寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

大阪の学校経営コンサル会社/株式会社ワイズコンサルティングが、学校経営に関する情報を収集し発信するブログです。

「来校型」に訴求力 オンラインの工夫も必要に

コロナ禍が続く中、次年度の生徒募集も心配です。

リアルかリモートか。ひとつの記事をご紹介いたします。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

大学が受験生向けに実施するオープンキャンパスが始まった。新型コロナウイルス禍で中止が相次いだ昨年から一転し、受験生の受け入れを再開する大学が増えてきた。模擬授業を配信したり、仮想現実(VR)を使った校内見学の疑似体験を導入したり、感染リスクを抑えつつ魅力をアピールする方法にも知恵を絞っている。

 

というわけで、ご紹介するのは大学の実例ですが、

中高においても考え方は同じでしょう。

ぜひご参考になさってください。

 

6月中旬の上智大。

制服姿の高校生が集まり、検温を済ませ、

オープンキャンパスでの模擬授業に参加する様子が記事になっています。

昨年のオープンキャンパスは訪問受け入れを断念した同大ですが、

今年は参加を事前予約制にして、来校者を制限。

飛沫感染を避けるため学食の営業は見送り、

国の接触確認アプリ「COCOA(ココア)」の利用を呼びかけた、とあります。

 

そこまでして、なぜ来校型のオープンキャンパスを実施するのか。

「大学のカラーを知るにはキャンパスを訪れるのが有効。

 入学後のイメージをつかんでもらうことは、後悔のない進路選択にもつながる」

との同大関係者の言葉を裏付けるようなデータが、

下のグラフで紹介されています。

 

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就職情報会社ディスコが実施した、2021年3月の高校卒業者322人への調査では、

来校型のオープンキャンパスへの参加経験をもとに進路を検討したのは

全体の29.5%で、前年度(62.1%)から半減。

代わりにオンライン型のオープンキャンパス(13.4%)や、

ユーチューブなどに投稿された動画(9.9%)を参考にした人が目立ちました。

そして、来校型のオープンキャンパスに参加できた生徒の90.3%は、

その大学への入学意欲が「高まった」「やや高まった」と回答した一方、

オンライン型の参加者で同様の回答は計75.9%にとどまりました。

やはり実際に足を運んでもらうことが募集対策になる、

という結果と見てよいでしょう。

 

ただし、そうであっても感染リスクを念頭に置くことは重要です。

 

早稲田大は8月に事前予約制で来校型を実施する一方、

各学部の情報などを見られる受験生向けサイトの掲載動画を確保。

 

関西学院大も8月に実施予定のオープンキャンパスで、

対面実施イベントの参加人数を限定した上で、

模擬授業の一部をオンラインによるライブ配信で実施。

 

志願者数が安定している京都大や一橋大など、大学紹介の動画などを公開する

オンライン型のオープンキャンパスのみを実施する大学もありますが、

その内容に工夫を凝らす動きも出ているようで、

東京大は7月に実施するオンライン型のオープンキャンパスで、

VRで学生生活を疑似体験できる「バーチャル東大」を実施するとのこと。

 

さて貴校園の広報活動はどのようなご予定でしょうか。

情報の授受双方が、まだまだオンラインだけでは不十分さを感じている

様子が垣間見えるところですが、逆に言えば、

これまでいかに方法論の工夫の幅が狭かったか、ということを

物語っているようにも思います。

この記事は以下の言葉で締めくくられています。私も同感です。

今後はより幅広に募集活動の方法が検討されることを願っております。

コロナ下で大学の魅力を伝える手段としてオンラインの重要性は増しているが、活用は道半ばだ。遠隔地や海外にいる高校生らにもアピールできるなどオンラインの利点は多い。活用次第で志願者増につながる可能性がある。

 

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp