寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

確定申告に思う

このブログに税理士としての活動を書くことはめったにないのですが、そんな私も現在は確定申告に関する業務がかなりのウェイトを占めています。

学校関係各位はそれほど身近ではないかもしれませんが、所得税の確定申告の締め切りは毎年3月15日。

今年も例にもれず、あと半月ほどが会計事務所の最繁忙期ということになります。

 

私自身、学校法人の経営支援という最大の役割があると自負しておりますので、確定申告をはじめ税理士としての業務は積極的には受託していないのですが、それでもこの時期は「面倒なので代わりによろしく」という納税者の方も何名かいらっしゃいます。

もちろんそのお手伝いをさせていただくわけですが、私自身の開業からそれほど時間が経っていないこともあり、「初めてお手伝いさせていただくお客様」が大きな割合を占めます。

そしてその中には、「これまで何も分からないまま、(別の)専門家に任せっきりだった」という方もいらっしゃいます。つまり、ご自身による「申告」でありながら、その内容をまったく把握しておられないケースもある、ということです(本来はあり得ないのですが…)。

 

その原因の一つはご自身がそれを知ろうとしなかった、という点であろうと思います。

しかし私がそれ以上に気になるのは、手伝った専門家が内容についてご本人に説明責任を果たしていない、というところです。

 

専門家はその道のプロとして存在していますから、任せておけばそれなりのことをやるのは当たり前。確定申告を任せれば、申告書が出来上がるのは当然の話です。

しかし、申告書のポイントがどこであって、どういう経緯でその税額になったのか、あるいは解釈がいくつか存在するような事項については納税者にご説明したうえでご本人に判断していただく、ということは最低限必要です。

ところが、今回実施した確定申告の中には、以前の確定申告の内容をまったく把握しておられず、その結果、取り返しのつかない、誤った内容を申告しておられるケースも見られます。

そのような実例にぶつかるのは今回が初めてではなく、これまでも散々経験してきたところではあるのですが、そのたびに納税者さんにその説明をし、「こんなことになってしまってお気の毒です」との気持ちがわいてきます。

 

所得税の確定申告では特にこのようなことがよく起きるのですが、その原因の多くは「税理士以外」の関与によるものが多く見られます。

世の中には「確定申告くらい手伝えるよ」という方がたくさんいらっしゃって、小遣い稼ぎとばかりに手数料を取っておられるケースもあるようです。

(ちなみに、お金を取ろうが取るまいが税理士法違反なのですが)

そして、すでに終わった確定申告の内容が誤っていたばっかりに、本年度の申告でも無駄な税金を納めざるを得なくなるケースもあります。

こういう方に出会うと、本当にかわいそうになってしまいます。。。

 

税理士は税金のプロ。

そして、学校は教育のプロですよね。

プロと呼ばれる人たちは、そのことに精通していることはもちろん必要ですが、それ以上に「信頼して下さった方への誠意」が必要ではないか、と思います。

その誠意は「耳障りのいいことを言う」ことでは決してなく、むしろ「耳の痛いことであっても相手のためには臆せず、丁寧に伝える」ことこそが重要なのではないでしょうか。

 

今回の確定申告において初めて手伝った方の中には、過去の申告において脱税と言えなくない行為をされていた方もいらっしゃいました。

その方ご自身には悪気がなくとも、事実としてそのような状態になっていることは自覚してもらわねばなりません。

 

「これは経費としては認められません」

「もし経費にして申告されるのであれば、弊所は申告書の作成をお手伝いすることはできません」

 

そう伝えることは本当にしんどいです。

処理はしたものの、報酬もいただけませんし…

ですが、そこをなし崩しにはできないのもまた、プロとして当然のことだと思います。

 

ちなみに、そんな話をさせていただいた方が今回の申告で複数いらっしゃったのですが、ご本人からの反応は様々でした。

「それなら他に頼むわ」「じゃあ自分でやるわ」というお応えが最もオーソドックス?なのですが、中に

「今までがずさんだったことが今回初めて分かりました。今回はおっしゃる通りの内容で申告します。最後までよろしくお願いします」

とおっしゃって下さった方がいらっしゃいました。

こうなると俄然、私は燃えます(笑)

納税者と税理士の間に、強い信頼関係が芽生えた瞬間、と言ってもいいかもしれません。

 

プロフェッショナルとしてどう立ち居ふるまうか。

そして、コンプライアンスとどう向き合うか。

この大きな2つのテーマは、学校経営と決して無関係ではない、いやむしろ深く共通する内容ではないかと思い、本日のブログにしたためた次第です。

私学の皆さんはどうお考えになりますでしょうか。

 

(文責:吉田)

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学校経営情報2017年3月号発行のお知らせ

本日から3月のスタートです。

寒さが苦手な私にとってはあたたかい春の訪れが待ち遠しい限りです。

 

3月といえば、学校では卒業式や新入生を迎える準備で大忙しの毎日だと思いますが、そんな時こそ体調管理には十分にお気を付けください。

 

さて、弊社の学校経営情報2017年3月号を発行いたしましたので、是非ご一読いただければと思います。

データはホームページよりダウンロードできるようになっております。

 

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◆概要

①School Manegement Review

      よくある不祥事の話

②《連載》事業計画を作ろう!

      第12回 つくった事業計画を「共有」するために

          ~「他人の口」を利用する~

③学校経営トピックス

      1月掲載ブログ記事より

④会議のコツをひとつまみ

      『Good&New』をやってみよう

 

今年度の連載企画「事業計画を作ろう」も今回でついに最終回となります。事業計画を確実に遂行するためのポイントがテーマとなっていますので、御校の経営の一助になれば幸いです。

 

では、3月も素敵なひと月になりますように。

 

(文責:木村)

 

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国公立学校施設における維持管理点検状況調査の結果について

子どもたちの安全が何より重視される、学校現場。

施設の維持や整備は非常に重要な課題ですね。

そこで本日は施設の点検状況に関する結果報告を見てみましょう。

文科省HPより。

 

国公立学校施設における維持管理点検状況調査の結果について:文部科学省

 

まずは本調査の対象を見ておきましょう。

・全国の公立学校(幼稚園、幼保連携型認定こども園、小学校、中学校、義務教育学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校)の施設
・全国の国立学校(大学、大学共同利用機関法人及び高等専門学校)の各主要団地内の施設

というわけで、公立対象の調査ですので、私学の情報は入っていない点につきご留意ください。

この調査、以下のような経緯で実施されたようです。

○ 公立学校施設は、その約7割について、建築基準法第12条第1項及び第2項の規定に基づき、定期的な点検を実施することが学校施設の所有者等に対して義務付けられている。また、法定点検が義務付けられていない学校も含むすべての学校施設の所有者等は、同法第8条第1項の規定に基づき、建築物を常時適法な状態に維持するように努めなければならないこととされている。

○ 一部の公立学校において上記法定点検を実施していないことなどが会計検査院の行った調査により指摘されたことを受け、平成28年5月25日の参議院本会議において公立学校施設の不適切な維持管理に関して警告決議がなされた。

○ これらの状況を踏まえ、文部科学省において、全国の国公立学校施設における法定点検の実施状況等を調査した。

 

まずは学校施設は原則として定期点検が義務付けられていることを押さえておかねばなりません。

文科省の別ページにこういうことも記載されています。

学校施設の維持管理の徹底について(通知):文部科学省

本論とは少し外れますが、点検の義務付けに関する内容もしっかりチェックしておきましょう(上記HPより一部加工し抜粋)。

1.建築基準法に基づく法定点検の実施について

(1)点検の義務づけがある学校
建築基準法第12条第1項の規定により、学校の用途に供する部分の床面積の合計が100平方メートルを超える建築物であって、特定行政庁が指定するものの管理者は、有資格者による建築物の調査を定期に実施し、その結果を特定行政庁に報告することが義務づけられています。(以下略) 

(2)点検の義務づけがない学校
上記(1)以外の学校の管理者は、建築基準法点検が義務づけられていませんが、学校施設を含む全ての建築物の管理者は、同法第8条第1項の規定により、建築物を常時適法な状態に維持するよう努めることが義務づけられています。そのため、建築基準法点検の義務づけがない学校施設の管理者におかれても、当該学校施設について、劣化等により是正の必要が生じている箇所を把握するとともに、当該箇所を早期に是正することで常に適法な状態を維持することが重要であることから、平成20年国土交通省告示第282号を参考として、有資格者による専門的な点検を定期に実施するようお願いします。

2.消防法に基づく法定点検の実施について

消防法第17条第1項及び第17条の3の3の規定により、全ての学校の管理者は、消防用設備等が消火、避難等の消防活動に必要な性能を有するように設置するとともに、消防用設備等又は特殊消防用設備等について、有資格者等による点検を定期に実施し、その結果を消防長又は消防署長に報告することが義務づけられています。
このため、全ての学校の管理者におかれては、同法の定めを遵守し、確実に点検を実施してください。

 

さて、先ほどの記事に戻りましょう。

公立学校施設においては、全体の7割が定期点検の法定義務があるとのこと。

安全最優先、のはずの学校施設ですが、多忙な日常に追われると点検の優先順位が下がってしまうこともあるかもしれません。

私学においても人員配置上、管財の専門担当者を置いておられないケースも少なくないように思いますので、点検については十分留意すべきことではないでしょうか。 

 

さて、気になる今回の結果ですが、以下の通りとなっています。

・公立学校
法定点検の実施義務がある学校:
99.99%が「点検を実施」又は「点検を実施する見込み」
※残りの0.01%(3校)はすべて平成30年度までに廃校等の予定。
法定点検の実施義務がない学校:
40.0%が「点検を実施」又は「点検を実施する見込み」

・国立学校
法定点検の実施義務がある主要団地:
100%が「点検を実施」又は「点検を実施する見込み」
法定点検の実施義務がない主要団地:
82.4%が「点検を実施」又は「点検を実施する見込み」

法定点検の実施義務がある学校についてはすべてが点検を実施していることが分かりましたが、これはまあ、当たり前ですよね。

ちなみに私学は…統計が見当たらないので何とも言えませんが、100%であると信じたいところです。

一方、法定点検の実施義務がない学校になると率がぐんと落ちるところが非常に気になります。

学校という施設の特質を考えれば、法定の義務があろうがなかろうが、定期点検は最低限必要なものではないでしょうか。

しかも、別紙資料によれば都道府県ごとにその率に大きな高低差があります。

例えば近畿地方では兵庫県を除いて、中国地方では島根県を除いて、その率は非常に低い水準にとどまっています。

 

言われなければやらない、というのでは子どもたちにも示しがつきませんよね。

求められるか求められないかにかかわらず、安全確保のためにまずは「危険を予防する」、そのために点検を重視するという姿勢が学校には必要なのではないでしょうか。

 

(文責:吉田)

 

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第52回学生生活実態調査より

私が大学生だったのは今からもう20年も前のことですが、当時の私は将来のことなどあまり考えることもなく、アルバイトや遊ぶことだけに没頭する典型的な「ダメ学生」でした。試験前以外に勉強した記憶はほとんどありませんが、単位だけは要領よく取得できていました(笑)

せっかく大学に通っていたのに、何であの頃もっと真剣に勉強しておかなかったんだーっ!と今になって後悔することが頻繁にありますが、所詮は後の祭りですね・・・。

 

そんな私のダメ学生話はさておき、このほど、全国大学生活協同組合連合会が、「第52回学生生活実態調査」の概要を公表しました。

 

