学校における働き方改革の目的はここにあると言ってもいいかもしれません。
授業の充実のためには準備が必要。
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
少人数学級の実現に向けた議論が活発になっている。現場にいる者にとっては、ぜひ実現していただきたい内容である。しかし少人数学級が実現したとしても、学校教員の多忙な環境を改善する効果は限定的である。また、新学習指導要領が求めている「主体的・対話的で深い学び」につながる授業の実現への道のりは遠い。
今後の文科省施策の目玉になりそうな勢いの「少人数学級」。
しかしこの記事の筆者は、学級内人数が減ることによる効果に疑問を投げかけます。
その理由は「少人数学級になっても担任が担う業務量はあまり変わらないから」。
授業中の子供の学習状況は把握しやすくなっても、
授業そのものの内容は準備次第、と主張されています。
私が勤務する小学校の場合、勤務時間から授業時間を引いた時間は3時間30分である。これらの時間には朝の会や帰りの会、給食、清掃指導などが含まれる。勤務時間内には休憩も割り振られているが、子供たちの連絡帳の確認やテストの採点業務、事務処理などに費やすことが常態化している。
深く頷いておられる方が画面の向こうに見えるような気がします。
こうやって業務の棚卸をすると、
時間がどのように使われているのかよく分かりますね。
そして記事の筆者の場合、裁量で使える時間は
結局のところ「1日あたり60分間程度」という計算になり、
この時間を授業の準備に充てたとしても、
1日に担当する180分間分の授業の計画を立てることは不可能、
と結論付けられています。
結果、残業や持ち帰り仕事が発生する、と。
これを解消するには、教員一人一人が担当する授業のコマ数の上限を定めることだ。たとえば現在は週に29コマ担当している授業を週20コマに減らせば、1日に90分間、授業準備の時間を確保できるようになる。過去の国会では授業時間と同じくらいの時間を準備にあてることが妥当だとの説明があった。この説明に比べると十分ではないが、現状と比べればかなり余裕を持って授業を実施できる。
小学校における標準的なコマ数を私は十分把握できていませんが、
週29コマというのは確かに準備する暇がない分量のような気がします。
この記事は公立校の実例に基づくものだと思われますが、
私立小学校の持ちコマ数は果たしてどのくらいなのでしょうか。
小学校に限らず、中高においても、持ちコマ数は
学校経営の要素としてかなり大きな影響を持つ変数です。
多くし過ぎれば授業の質に影響を及ぼしますし、
少なくし過ぎれば人件費が学校の永続を危うくするリスクがあります。
貴校園の持ちコマ数が果たしてこれまで同様でいいのか、
今後の経営の枠組とともに労使が意識を共有したいところです。
(文責:吉田)