昨日のブログと少々関連のあるテーマです。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
共学化に踏み切る地方女子大学が増えている。2023年春には神戸親和大学(神戸市)と鹿児島純心大学(鹿児島県薩摩川内市)が共学校としてスタートを切った。女性の社会進出や少子高齢化などが背景にあるが、独自の教育プログラムなど女子大時代から培ってきた強みを生かし、生き残りを図る狙いだ。
記事には、女子大の生き残り策、とのタイトルで
下の表が掲載されていました。
この表で、現況を概観することができます。
この4月に共学化した神戸親和大学。
1966年の開学当初は、女子学生の教育機会拡大を目指していましたが、
現代は格差も是正され、経済のグローバル化やデジタル化の中で
教育のニーズは変化している、との認識が学長にはおありとのこと。
少子化に伴う18歳人口の減少なども考慮し、2018年から共学化の議論を進め、
学生の意見も聴取したうえで男女共学となり、初年度は
「当初の予想を上回るペースで男子学生が集まった」
と同大学はコメントしておられます。
あくまでも個人的な感想ですが、共学化初年度の入学者数が
わりあい好調であるというケースは少なくなさそうです。
そう考えれば、共学化の真価が問われるのはその後なのかもしれませんね。
その意味では、入学後のカリキュラムはとても大切です。
時代の要請を受けての共学化だが、神戸親和大は女子大時代からの特色のある教育プログラムも残す。その一つが「女性をとりまく社会」という共通科目群だ。
女性をめぐる社会の諸事情を知り、社会の仕組みを見直す「女性学」などを学べる。家庭内暴力などのテーマについてディスカッションをする授業もあるが、三井学長は「男子学生の視点も加わることで、より深い議論ができるのではないか」とみる。
そして、生き残り策は当然、共学化に限りません。
デジタル人材の育成課程を設けたり、社会人の学び直しを強化したり、
といった教育メニューの多角化も増えてきているようです。
女子栄養大学(埼玉県坂戸市)は栄養学の視点を生かしたメニュー開発などで企業との連携を深めており、連携協定を結んだ企業や教育機関、自治体などの組織数は140を超える。
6月には吉野家ホールディングスと協定を結び、健康志向に応える牛丼を発売した。進学者を除く22年度の就職率は99%を超えるなど女子に特化したキャリア教育は実績として実を結んでいる。
マーケットが縮小する中で、いかにして生徒に来てもらうか、
ということは女子校に限らず、大きな課題と感じている校園も多いことでしょう。
建学の精神そのものは変化しなくとも、
それぞれの時代における表現型や教育プログラムは
変わって当然、と言えるかもしれません。
あくまでも教育の専門機関として、
貴校園が今後末永くブランドを維持できる方策を
ぜひ見つけていただければと思います。
(文責:吉田)