さて、イマドキの大学生の実態はどのようになっているのでしょうか。

 

www.univcoop.or.jp

 

調査の概要は以下のとおりです。

  • 調査実施時期:2016年10〜11月
  • 調査対象:全国の国公立および私立大学の学部学生
  • 回収数:10,155(30大学・回収率33.1%)
  • 調査項目の概要:属性、住まい、大学生活(登下校時刻・サークル・就職など)、日常生活(生活時間・悩み・政治への関心など)、経済生活(暮らし向き・アルバイト・奨学金・1ヶ月の生活費・半年間の特別費など)、大学生協について(店舗の評価・活動の認知)、大学生協や大学への意見

 

まずはアルバイトについての調査結果の概要です。

 

  • 調査時のアルバイト就労率は71.9%(自宅生78.4%・下宿生66.8%)で、データがある08年以降最も高く、この半年間のアルバイト就労率も77.5%(自宅生81.4%・下宿生74.3%)と高い就労率であった。
  • アルバイトの1週間の就労時間は平均時間12.5時間で、10時間以上15時間未満が18.4%、20時間以上も13.9%を占める。
  • また夜10時から朝5時までの深夜時間帯にも20.7%(就労者を100として28.8%)がアルバイトしており、その平均日数は1週間のうち2.2日であった。
  • 半年間のアルバイト収入の用途は「旅行・レジャー」24.3%、「生活費のゆとり」22.3%、「生活費の維持」19.2%のほか「貯金」も17.7%(自宅生22.6%・下宿生13.5%)と高い。

 

ほとんどの学生が何らかのアルバイトをしており、就労率、収入金額は前年よりも増加基調にあるようです。

家庭の経済事情によりアルバイトで学費を稼ぐケースもあるかと思いますが、収入の用途の上位を見る限りでは娯楽や生活の足しにするケースが多いようですね。「旅行・レジャー」の範囲が広すぎるので詳しい用途はわかりませんが、せっかく自分で稼いだお金なので、旅に出るなり教養を身に付けるなり、是非とも有意義に使っていただきたいものです。

ただ、あくまで学生ですので、私のようなことにならないように、学業に支障を来さない程度にしていただきたいものです。

 

次に、読書時間と勉強時間に関する調査結果の概要です。

 

  • 1日の読書時間は平均24.4分、有額平均48.6分と、前年からそれぞれ-4.4分と-4.3分となった。
  • 1日の読書時間が「0」は49.1%(文系43.9%・理系50.2%・医歯薬61.6%)と、前年から3.9ポイント増加し、「0」が40%台になった13年以降3年間で8.6ポイント増となった。
  • 04年以降常に2割以上存在した「60分以上」も19.1%まで減少した。
  • 男女別には男子の平均時間が28.0分(有額52.5分)、女子20.3分(有額43.4分)。男女の読書傾向は平均時間が06年、「0分」は08年に逆転している。平均時間の男女差は7.7分と04年以降最も大きくなった
  • アルバイト就労の有無でみると、就労している学生の平均読書時間が22.1分に対して、就労していない学生は30.6分とやや長い傾向がある。
  • また大学の予習・復習・論文など大学の勉強時間は1日52.8分で前年から-2.3分となった。文系37.0分、理系62.9分、医歯薬系71.5分。いずれも2年連続減少となった。
  • 勉強時間もアルバイト就労者の平均時間が短い傾向が見られ、就労者は全体で13.4分、医歯薬系では22.2分短い。
  • さらに、就労時間が長い傾向がある奨学金受給者の勉強時間は1日47.8分(文系34.3分・理系60.6分・医歯薬系60.7分)と短い。
  • スマートフォンの1日の利用時間の平均は161.5分(前年+5.6分)、有額平均163.6分(前年+3.8分)。利用時間「0」は1.3%(前年2.3%)に過ぎず、ほぼ全員が利用している。

 

