夏休みという時期だからなのか、私自身、
「物事の本質について考える」ということに意識が向いたような気がします。
今後の社会活動の中で重視されるであろう「学び直し」について、
学校側からも考えてみたい気がしました。
日経新聞より。
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世界各国の政府や企業が働き手のリスキリング(学び直し)に動き出した。新型コロナウイルス収束後の経済再開をにらみ、デジタル関連など成長分野へ人材をシフトさせるためだ。労働移動による産業構造の変化が進めば、経済の押し上げ効果は世界で約700兆円に達するとの試算もある。スキルを高めて生産性を上げられるかどうかが各国の競争力を左右しそうだ。
以前にも公表された下の図の内容。
私が所持する税理士は、業務の95%がなくなるとの予測が出て、
さもありなんと感じた次第です。
AIの発達により、単なる事務職は仕事がなくなっていきます。
世界経済フォーラム(WEF)は、2025年までにデジタル化の加速で事務職など8500万人分の雇用が失われるが、AI専門家など9700万人分の新たな雇用が生まれると予想する。
そして世界の国々では、今後の社会を見据え、
発展が見込まれる産業への人材のシフトが可能になるよう、
学び直しのプラットフォームが形成されつつあることをご存知でしょうか。
英国で4月、「ポストコロナ」の経済政策の目玉が始動した。その名も「ライフタイム・スキルズ・ギャランティー(生涯技能保障)」。成人がプログラマーやエンジニアなどの人気職種に就くための専門教育を提供する。受講は無料。関連事業に25億ポンド(約3800億円)を投じる。ジョンソン首相は「パンデミックからの復興のカギを握る」と強調する。
(中略)
米国ではバイデン大統領が3月に発表した「米国雇用計画」に製造業や環境分野など成長産業の労働力開発へ1千億ドル(約11兆円)を投じる方針を盛り込んだ。韓国やデンマークなども、IT(情報技術)や環境分野の専門知識を習得する公的職業教育プログラムを拡充している。
各国のモデルとなるのがシンガポールだ。建国以来、外国人労働者の受け入れ拡大をテコに高成長を遂げたが、失業増などを懸念する国民の不満が高まった。10年代半ば、新たなスキルを学んでもらい1人当たりの生産性を高める政策に転換した。2万5千種類以上の訓練コースや、25歳以上の全国民に500シンガポールドル(約4万円)の訓練費を支給する制度を整備した。
翻って我が日本はどうか。
上の図に示されたとおり、何もしていないわけではないようですが、
各国の施策に比べていかにも魅力の乏しい内容になっています。
嘆いていても仕方がないので、建設的に考えますと、
学び直しの拠点になり得るのはやはり学校ではないか、
と思います。
これまでは大学や短大がその役割を担うものと考える向きが多かったと思うのですが、
小中高の学びの構成も以前とはかなり変わってきていますし、
社会人が学ぶべき要素も含まれているのではないかとも思います。
例えば情報や探究といった学びは、
産業構造の変化にも合っているのではないでしょうか。
貴校園が自律的にできることは何なのか。
社会構造の変革を見据えて、ぜひとも考えてみていただきたいと思います。
(文責:吉田)