供がなされることを心から願っております。

 

(文責:吉田)

 

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新社会人の失敗あるある

3月に入り、春の訪れを感じることが増えてきましたね。

春といえば学校にとっては入学式、企業にとっては入社式のシーズンですね。特に、この春に新社会人となる学生にとっては、これまでの学生生活と全く異なる環境での日々が始まりますので、今は期待と不安が入り混じっているのではないでしょうか。

 

今年本厄を迎えた私も、気付けばはるか遠い昔のこととなってしまった社会人デビュー当時のことを懐かしく思います。大学卒業後、外食業界へ就職した私は、毎日ヘトヘトになりながら、ただひたすら働いていた記憶しかありません(笑)。

 

本厄の中年の思い出話はさておき、新社会人にとっての最初の大きな関門は「ビジネスマナー」ではないでしょうか。身だしなみはもちろん、挨拶や言葉遣い、名刺交換に電話対応などなど、社会人として真っ先に身に付けておかなければいけないことはたくさんありますね。

ただ、そんなビジネスマナーを一度に身に付けることは誰にとっても難しいですし、頭では理解していても実際その場になると思うようにできない・・・といったことはよくある話です。つまり、失敗はつきものです。繰り返すうちに体で覚えていかなければ仕方がないといった要素が多分にあるのではないでしょうか。

 

news.mynavi.jp

 

上記のマイナビニュースの調査では、新社会人時代の様々な失敗エピソードが挙げられていますが、その一部をご紹介いたします。

 

  • 敬語を使えなくて取引先にキレられて、先輩に迷惑かけた
  • 名刺交換の作法を間違えて覚えていた
  • 先輩社員に話しかける際、ボールペンで肩をつついてしまった
  • 電話応対で丁寧に話そうとしすぎて、話している内容が伝わらなかった
  • 電話応対にて、用件の聞き忘れ
  • 電話の応対で、取り次ぎを失敗して保留にしていた電話を切ってしまったこと
  • 電話応対で緊張しすぎて、内容を全て忘れた
  • お客さまの電話でのクレームへの回答に困り、無言で固まってしまった
  • わからないことを聞くことができずに、自分の判断で仕事を進めてしまい、あとで二度手間になってしまった
  • 重要な書類の所属長の欄に自分の名前を記入し、『30年早いんだよなあ……』って言われた

 

当ブログをご覧いただいている方々の中にも、社会人デビュー当時に「あんな失敗して恥ずかしい思いをしたなあ・・・」とか、「先輩に怒られたなあ」・・というエピソードをお持ちの方はいらっしゃるのではないでしょうか。もちろん私もです(笑)

特に、言葉遣いや電話対応での失敗は多くの方が経験しているのではないでしょうか。私も電話対応で噛みまくったり、しどろもどろになることが多々ありました・・・。

 

この4月より新たに教職員を迎え入れる学校、幼稚園も多いと思いますが、時間や人手の制約がある中で、ビジネスマナーについての研修を自前で行うのはなかなか難しいのではないでしょうか。

 とはいえ、ビジネスマナーはすぐにでも身に付けてもらわないと無用なトラブルやクレームの原因にもなりかねません。

 

そこで、弊社では新たに学校や幼稚園の教職員となられる方を対象とした「接遇・ビジネスマナー研修」を4月21日(金)に開催いたします。

 

座学だけではなく、実際に体を動かしていただくことで、基本的なビジネスマナーをしっかりと身に付けていただけるよう工夫しております。研修の詳細は以下のリンクからご覧いただくことができ、お申込みも可能ですので、今春新たに教職員を迎え入れる予定のある学校ならびに幼稚園の方々は、是非とも新入教職員の方々の参加をご検討いただければ幸いです。

 

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(文責:木村)

 

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働き方改革

現在、政府が主導となって「働き方改革」を進めています。

先日も働き方改革の一環として「プレミアムフライデー」なる取り組みが始まりました。当日の夕方、仕事で外出していた私にとっては単なる「ノーマルフライデー」だったのですが、街の様子も普段の金曜日と特に変わった様子を感じませんでした(個人の感想です)。

 

そもそも今なぜ働き方改革が必要なのかという話ですが、少子高齢化に伴い労働力人口が減少していく中、日本の悪しき伝統ともいえる長時間労働に歯止めをかけ、生産性を向上させる必要があるからです。

 

ただし、企業や団体は顧客や取引先との関係があって初めて成り立つものですから、一企業や一団体の努力だけでは社会全体としての働き方改革は実現できませんし、社会全体での共通認識の下に実現に向けた取り組みが求められると言えるでしょう。

 

では、働き方改革の実態はどうなっているのでしょうか。

Sansan株式会社が、オフィスワーカー男女1,035人を対象に実施した「働き方改革に関する意識・実態調査」を見てみましょう。

 

news.mynavi.jp

 

調査概要は以下のとおりです。

  • 調査方法:オンライン上でのアンケート調査
  • 調査地域:全国
  • 調査対象:企業に勤めるオフィスワーカー(経営者・社員)、1,035サンプル
  • 調査日時:2017年1月16日〜2017年1月17日

 

まず、「働き方改革は必要ですか」という設問の回答結果ですが、「必要」が83.3%、「不要」が16.7%となっており、ほとんどの方が働き方改革の必要性を認識されているようです。

ただし、「必要」と回答した83.3%のうち、実際に自社で何らかの改革に着手していると回答した方は34.5%に留まっており、多くの会社では十分に取り組めていない、もしくは取り組んでいないという結果になっています。

 

では、働き方改革に取り組めていない原因は何でしょうか。その主な回答は以下のとおりです。

 

  • 経営者が取り組む必要性を感じていない(45.3%)
  • 社内の労力がなく取り組めない(22.4%)
  • 何に取り組んで良いかわからない(21.8%)

 

と、概ね予想通りの結果ですね。

トップが必要性を感じていなければおそらく変革はないでしょう。また、人手が足りずに日々業務に追われているような職場では取り組もうにもそこまで気も手も頭も回らないでしょう。

 

では、学校の場合はどうでしょうか。

 

学校においても、教職員の長時間労働が大きな問題となり、是正に向けた取り組みが始められようとしていますが、教育に求められること、生徒や保護者への対応に追われる時間は増える一方なのではないでしょうか。

ただ、「学校の場合は企業とは違うから仕方ない」と考えてしまっては何も変わりませんから、固定概念を取り払って、これからの教員の働き方のあるべき姿をしっかりと定める必要があると思います。

教職員に限らず、長時間労働労働が常態化してしまうと、健康面での悪影響は言うまでもなく、業務効率の低下を招いたり、自分自身の視野を狭めてしまいかねません。教員がそのような状態で子ども達と接するということは、当然教育の質の低下を招きます。また、疲れきった教員と日々接する子ども達からしてみれば、「こんなにしんどそうなんだったら将来先生にはなりたくないな・・・」と思ってしまうかもしれませんね。

 

「働き方改革なんて、学校には関係ない話だよ」で済ませるのではなく、「どうすればより良くなるか」を学校全体で考え続けていただければと思います。

 

(文責:木村)

 

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