元「ダメ学生」の私が偉そうに言える立場ではありませんが、読書時間、勉強時間ともに減少傾向にあります。また、アルバイトをしている学生は更に時間が短い傾向もあるようです。

そして何より、全体の半数近くの学生が全く読書をしないという結果には大変驚きました。さらに、スマホの利用時間の平均が161分(=2時間41分)ということにも驚きです。スマホ電子書籍を閲覧していることも考えられなくはないですが、おそらく友人とのLINEやSNS、ゲームでその時間のほとんどを費やしているのではないでしょうか。

 

大学生活って何なんだろうかと考えさせられる結果ですが、自分の過去の経験を踏まえると、将来の自分の人生を見据えた上での目的や目標がないと、ただなんとなく毎日を過ごしてしまうことになってしまうんだろうなあと感じてしまいます。

 

大学に進学する以外にも様々な進路はありますが、大学進学を目指す場合には大学に入学すること自体がゴールとならないよう、小学校や中学校、高校の頃から様々なことに興味を持ち、様々な経験をし、しっかりと夢を描き、実現に向けて主体的に行動することができる、そんな学生生活を送っていただきたいと思います。また、学校においてもそのような面で生徒達をしっかりとサポートすることができればいいなと感じます。

 

(文責:木村)

 

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会議あるある

どのような組織においても何らかの会議は必ずあると思います。報告や連絡、意思決定、アイデア収集など、会議の目的にはいくつか種類がありますが、それらの会議に参加することに何らかのストレスを感じることはないでしょうか。

 

参加者が会議にストレスを感じる例として以下のようなケースが挙げられます。

  • 会議の回数が多い
  • 内容がマンネリ
  • 時間通りに始まらない
  • 時間通りに終わらない
  • 話が脱線する
  • あちらこちらで私語をする
  • 発言者が決まっている
  • 途中退席者が多い
  • 意見が出ない
  • 何も決まらない
  • そもそも目的があいまい    などなど

 

ただでさえ他の業務で忙しいのに、会議がこのような状態だと、参加者だけでなく組織全体のモチベーションが下がってしまいますね。

 

では、どんな会議が理想的かというと、おそらく以下のような事が挙げられるのではないでしょうか。

  • 会議の目的とゴールが決まっており、参加者全員に共有されている
  • 事前にプログラム、時間、参加者が決定している
  • 事前に資料が配布されている
  • 役割が明確になっている
  • 参加者は事前に資料に目を通した上である程度の意見を持つ
  • 定刻前には参加者全員が揃っている
  • 途中退席者がいない
  • 参加者が積極的に意見する
  • 話が脱線しそうになっても司会が軌道修正する
  • 決定事項が明確である
  • 全ての議題の結論が出た上で時間通りに終了する
  • そもそもムダな会議はしない            などなど

 

挙げ出したらキリがないくらいですが、多くの参加者の貴重な時間が割かれるわけですから、少しでも理想に近づけ、有意義な会議にしたいものです。

開催しようとしている会議はそもそも必要なのかをまずは検討しなければいけませんが、開催する会議の目的を明確にすること、参加者全員がその会議に集中できる環境を整備することをしっかりと考える必要があると思います。

 

なお、弊社が毎月発行しております「学校経営情報」に、効果的な会議にするためのちょっとしたコツを毎月ご紹介しております(2016年度のみ)。バックナンバーも含めて弊社ホームページ(NEWS&TOPICS)からダウンロードしてご覧いただけますので、自組織の会議の進め方に問題を感じておられる方は是非とも参考にしていただければ幸いです。

 

(文責:木村)

 

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「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議 最終まとめ

本日ご紹介する記事が発表されたのは昨年末。

遅くなってしまいましたが、これからのことを考えると無視できない内容ですのでこのタイミングになってしまいましたがご紹介します。

(すでにご承知だとは思いますが…)

文科省HPより。

 

「デジタル教科書」の位置付けに関する検討会議 最終まとめ:文部科学省

 

