1クラス当たりの生徒数が多すぎるのが日本の特徴、
とよく言われますが、別の角度から見てみると…
日経新聞より。
(有料会員限定記事となっております。ご了承ください)
2021年度予算編成で焦点になる小中学校の「少人数学級」実現を巡り、経済協力開発機構(OECD)が公表した国際比較データが波紋を広げている。日本の学級(クラス)規模は各国より大きい一方、教員1人あたりの児童・生徒数は平均並みと読み取れる内容だ。政府内の評価は割れ、担任外教員や学習指導員の配置で重点を絞り対応する案が出てきた。
教育に関する統計にもいろいろなものがありますが、
代表的な切り口として「1クラス当たりの生徒数」が挙げられます。
この数字が国際的に見て大きい、というのが文科省の主張です。
下のグラフを見ると、確かにそう見えますね。
これに対して、予算の縮小を迫る財務省が注目したのは
「教員1人あたりの児童・生徒数」。
日本は小学校16人、中学校13人となっており、
それぞれ15人、13人である加盟国平均とほぼ同規模です。
これも下のグラフを見ればよく分かりますね。
現場をご存知の方であればすぐにそのからくりが分かるはず。
そう、日本は1クラスあたりの担任外教員が多いんですね。
文科省は翌27日に
「担任外教員は特別な支援が必要な児童・生徒への対応に充てている」と反論。
さらに、学力への効果についても論争があり、
新型コロナウイルスの感染拡大を巡る教育に関するレポートをまとめた
OECD担当者は9月に、
「少人数化しても学力に影響があったとの報告はない」と明言。
ただ一方で
「少人数の国の方が感染対策をしやすく、
学校再開の動きにつながったとの見方がある」とも語っています。
財務省は財政支出の増加につながりやすい一律での学級編成基準の見直しに慎重な一方、指導方法の改善や不登校などに対応する担任外教員の追加は容認する。補習や部活動の指導員など外部人材の活用を含めた重点を絞った方策を探る。
私学としてもその動向に注視しつつ、
望ましい教育環境の整備に努めていただければと思います。
(文責:吉田)