業務の多くをAIに任せることができるようになる、という役割は
学校にもそれなりに存在していることでしょう。
今回の記事は事務職がテーマです。日経新聞より。
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長らく働く女性の受け皿となってきた事務職が危機にひんしている。人工知能(AI)などIT(情報技術)に取って代わられ、仕事が急速に失われている。このままでは失業リスクが高まる。なくなる業務から需要が高まる業務へ――。IT人材へのリスキリング(学び直し)を急ぐ女性が増えている。
上の文章には女性という言葉が出てきますが、女性に限らず、
いわゆる事務職については定型業務が一定量を占めることが多く、
AIの得意分野と重なります。
結果、下のグラフのように人員が余剰になる、
との見通しが有力になっています。
さて、事実はそうであっても、このことをどのように受け止めるか。
人それぞれ、危機感を持つ方もいれば、そうでない方もいらっしゃるでしょう。
この記事に登場する方は、商社に一般職で勤めていたところ、
定型的な仕事は入社時より減ってきたことを感じ、
ここ数年将来のキャリアに悩んでいたとのこと。
そこで大学が提供するリカレントの講座を受講し、
ITスキルを基礎から学んでおられます。
この記事を読んでの気づきが2つ。
まずは、貴校園の事務職員さんは、業務内容の変化や環境の変化を
どう捉えていらっしゃるのか、ということ。
厄介な業務、面倒な業務は学校事務に多くあるとは思いますが、
それらの多くはAIの得意分野だと言えるでしょう。
少しずつでも役割を広げ、かつ人間こそが得意とする、
データ等を基に「考える」分野へと業務をシフトさせていくことが
求められているということを、
貴校園内でも周知する必要があるのではないでしょうか。
そしてもうひとつ、リカレント教育が現実に必要な時代にすでになっている、
ということ。
大学のリカレント講座はかなり増えてきたと思いますが、
少子化の現代、例えば小中高ではそういったことはできないのでしょうか。
プログラミングの基礎が義務教育で提供されるようになりましたし、
マーケットを広げるという意味では取組のひとつとして
十分考えられる気がするのですが。
三菱総合研究所の山藤昌志主席研究員は「コロナ下で企業はDXを加速している。そのために労働需給の変化が前倒しされる可能性がある」と指摘する。山藤氏の試算では24年に事務職156万人が余剰になるという。対してITを含む専門技術人材は30年に162万人が不足する。「自分のスキルを棚卸しし、今の知識や能力を生かして一歩ずつ小刻みなリスキリングを継続することが失職リスクを下げる」と助言する。
(文責:吉田)