いよいよ現実になってきた感のあるデジタル教科書。

上記ページには、審議結果の報告書とともに、概要版も掲載されています。

報告全体はそれなりのボリュームですので、以下、概要版の中からいくつかの項目を抜粋します(赤文字は筆者が加工しております。ご容赦ください)。

 

まずは「デジタル教科書」が指す内容とその範囲について。

・ 教科書は、基礎的・基本的な教育内容の履修を保障するために、原則、その全てを学習することが必要であり、質を確保するために検定が行われている
・ 現行制度上、本格的な実証研究を行うことは不可能であることから、デジタル教科書の使用による効果・影響について、客観的・定量的な検証は困難
◇ 紙の教科書とデジタル教科書の学習内容(コンテンツ)は同一であることが必要
◇ 紙の教科書を基本としながら、デジタル教科書により学びの充実が期待される教科の一部(単元等)の学習に当たって、紙の教科書に代えて使用することにより、「使用義務」の履行を認める特別の教材としてデジタル教科書を位置付けることが適当=「併用制
◇ 紙の教科書等による学習が困難な障害のある児童生徒のうち、デジタル教科書の使用による学習が効果的である児童生徒に対しては、より積極的な使用を可能とすることが望ましい
※ 紙の教科書とデジタル教科書のいずれかを選択して使用する「選択制」の仕組みの導入については、教育上の効果や健康面への影響等に関する調査研究等の結果等を見極めながら、デジタル教科書の導入後、一定の期間を経た後に改めて検討を行うことが適当

紙とデジタル、両方を併用する形でのスタートとなりそうですね。

 

次に、「デジタル教科書の基本的な在り方」について。

教科書検定制度との関係>
○ デジタル教科書の学習内容は紙の教科書と同一であることから、改めて検定を経る必要はないとすることが適当。紙の教科書との同一性については、発行者の責任において確保されるべきであり、当面は、デジタル教科書の制作者は紙の教科書を制作する発行者のみとすることが適当。
○ 動画や音声等については、学習効果が期待されるものの、部分的な修正が困難であることや、可変性があり膨大な情報量の内容について検定を経ることが必ずしも適当ではないことから、検定を要しない教材として位置付けることが適当。
教科用図書検定調査審議会等において、URLやQRコード等の検定上の取扱いについて、専門的な見地から審議を行うことが必要。
<学習内容の特性への配慮>
○ 導入を一部の教科に限定したり、使い方に差異を設けるといったことを現時点において決定することは必ずしも適当ではないが、教科・単元等の学習内容の特性に配慮しつつ、発行者の創意工夫をいかし、教育委員会や学校における使用の参考となるようなガイドラインを国が策定することが必要。
<教科書無償制度との関係>
○ 紙の教科書のみを使用する児童生徒との公平性の観点や、紙の教科書を基本とする使用形態等から、紙の教科書とデジタル教科書の双方を無償措置の対象とすることは直ちには困難。周辺環境の整備状況も踏まえつつ、使用を希望する地方自治体等において、全ての児童生徒が家計の状況に関わらず支障なく使用できるよう、必要な経済的支援を含めて積極的な取組が必要。
○ 障害のある児童生徒に一層積極的な使用を認める場合には、法令上の措置も含めて検討することが必要。
○ 中長期的には、普及・定着の状況も勘案しながら、制度面の検討と併せて、紙の教科書とデジタル教科書のいずれか一方又はその双方を、無償措置の対象とすることを検討することが望ましい。

使う側にとって一番気になる費用負担の問題。

完全無償、とはいかないようですね。

導入のための大きな課題と言えそうです。

 

