寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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大学教員の8割が「研究時間不足」

教育研究の場は「時間」がキーワードになっていますね。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

 

文部科学省の科学技術・学術政策研究所は(5月)26日までに、第一線で研究開発に取り組む大学教員らを対象とした意識調査の結果、教員の約8割が「研究時間が足りない」と認識していたと発表した。

研究以外の業務が増えたことで論文作成の時間を犠牲にする教員も多く、研究成果物の減少や質の低下が懸念されるとしている。

 

この調査は2023年9〜12月に、国公私立大や企業の研究者、経営層など

計約2200人を対象に実施されたもので、

今回の記事の内容は大学教員の回答から分析した結果です。

 

調査によりますと、多くの教員が

「職務時間の半分程度を研究活動に割り当てることが理想的」

だと考えていたところ、実際には、

大学運営の会議、学生向けの講義、入試業務、研究資金獲得活動などで

時間が制約されている、という結果になったようです。

 

大学教員の本分は研究活動にある、と言ってもいいでしょうから、

それ以外の業務に時間が取られてしまい、

本来なすべきことの時間がなくなってしまうことは本人にとっても、

また社会にとっても損失は大きいと言えるでしょう。

 

ただ、個人的経験に基づいて少し違和感があるのは、

「学生向けの講義」に時間が取られている、というところ。

例えば、補講や採点、出席管理といった事柄で

時間が取られているなら同情を禁じ得ないのですが、

講義そのものについてそのような感覚を抱かれているのであれば、

学生の立場からすると「そりゃないよ」と言いたくなってしまいます。

私は大学時代、決して褒められた態度の学生ではありませんでしたが、

それでも講義にあまりに工夫がなく、難しいことを難しいままに話す

教授の態度に失望したことも少なからずあります。

そんなわけで、大学では是非、研究と教授の両方に時間を割き、

力を入れていただきたいと願っています。

 

そしてこれは大学だけではなく、高校以下の学校種においても

ぜひそうであってほしい、と願っています。

すなわち、研究活動というのは大学の先生がやるものであって、

高校の教員が研究活動に割く時間は小さくてよい、

というわけでは決してないと思うのです。

初等中等教育においても、自らの研究に基づいて教育内容を高めていくことは

特に私学では念頭に置くべき要素だと感じます。

 

いずれにせよ、本業に充てる時間をしっかり確保するためには、

会議や事務作業、資金集めなどにかけている時間を

より小さくしていくことは必須でしょう。

経営方が学校における業務のあり方を変えていく努力をすること、

そして教員自身が時間の使い方を変えていく努力をすることの両方が

状況を打開してくれるはずだと考えますがいかがでしょうか。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp