寝ても覚めても学校のこと。~学校経営の経営課題(人事・財務・募集・施設などなど)について考えるブログ~

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冬ボーナス、4社に1社が2ケタ減

コロナ禍で企業業績が落ち込む例が数多く出てきています。

となると、ボーナスは減る。これが自然な流れなのですが、

果たして私学はどうでしょうか。

日経新聞より。

 

www.nikkei.com

(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)

 

経団連は(12月)22日、大企業が支給する冬の賞与(ボーナス)の集計結果を公表した。加重平均の妥結額は前年比9%減の86万5621円となった。前年比でマイナスとなるのは2012年以来、8年ぶり。下落率はリーマン・ショックの影響があった09年(15%減)に次ぐ、過去2番目の大きさだった。新型コロナウイルスの感染拡大で幅広い業種が打撃を受けた。

 

賞与の記事の際にはいつもお伝えしていることですが、

統計の対象に注意が必要です。

この統計は、東証1部上場で従業員が500人以上の164社分を集計したもの、

と書かれています。要するに、大企業対象の統計と言っていいでしょう。

製造業は7.5%減の864,862円、非製造業は12.9%減の868,431円。

業種別でみると、商業(百貨店)が32.8%減の577,634円。

大きな減少になっているようです。

 

私学に通わせているご家庭にも大企業勤務の会社員家庭は多く含まれるでしょう。

この統計を見る限り、家計への影響が懸念されます。

納付金等の収受について、各校園でご留意いただければと思います。

 

さて大企業はそうだとして、中小企業はどうでしょうか。

いつも参照させていただいている大阪シティ信用金庫さんのレポートで

確認してみます。

元データはこちら↓

中小企業の 2020 年冬季ボーナス支給予定

上記レポートから、ポイントになりそうな数字だけをまとめますと…

・賞与を支給するかどうか、について

「支給する」企業は 54.0%(前年冬に比べ11.2 ポイント減少)

「支給しない」企業は 46.0%(同 11.2 ポイント増加)

・1人当たり平均支給予定額

 正社員1人当たりの平均支給予定額は 287,604円(同 3.4%減少)

 

半数の企業でボーナス支給なしとなり、

金額の減少幅は大企業よりも小さいものの、

絶対額としては大企業の半額にも及びません。

 

今年は貴校園の運営もかなり大変だったと推察いたします。

ただ、収入が途絶えるという事態には至らなかった学校がほとんどでしょう。

その意味では、直接的な経営存続の心配をせずに済んだ、

稀有な事業体であったともいえるのではないでしょうか。

 

ただこの先、生徒数がどう推移していくのかによって、

経営の厳しさがより増すことも十分考えられます。

そのような事態になったとき、賞与が高水準で固定的、

というのは経営リスクを高め、ひいては安定雇用の妨げにもなり、

教職員各位にも迷惑をかけてしまう結果になりかねません。

 

上記数値をご覧いただき、貴校園の賞与額が適切かどうか、

賃金に対する考え方とともに再確認していただければと思います。

  

(文責:吉田)

www.ysmc.co.jp