そして、私学にとって気になるのはデジタル教科書を取り巻く「環境の整備」です。

<求められるICT環境の整備>
(情報端末)
○ デジタル教科書の使用形態に鑑みれば、個々の使用の場面において、児童生徒一人一人に対してデジタル教科書が用意されていることが必要
○ 情報端末の規格や機能の標準化等に加え、児童生徒の使いやすさやアクセシビリティの確保、相互互換性、価格の低廉化、児童生徒への影響等の観点について検討することが必要。
(ネットワーク環境)
○ 導入段階においては、ネットワーク環境を利用しなくてもデジタル教科書を使用できる形態とすることが適当。
○ インターネット環境に接続する場合には、各教育委員会や学校において、接続管理やフィルタリング等の対策を講じるとともに、児童生徒に対する十分な指導を行うことが必要。
<デジタル教科書の効果的な活用のための条件整備>
○ 紙の教科書と併用したデジタル教科書の使い方やデジタル教材を使用するための方針を明確化し、教員等の実践を通じた知見を学校全体として共有することが重要であり、研修等を通じて、ICT活用指導力を含めた教員の指導力向上のための取組の充実が必要。
○ デジタル教科書を円滑に使用することができるよう、トラブルに速やかに対応できるサポート体制等の環境整備が重要。

さて御校では、デジタル教材を活用できる教育環境を整備できているでしょうか。

お付き合いのある学校では、すでにICTの環境整備が進み、独自ツールの積極活用が図られているケースもある一方で、ICTを用いない旧来の形式での授業がなされているケースもあり、私学間においてもその差は広がっているという印象を受けます。

将来に向けた投資をどのタイミングで実行できるか。

中長期の計画立案とその実現が必要ですね。

 

(文責:吉田)

 

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サラリーマン川柳2016より

第一生命保険が毎年恒例のサラリーマン川柳コンクールの入選作100句を発表しました。

 

event.dai-ichi-life.co.jp

 

毎年、思わずクスっと笑ってしまうものや哀愁漂うもの、わが身に置き換えて激しく同意してしまうものなど、その時々の世相を反映した様々な作品が選ばれていてとても面白いのですが、今年は「働き方」にちなんだ作品が多いように感じます。

「働き方」や「職場」に関する作品の中から、私のお気に入りをご紹介したいと思います。

 

  • 効率化 提案するため 日々残業
  • 会議する 準備のために また会議
  • ちゃんとやれ それじゃわからん ちゃんと言え
  • ノー残業 居なくなるのは 上司だけ
  • 残業は するなこれだけ やっておけ
  • 口ほどに その手動けば 早帰り
  • 見て学べ? どうりで部下が 育たない

 

どれも「職場あるある」のような作品ばかりですが、最初の二つの作品は何とも本末転倒な状況ですね。ただ、このような経験に心当たりのある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

学校現場においても、長時間労働是正に向けた動きが始まりつつありますが、業務の効率化を図ることは最も大きな課題の1つだと言えるでしょう。ただ、この川柳のように残業してまで効率化の取り組みの提案を検討しているようでは、効率化への道は険しいですね・・・。

 

新たな職場で働き始めた頃、「なんでこんな非効率なことをやってるんだろう」、「こんなことやって、なんか意味あるのかな?」、「もっと違う方法でやればもっと楽にできるのに・・・」などと思ったことはありませんか?

 

ただ、同じ職場に長く勤めていると、どれもこれも当たり前のことになってしまい、どれだけ非効率なことであろうと、あまり意味をなさないことであろうと、特に疑問を持たなくなってしまいがちです。(もちろん、私もその一人です。)

 

そのような状況では、「さあ、効率化に向けた取り組みを考えるぞ!」と意気込んだところで、余程のアイディアマンではない限り、おそらく良いアイディアは浮かんでこないでしょう。

 

やはり、日頃から様々なことを観察し、「これでいいのかな?」「もっと良い方法はないかな?」と常に疑問を持つことを習慣化することが、業務の効率化を図る上では大切なことだと思います。

 

学校においても、過去の習慣を引きづったまま今日に至っている業務はたくさんあるのではないでしょうか。

これまでの経験をリセットして、新しい目で観察してみることで、新たな気付きや発見がきっとあると思います。

 

(文責:木村)

 

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